マリーア、甘える
お館の名前をリンデン館に設定、この後1話から前話まで順に改稿します
実は、先代当主とマリーアの母である姉の仲はあまりよろしくない。
姉は男というだけで優先される弟を良く思っていないし、弟は優秀すぎる姉と比べられる経験から関わりたくないと避けている。
マリーアの母は、当時としては珍しく女学校でなく高等学院から大学へ進みその才を広く知られる女傑であった。
ちょうどその頃、優秀であれば長子や男子にこだわらず家督を継がせるべきだという風潮があり。脳筋な弟より自分こそが後継になるべきだと彼女が思うのも自然な流れで。
しかし現実は残酷だった。
「うちは代々軍人だ。我が国では女は軍人になれない。お前が優秀なのは認めるが、戦場に立てない者に家督を譲る気は無い」
尊敬していた父にそう言われて彼女は絶望した。負けん気の強い長女は、女でも軍人になれるのであれば苦しくともその道を選んだろうに挑戦する事すら許されなかったのだ。
おつむはイマイチなのに体だけは頑強な弟の下に置かれるのが嫌で、長女は自力で相手を見つけて結婚して家を出た。
そんな事情で実家と縁遠くなっていたのだが冠婚葬祭といった行事は無視できず、子ども連れで実家に滞在する機会が出てくる。
マリーアを初めて実家に連れて行った時、あまりのはしゃぎっぷりに長女は落ち着かなかった。
「絵本に出てくるお城みたい!」
「お母様がよく話してくれたお庭、本当に妖精さんがいるんじゃなくて?」
「こんな素敵なお館に住んでるなんて、おじい様はすごいです!!」
無邪気な孫娘の姿に、祖父母はいたく感激した。
それまでほとんど顔を合わせていなかった事もあり、この機会にとマリーアをさんざん甘やかして可愛がった。
叔父である先代も、生意気ざかりの自分の息子達とは違う「女の子」という生き物に興味深々だった。
「おじ様は体が大きくて強そうで憧れちゃいます!」なんて言われて肩車をねだられた時、先代はマリーアに陥落した。
除隊後、先代に雇われていた料理長はその場面を目の前にして思った。
女って怖い。
まだ五つ六つくらいの子どもなのに、自分の武器が何なのか分かっている。周りの反応を探ると、ほとんどの大人は微笑ましいものを見る様相だった。
そんな中、冷めた眼をしていたのがマリーアと同年代の子ども達だ。
不満そうな弟やその他少年少女達をなだめるように、先代の長子アイゼンは言う。
「あの子を気に入らないのは分かるけどさ。お祖父様の話し相手を引き受けてくれてるんだから有難いんじゃない?あの子に年寄り連中の相手は押しつけて、俺らは庭で遊んでこようよ」
プロット頭の中にしか無いからどのエピソードを先に出すか迷って書きかけ大増産
(どんどん設定変わってくからそのまま使えない( ̄▽ ̄;))




