とにかく、書き上げること
小説を書く上で一番大切なことというのは、一体何なのでしょうか。
もちろん、キャラクターを決めたり、話のアイデアを出したり、情景描写をとりいれたり、言葉を正しく使ったりと、やることはたくさんあります。
その中でも一番大切なこと。何だと思いますか?
今まで小説の勉強などあまりせず、小説自体もあまり読んでいませんでした。しかし、さすがにまずいと思い何か勉強をしようと、ラノベの書き方についての本を購入してみました。
その中には小説を書く上での基本的なことや、ストーリーの作り方、キャラクターの作り方などがありましたが、特に重要なこととして挙げられたのが、「とにかく、きっちり最後まで書き上げること」です。
小説を始めたばかりの人は、いろんなアイデアが浮かんできて、今書いていることを中断して別の小説を書き始めたり、途中で行き詰ってそのまま、という状態になることがよくあると思います。
しかし、「書きかけのものがたくさんある」という状態は一番まずい、といわれています。一つでも仕上がればいいのですが、そういうものがたくさんあると、なかなか完成した一つの小説が出来上がらなくなってしまいます。
私はそういうことが多い傾向にあります。先の構想があっても、全然文章に出来なかったり、途中の文章ができなかったりで投げ出してしまったりします。まさに、ここに書かれている状態です。
こういう事態に陥らないためにはどうすればよいのか。少し考えてみました。
まず、アイデアが浮かんだら、とにかく浮かんだところをどんどん文章にしていく。先の展開だったり、ふっと思いついたことでもどんどん書いておく。できれば、物語の導入部と結末を書いておき、間に思いついたアイデアをどんどん入れていく、という感じで進めると良いのではないかと思います。
こうして、とりあえず小説の「骨組み」を作っておけば、後から出てきたアイデアをその間に入れていくことで、徐々に小説の形が見えていくでしょう。付け足しや削除は、後から出来ます。
骨組みが出来て、ある程度の流れが出来たら、足りない部分を補っていく。情景描写だったり、登場人物の特徴だったり、必要な知識だったり、そういったところです。
短編だとこういうのはやりやすいのですが、長編ともなるとなかなか難しいものがあります。そういう時は、「短編をいくつも繋げる」といったやり方にしてみてはどうでしょうか。
長編の多くは、一つの出来事が起こる→解決して、次の出来事が起こる、というような繰り返しになることが多いため、その区切り区切りで上記のようなことをやっていけばよいと思います。
途中で、その話には関係ないアイデアがでてきた場合は、他のところにアイデアをメモしておけばいいでしょう。そうすれば、後から使うことが出来ます。
小説、というとどうしても最初からストーリーを決めておき、書く際はさくさくと順番に書いていく、というイメージがあります。原稿用紙で書く場合はそれのほうがやりやすいですし、なかなか修正や追加というものが難しいところではあります。しかし、現在はパソコンで書くことが主流なっていて修正や追加、さらには順番の入れ替えも容易になっています。
私も現在のスタイルは、最初からどんどんと書いていくスタイルにしていますが、どうしても次のアイデアがあるのにそのつなぎの話が出来なくて、そのまま放り出してしまうことが良くあります。なかなか、さくさくと進めることは難しいものです。
そう考えると、作家を職業としている人というのはすごいな、と思います。途中で手詰まりしても、投げ出さずにきちんと仕上げる。単に趣味の範囲で小説を書いていると、締め切りなどの制限がないため、途中で投げ出すことが多くなりがちです。
小説投稿サイトでも、いつかは本を出したいと思っている人も多いと思います。そのためには、ヘタでも何でも、まずはその物語をしっかり完結させること。実際やってみると、それが一番難しいことだとわかります。
今書きかけているものがあるなら、それを何が何でも完結させようと書いてみてください。たとえ自分ではその話が面白くないと思っていても、必ず今後の力になりますから。