設定資料集を読みに来たんじゃないんだから。
ネット投稿する小説には、「読みやすさ」というものが重視される傾向があるようです。
一話一話が短い、空行が多い、など、普通の小説と比べるとネット小説は少し違うのかなと感じます。
少し前の「読みにくさを解消する」にも書きましたが、こういうところに注意すると、多少は読みにくさが解消されるのではないかと思います。自分で読んでみて読みにくかったら、他の人にとっても読みにくいのです。
同じく「読みにくさを解消する」の話とかぶりますが、長編を書こうとすると、まず自分が設定している世界観や現状などをずらずら説明したくなるものです。
しかし、読む側としてはそんな説明が長ったらしく続くと、読むのに疲れてしまいます。
解消する方法としては前回述べた方法があるので、そちらを参考にしてもらえればと思います。
さて、冒頭にずらずらと説明を書きたくなる小説、実は長編を書こうと思って最初に設定だけできて後が続かない、という人に多いのではないかと思います。
小説を書いている人なら経験があるかもしれません。大そうな設定をしたはいいが、なかなか物語ができず、別の話を思いついてしまう。その話は完結しないままずっと書かない、といったこと。
その小説、冒頭文にやたら世界観や登場人物の紹介をずらずらと書いていませんか? もしかしたら、思い当たるところがあるのではないでしょうか。
そういう世界観やら登場人物の紹介やらは、小出しにしていくほうが、読者としても頭に入りやすいのではないかと思います。
例えば勉強するにしても、新しい公式やら文法やらを一気に出されても、恐らく頭に入らないでしょう。
情報を出してはそれを使って話を続け、また新しい情報を出してその情報を使った話を作ってく。
そうしたほうが、読者としては頭に入りやすいのです。
小説はあくまで「小説」であって、設定資料集ではありません。読者も、あなたの小説を読みに来たのであって、その小説の設定資料集を読みに来たのではありません。
もちろん小説の後に、設定資料がつくことはあるでしょうが、あくまでそれはおまけと考えておきましょう。
どうしても書きたいなら、その小説とは別のメモ帳なんかに書き留めておき、物語を作る際に使用したほうがいいでしょう。




