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俺は皇帝を辞めました~皇帝を辞めた俺は欲望のまま気の向くまま女とヤリながら生きていきます~  作者: エデンの園の魔界蛇


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47 貴人に頭を下げてみた



 ヒルデはリリアンと違っていつでも街への出入りは自由だ。

 俺は夜が明ける前にヒルデを出発した。



 う~ん、レゼンデの町ってどっちの方角かな。

 西大陸に行く船が出てるからアイデ帝国の西の方に行けばいいと思うけど。



 アイデ帝国にもちゃんと道には案内板があるがヒルデを出たすぐの案内板にはレゼンデの町の文字はない。



 とりあえず西の方角に行って途中で人に訊いて見よう。



 そう思って俺は西の方角に伸びる道を歩いて行く。

 やがて太陽が昇り辺りが明るくなった。



「ふわあ~」



 大きな欠伸をして俺は目を擦る。



 ビレーデやレミの相手をして寝てないから眠いなあ。



 のんびり歩きながら次の町に着いたら俺は早めに宿屋を取って少し眠ろうと考えた。

 そこへ後ろから馬の蹄の音や馬車の音が聞こえてきた。



 なんだろう?



 振り返った俺の目に騎士に護衛された豪華な馬車の一団が目に入る。

 どうやら誰か貴人を乗せた馬車の一団のようだ。


 道を歩く人々はみんな道端によってその馬車に頭を下げている。

 俺が皇帝をやっていた時も俺を乗せた馬車が通ると平民は道を譲って頭を下げていたのを思い出す。



 誰かは知らないけど俺も平民になったんだから頭を下げるべきだよね。



 他の人と同じように道端によって俺はその馬車の一団に頭を下げた。

 馬車は俺の前を通過して行く。


 チラリと馬車に付いてる紋章を見るとアイデ帝国の皇帝家の紋章だ。

 おそらく馬車に乗っているのはアイデ帝国の皇族だろう。



 一瞬俺は緊張した。



 俺の素顔を知っているのはドルデン皇帝だけだがビレーデのように偶然俺の素顔を見たアイデ帝国の皇族が他にもいるかもしれない。

 そんな人物に俺の正体がバレたら大変だ。



 しかしそのまま馬車は通り過ぎて行った。



 ふう、気付かれないで良かった。



 再び俺は歩き出した。

 しばらく歩くと町が見えてきた。


 町の入り口には町の名前が書いてある。

 この町はカルーデという町らしい。

 それなりに大きな町のようだ。



 よし! ここで宿を取って一眠りをしよう。



 俺はカルーデの町に入り宿屋を探して部屋を取った。



「ああ、眠いや。まずは一眠りしようっと」



 宿屋の部屋で俺はすぐに眠りについた。






 その頃、ジルヴァニカ帝国の皇宮ではセルシオが俺が送った手紙とアイデ帝国の本の栞を受け取っていた。



「兄上はやはりアイデ帝国にいるようですね。この本の栞はアイデ帝国の物ですから」


「そうですか。しかしローゼン将軍からはまだ陛下を見つけたという連絡はありませんが」


「そんなに焦らないでいいですよ、ラッセンド宰相。まずは兄上が無事に過ごされていることが確認できただけでも良しとしましょう」


「そ、そうですな! 陛下がご無事なことはなによりのことですな!」


「でもこの手紙には『俺はやりたいことをやっています』とありますが兄上のやりたいこととは何でしょうか?」


「はて? 陛下のやりたいことですか? 陛下は何かをするために皇帝を辞めたということでしょうか。陛下からは特に何かを『やりたい』とは聞いておりませんでしたが」


「そうですか。でもきっと皇帝の仕事をしていてはできないことなのかもしれませんね」


「し、しかし、皇帝である陛下が皇帝を辞めないとできないことなどあるのでしょうか?」


「きっと兄上には私たちには想像もできない深いお考えがあるのかもしれません。あの素晴らしい兄上が意味のないことなどするはずがないですし」


「そ、そうですな! 陛下は意味のないくだらないことなどしませんな!」


「当たり前です! ラッセンド宰相。兄上が意味のないくだらないことで皇帝を辞める訳ないじゃないですか!」


「そ、そのとおりですな。セルシオ殿下」


「しかし兄上以外にこの国の皇帝に相応しい人間はいません。兄上を連れ戻して説得して我々も兄上に協力しましょう」


「協力ですか?」


「我々が協力すれば兄上のやりたいことが兄上が皇帝であってもできるかもしれないじゃないですか」


「な、なるほど。陛下のやりたいことに我々が協力するということですか」


「そうすれば兄上が皇帝を辞めることは無くなりこのジルヴァニカ帝国は安泰です」


「分かりました。陛下を連れ戻せたら陛下のやりたいことに我々も協力致しましょう」


「ええ、そのためにも兄上がいつ帰って来てもいいように我々で兄上の留守を守らねばなりません」


「承知いたしました」



 ラッセンド宰相はセルシオに頭を下げた。




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