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1-3

 私は、私のことがやはりうまく思い出せないけれど、「これが夢ならよかったのに」と思ったことはこれまでの人生で一度もないと思う。


 これはあくまで私のポリシーのようなものだけれど。

 自分のしたことに対して、あるいは自分の関わっていない、事故のようなことだったとしても、私はその現実から、少なからず結果としては自分が関わった事柄に対して、夢だったと、嘘であってほしいと願ってしまうことは、なんていうか、自分に不実を働いているような気がして、憚られるのだ。


 しかし、今日ばかりは、今回ばかりは、「これが夢ならよかったのに」と目覚めながらに思ってしまうことは、致し方ないことだと思う。


 身体の違和感。渇いた喉。鳴るお腹。


 それが否応にも、私に、これが現実だと教えてくれている。


 くれやがっている。


 このやろう。


 しかし、一眠り、あるいはふて寝をしたおかげか、多少は心の整理がついたようだ。

私が私のことを全く思い出せないことを自分の中にとりあえず落としこめる程度には。


 私、意外とメンタル強かったんだな…。


 3日くらい絶望にうちひしがれていても不思議じゃないと思っていたんだけれど。


 いや、そうしたら死ぬか。


 生物の防衛本能かもしれない。



 ――さておき。


 とりあえず水がないと死ぬので、多少のリスクは負うにしても、あたりを探索して、小川なり池なりを見つけないことには始まらない。


 どんなに状況が絶望的でも、私のことが何一つ思い出せなくても。


 死んでしまっては、本当に終わってしまうから。



 そうして私は、軽くて重すぎる腰を上げたのだった。



△▼△▼△




 目の前に、さらさらと小川が流れている。流れる水は木漏れ日に当てられて優しく輝いていて、清んでいる。


 ……意外とあっさり見つかった。


 最初の状況が絶望的過ぎたから、またさらに絶望を畳み掛けられることも覚悟していたけれど、どうやら杞憂で済んだようだ。


 絶望的なことに変わりはないが。


 しかし、とりあえず命の危機は脱した。


 私は小川顔を押し付けて、浴びるように水を飲んだ。


 からからに渇いた喉が潤されていく。


 ああ…生を実感する……。生きている…。私は今、生きている…。


 たっぷりと飲んだところで、私は小川から顔を離した。


 命の危機が遠のいたことで、思考がさらに少しクリアになった気がする。


 とにかくこの調子で食べ物と寝床も――






 と、少しだけ前向きに考えが巡ったところで。






 枝を踏みつける音が、響いた。


 距離はそう近くないが、人のものではない、しかし、しっかりと地面を踏みしめる足音が聞こえてくるようだった。


 私は急いで近くにあった大きめな岩の陰に隠れる。


 そこから、こっそり、慎重に様子を窺うと。


 こちらに迫ってくる大きな影が。


 ファンタジーの世界にしかいない、大きく、太った、二足で歩く豚が。


 オークが、そこにいた。

プロットが真っ白。

誰か書いてくれないか。

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