ファーストインプレッション―タイトルの話
何かの本を読もうと思ったとき。何かテレビ番組を見ようと思ったとき。何かを買おうと思ったとき、まず、何を見るでしょうか。
例えば、ここ「小説家になろう」で小説を読もうとした場合、必ず目に入るものがあります。それは、タイトルです。
小説を読もうと思っても、何でもかんでも読もうと思う人はあまりいないと思います。できれば、おもしろい小説に出会い、せっかく読む時間を自分が楽しむ時間として過ごしたいと思うのではないかと思います。そう考えると、あまりに中身が薄い小説とか、自分の興味が無いジャンルとかは飛ばしたいと思うでしょう。
もちろんタイトルだけでなく、あらすじ等も読めますから、そこも参考にすると思います。しかし、中身が完全に分からない以上は、とりあえずタイトルから選んでいくという方法を取るのではないかと思います。
人間は中身が大事だといいます。確かに、いくら外見が良くても、中身が悪い人とはあまり付き合いたくないでしょう。
しかし、外見というのは、思いのほか中身を示すものです。外見と言っても、イケメンとか不細工とか、可愛いとかブスとかいう話ではありません。身なりがきっちりしているか、TPOにあった服装になっているか、髪はきちんと整えられているか。そういうところでも、性格がいろいろ出てくるものです。
小説のタイトルやあらすじも同じように、できればそのタイトルから中身が連想できるようなものがよいでしょう。しかしながら、シンプルすぎると他の作品とタイトルがかぶってしまいますし、長すぎたり凝りすぎたりすると、なんとなく手を出しにくいイメージになってしまいます。そこらへんのさじ加減が難しいところではあります。
最近のライトノベルのタイトルを見ると、どうもタイトルが長い作品が多い気がします。勝手な想像ですが、今は「そういう傾向のタイトル」が人気なのでしょう。
長いタイトルというのは、やはりインパクトがありますし、長い分逆に覚えてくれる、というのもあると思います。売れているタイトルがどのような傾向にあるのか、というのを分析するのも良いと思います。
しかしながら、この傾向がいつまでも続くか分かりませんし、同じようなタイトルが並んでいると「ああ、またこの手のものか」と思ってしまい、読者がつかなくなる可能性もあります。
やはり、自分自身の作品ですから、他の作品どうこうより、自分自身のオリジナリティを出したいところです。
小説のタイトルをつけることは、自分の子供に名前をつけることと似ている気がします。特に長編小説なんかは、そのタイトルがずっと付きまとうものですから、もし長編を書こうと思うなら、タイトルはしっかり決めたほうがいいでしょう。
第一印象というものはとても重要です。いくら中身が良くても、最初の印象がよくなければ、中身すら見てくれないのですから。




