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俺は皇帝を辞めました~皇帝を辞めた俺は欲望のまま気の向くまま女とヤリながら生きていきます~  作者: エデンの園の魔界蛇


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28 国境を越える方法を考えてみた



「あそこがフーデリーの町よ」



 ナタリーの言葉に俺は前方に見えてきた町を見た。

 フーデリーの町はアイデ帝国との国境の検問所に一番近いので旅人の姿が多い。

 俺を乗せた荷馬車は無事にフーデリーの町に着いた。



「ありがとう。ナタリー。おかげで助かったよ」


「い、いえ、私の方こそハリーさんに出会えて嬉しかったわ」



 俺はチュッとナタリーに口づけをして荷馬車を降りた。

 ナタリーは顔を赤くする。



「そ、それじゃ、気を付けて旅をしてね」


「うん。ナタリーも元気でね」



 俺はナタリーと別れてフーデリーの町を歩く。



 まずはお腹空いたから何か食べようかな。



 食事のできるお店に入り俺は席に着いて注文を済ませる。

 近くのテーブルには兵士と思われる男たちが食事をしていた。

 その兵士の会話が聞こえてくる。



「なあ、リリアンの本部からの今回の命令って面倒だと思わないか?」


「ああ、あれだろ? 黒髪に黒い瞳の若い一人旅の男が検問所に来たら徹底的に調べて怪しい奴がいたら報告しろってやつだろ?」


「黒髪に黒い瞳の若い一人旅してる男なんてたくさんいるからいちいち検査するのに時間がかかってよ」


「まったくそうだよなあ。なぜそうしなきゃいけないのか理由は教えてくれないしさ」


「仕方ねえよ。俺たちは単なる一般兵だもん。上の言うことに従うだけさ」


「まあ、それしかねえよなあ」



 なるほどね。

 俺の特徴を検問所の兵士に伝えて俺を国外に行かせないように考えたのか。



 俺は自分の飯を食べながらラッセンド宰相のやりそうなことだと思った。


 まあ、この兵士たちの言うように黒髪で黒い瞳の若い男の旅人は多いからそれだけで俺の正体がすぐにバレることはない。

 身分証も完璧に作ってあるが検問所でもし怪しまれたら国境を越えられない可能性もある。

 もたもたしている間にローゼン将軍がやって来たら大変だ。



 さて、どうするかな。



 俺は国境の検問所をどうすれば通過できるか考えた。

 食事を終えた俺はフーデリーの町の通りにあるベンチに座りながら行きかう人々を見つめてある女を探していた。



 違う、この女でもない。



 俺の前をいろんな女が通る。

 そこへ旅姿の女剣士が歩いてきた。



 こいつだ。



 女剣士は20代半ばくらいの黒髪に黒い瞳の女で一人で歩いている。

 腰に差した剣が女が剣士であることを物語っていた。


 ジルヴァニカ帝国には女剣士は少ない。

 だが隣りのアイデ帝国では女が剣士になることは珍しくないことなのだ。

 だから女がアイデ帝国出身者である可能性は高い。


 俺はその女に声をかけようと近付いたが俺より先にその女に声をかけた男がいた。

 俺と同じ旅の剣士の姿をしている大柄な男だ。



「お姉ちゃん。剣士同士、俺と仲良くしない?」



 黒髪の女剣士はその男をチラリと見た。



「私は自分より強い男しか興味ないの。剣術もあっちもね」


「へへへ、それなら俺は剣術もあっちも強いぜ。仲良くできそうだな、俺たち」



 男は鼻の下を長くしながら女に一歩近付いた。

 その瞬間、ヒュッと風の切る音がする。



 速い!



 一瞬にして男の首元に女の抜き身の剣が突き付けられた。



「ひいいい!!」



 男は驚いてその場に腰を抜かしてうずくまる。



「たいしたことないわね。私は弱い男には興味ないの。命が惜しかったらさっさとどこかに行きな!」


「ひい!す、すみません!」



 慌ててその男が逃げて行く。



 ふ~ん、あの女剣士の腕はなかなかのものだな。

 だが自分より強い男にしか興味ないなんて好都合だ。



 女が自分の剣を鞘にしまったのを確認して俺は女に声をかけた。



「ねえ、お姉さん」



 女剣士が俺の方を見た。




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