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二次創作が作りやすい理由

 恐らくどの小説投稿サイトでも同じだと思いますが、一次創作の小説よりも、二次創作のもののほうが人気なのではないかと思います。

 小説を読もう、と思ったとき、適当におもしろそうなものを探すというのもありますが、やはり知っている作品に関するものや、話題になっているものの方が読みやすいと思うのです。

 小説を書く際にも、物語というものはなかなかできないものです。ですから、最初はある程度登場人物や舞台が整っている作品をまねたり、その作品の続きを書いたり、別のパターンの話を作ったりしたほうがやりやすいのではないかと思います。


 二次創作物は、既に原作において登場人物や物語の舞台、物語のコンセプトなどがしっかり定まっています。ですから、作者としては、後はそれらの材料を使って、原作とは違う物語を作るだけで済むわけです。

 例えばケーキを作る際、一次創作の例だとスポンジの材料、卵や砂糖、小麦粉などを買って来て、それを泡立てたり焼いたりしてスポンジケーキを作った後、クリームなどでデコレーションして出来上がるといった感じでしょう。それに対し、二次創作の場合、既にできているスポンジケーキを買って来て、それにデコレーションすれば出来上がる、という感じになります。

 作者が小説において書きたいものは、やはりストーリーが中心ではないかと思います。登場人物の設定や舞台の設定というのは物語を作るための材料でしかありません。

 しかし、重要な部分であるにもかかわらず、なかなか難しく面倒なものです。それらが省けるというのが、二次創作が手軽に作れる理由なのでは無いでしょうか。


 それらの設定を行う必要が無い分、物語に集中できますし、登場人物や舞台の説明をいちいちする必要がなくなります。読む人はその登場人物がどういう人なのか、あるいは舞台がどういう場所なのか、原作で知っているからです。

 もちろん、初めて読む人のためにある程度の説明は必要になってくると思いますが、それでも設定がある分説明も書きやすいでしょう。


 ただ、二次創作で作品を作る際にも、難しい点があります。一次創作では登場人物や舞台を自分が作らなければならない分、いろいろいじることができるのですが、二次創作においては既に登場人物や舞台設定がしっかりされているため、そこに触れにくいのです。

 自分の描きたい物語にもよりますが、そのようにかちっと決まった設定のせいで、うまく話が進まなくなることがあります。二次創作の小説を読む人は原作のファンが大半でしょうから、そこをいじってしまうと原作ファンから指摘を受ける可能性があるでしょう。

 もう一つ、オリジナリティが出しにくい、というのがあります。物語のコンセプトが原作で決まっているため、そこを崩さずにオリジナリティを出そうとすると、その縛りが思いのほかきつかったりします。そのため、誰でも思いつきそうな物語の展開になりやすくなってしまいます。

 一つ例を挙げてみます。「未来日記」という、十二人の日記所有者がそれを駆使して他の所有者を倒していくサバイバルゲームを行う漫画があるのですが、その二次創作小説の大半が、「十三人目の日記所有者」を扱ったものです。十二人日記を持っている人がいるのですから、オリジナル展開を作ろうと思うと、やはり「十三人目」というのを出さざるを得なくなってしまいます。そして、恐らく原作を知っている人であれば、誰でもそういう展開に持っていきたくなってしまうものです。

 もちろん、別に十三人目を出さずに、オリジナルキャラクターが他のキャラクターをサポートする側に回ったり、日記を使わずに他の日記所有者を倒す話にしたり、原作キャラクターの行動を掘り下げたりといった話も考えられます。話を作るのでおもしろいと思うのは、やはり「十三人目」を出すことなのです。オリジナルの日記の設定も作りたいでしょうし。


 このように考えると、一次創作を作る上で、登場人物の設定や舞台の設定が、いかに重要かが分かってくると思います。逆に、他の作品を参考にすることで、「設定するべき部分は何か」というのが分かってくるのではないかと思います。


 一次創作がなかなか進まないという人は、二次創作の小説を書いて、何が足りないのかを模索するのも良いかもしれませんね。

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