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トップダウン方式のストーリー作成

 みなさんは、小説のストーリーを考える時、どのような方法で考えているでしょうか。

 最初に舞台設定があって、その舞台の中で色々イベントを起こしていく書き方、登場人物が特殊な力を持っていて、それを使って話が進んでいく書き方、何かの結末があって、そこに向かって話を進めて行く書き方。いろいろあると思います。

 しかし、「書く長さ」によって、話の考え方というのは違ってくるのではないかと思います。

 例えば、最初から舞台設定や登場人物の設定があって、そこから話を進める場合、後からエピソードを追加したり、登場人物を増やして話の幅を広げることができますから、長編向きの話の作り方ではないかと思います。


 ちょっと話がそれますが、ソフトウェア工学などの世界では、最初に全体のシステムを定式化し、後で個別の部分を設計することを「トップダウン設計」、最初から個々の部分を設計しておき、それを組み合わせて大きな部品を作り、最終的に全体のシステムを組むことを「ボトムアップ設計」というそうです。

 先ほどの話の作り方を当てはめると、最初にシステムがあって、それを使って個別の話を作るのは「トップダウン設計」に似ていますし、(最初に目標を設定していますが)最初から個別の話を作っていくというのは「ボトムアップ設計」に似ています。

 なので、ここでは前者の話の作り方を「トップダウン方式」、後者の話の作り方を「ボトムアップ方式」と名づけておきます(後から知ったのですが、ここで言う「トップダウン方式」は「演繹法」、「ボトムアップ設計」は「帰納法」と呼ばれているようです。今回は「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」という名前で話を進めます)。


 トップダウン方式の話の作り方においては、最初の設定というものが重要となります。初期の設定というのは、最初の話だけではなく、後からも使っていくものです。

 なので、ここの設定がうまくいっていない、あるいは読者に理解してもらえないと、その後の展開が分かりにくいということになります。


 設定自体は、まず「どういうシステムにするか」というものを考えます。例えば、登場人物が何らかの能力を使ってバトルする、とか、そんな感じです。

 その次に、その設定に付随する設定をつけて行きます。先ほどの能力物の話であれば、使うための制限だったり、能力の内容だったり、能力を活かすための舞台設定だったり、登場人物の性格だったり、といった感じです。

 こういった設定は、文章を書くときには別の場所に常に書いておいたほうがいいでしょう。後から物語と矛盾するとややこしくなりますから。


 トップダウン方式の話作りが長編向きなのは、この設定の部分に触れることで、物語に応用できるからです。何故その能力を使えるようになったのか、その能力の代償にまつわるエピソード、能力を秘密にしている理由はなにか、といった感じです。

 単にその設定を使って物語を進めるだけではなく、こういったところで読者に理解を深めさせることができます。


 ただ、トップダウン方式の話作りでも、ある程度明確な目標設定が必要です。でないと小説が終わらなくなりますから。

 例えば、ボスを倒すとか、誰かを見つけるとか、何かを破壊するとか。

 物語がそこまで到達しても、そこから別の話を作ることができるので、そこで続けるかどうかを決めることもできます。


 トップダウン方式の話作りは、このように終わっても続きをかけるという利点もありますので、アイデアがありすぎて困る、という人はとりあえず設定を使って小さな目的が終わるまでを一区切りとするとよいでしょう。それを書き溜めておけば、後で何か書くことに困っても、その続きを書く、という方法が取れますから。

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