ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 03
「え?! 模擬戦じゃないよね?! なんで、今日も受け身の取り方なの?!」
細身の男は、一息入れて続けた。
「とにかく!! ジュール、怪我だけはしないでね」
細身の男の名前は、バルナス。賢者の学院の魔術師である。階級は、導師補。※
身長:175cm。体重:63kg。年齢はレイブンよりは少し下のようだ。肌の色は白色で、髪の毛は黒色の癖毛。切れ長の眼の中に光る金色の眼が、神秘的な雰囲気を見せていた。
長袖、長ズボンの上からローブを羽織り、手にはゴツゴツした杖を持っていた。
バルナスは、研究室にこもるよりも現場に出て知識を得るほうが性にあっているという、インドア派が多い魔術師のなかでは、ある意味での変わり者である。講義の無い日は、自らの趣味と実益を兼ねて冒険者として活動しているのだ。
「レイブン様。私、気合弾の魔法 を撃ちます」
“今日こそ……当てて、みせますっ!!”
ジュールがレイブンに宣言した。
「いつでもいいぞー」
意図的に、軽い口調。
「気合弾の魔法 なら、当たっても死なないからな。それに……」
ニヤリと笑って続けた。
「骨が折れたら、ジュールが治してくれるんだろ?」
「はいっ!! キレイに治します!」
※賢者の学院とは……。
この世界では一番の権威を誇る教育機関であり、魔術師と賢者の育成を行っている。
もともとは、とかく世間から嫌われる存在である魔術師の保護とお互いの学問の振興のために造られた組織である。
本部はサロストという東方一の大都市にあり、世界中の大都市に支部が設けられている組織なのだ。




