改行と空行
文章を書く際、読みやすくするために空行や改行を使うことが多いと思います。例えばこの文章のように、全く改行がない文章だと、どのような展開になっているか分かりにくいですし、読むほうも疲れてしまいます。句点や読点はもちろん文章の区切りに使用することで分かりやすくできますが、ずっと改行が無い文章を読み続けるのは辛いところでしょう。
空行も改行と同様に、文章を読みやすくするために使用しますが、若干性質が違います。
多くの小説では、場面転換や話の区切りが付いたところで空行を使用し、空行の後からは違う話になる、ということを示しているでしょう。
縦書きの世界ではほぼ常識だと思いますが、横書きの世界、特にインターネットを利用して小説を読む場合、本で読むのとは感覚が違ってきます。一度文字だらけのサイトに行ってみるとよいと思うのですが、空行がずっとない文章は読む気がなくなってくると思います。
私の場合、普通に紙の本で読むのと同じ感覚で空行を使っています。つまり、場面転換したい場合だったり、そこで話が一旦切れる場合などに使用します。
しかしながら、この「小説家になろう」のランキング上位の小説というのは、どんな感じの小説が多いでしょうか。
いくつか読んでみると、場面転換でもなければ、そこで話の区切りでもないのに、結構空行を使っている小説が多いのです。
さて、これらの空行、他にも活用させる方法があります。
空行を挟んだ部分を、目立たせるため。たとえば……
【きっとここは目立つから、前の文章を読んでなくてもここだけ読む人も多いだろう】
……という感じに。今回は墨付きカッコと併用しましたが、この文章をぱっと読むと、上の文章が目立っているのが分かると思います。
現在小説というと、ライトノベルが結構はやっています。アニメ化になったりコミック化になったりと、メディアミックスがしやすいというのがライトノベルの特徴なのですが、恐らく中高生に支持されるのは「読みやすい」ということではないかと思います。
文章を読むというのは結構大変なことです。読みやすい文章を書く、ということも重要なのですが、その読みやすい文章に「見せる」には、空行をうまく利用することが一つ挙げられると思います。
同じ読みやすさの配慮としては、改行のタイミングも挙げられます。パソコンからだと読みやすくても、携帯からだと長すぎて読みづらい、ということもあります。ですから、「小説家になろう」では「携帯版の改行」と「パソコン表示での改行」というタグが存在するわけです(ちなみに私は使ったことありません)。
本当にそうだろうか、と思った方は、私の小説と、ランキング上位の小説を読み比べてみてください。私の小説が読みづらいと感じた方は、空行があまりなくて息苦しい……と思っているのではないでしょうか。
言葉と同様、小説の形というのも色々変わっているのではないかと思います。しかしながら、いろんな人に読んで貰うためには、「読みやすさ」というものは一つ重要なことだと思います。どんなにおもしろい小説でも、最後まで読んでもらえなければそのおもしろさも理解できませんから。
もし「アクセス数はそこそこあるのに感想も評価ももらえないなぁ……」と思う人がいたら、今より空行や改行をより効果的に使ってみてはどうでしょうか。使い方が分からなければ、ランキング上位の方の空行、改行の使い方を参考にしてみると良いと思います。