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若葉の詩⑤『ありがとうとさようならの猿』
そろそろ出かけないといけないわ
イチジクのようでラジカセじゃない、右隣の花火が消えてしまうから
ゆらゆら揺れて、ゆらゆら揺れて
車窓に切り取られたパノラマ
山のいただきに
竹編みのバックに美味しいお弁当を入れて
二の腕の裏に真珠貝色の名前を刻んで
言いたいことは沢山あるけど
よくよく考えると言う必要はないし
やっぱり言わないでおきますね
でも一つだけ
この世界にいる全てのお猿さんを右利きにしてくれてありがとう
それじゃあね、バイバイ
さようなら