フクシュウとチョコレート1-18
この作品はフィクションです。
ーーー後日。
「…ありがとう、ございました。」
深々と頭を下げる依頼人。
「いえいえ~、どういたしまして~」
にまにま笑顔が堪えられない私。
その私の手の中には、ミストモルテンの濃厚チョコブラウニー。
依頼の報酬としてもらったものだが、先程から食べたい気持ちを抑えるのに必死だ。
「では、あの、これで………。」
800万の入ったバッグを大事そうに抱え、再び一礼すると、依頼人は店を出ていった。
………
……………
出て行った?
出て行ったね?
店の外を上下左右、くまなく見渡すと、私はドアに、「外出中」の札をかけて、ドアを閉めた。
………ふふ、
…いよぉぉぉぉっしっ!!!お待たせしました私!!
それではそれでは、お待ちかねの!チョコレートターイ
「先輩。」
ム!…………む?
「いるんでしょ?いますよね?開けますよ?」
この声は…!まずい!ドアは閉めたが鍵をかけていなかった!
慌ててドアノブに手を伸ばす。
がちゃり
…時既に遅し。一歩届かず。
「こんにちは、先輩。」
「…こんにちは~、後輩。」
「先日はどうも。急に呼び出してくれまして。」
「あ~…、うん、うん。大丈夫よ?大丈夫。そんなに御礼言わなくても」
「言っていません。」
「ですよね~…。」
「はぁ…。毎度毎度毎度毎度、本当自分勝手ですよね。いくら腕が良くても、そんなに自分勝手なことではついてきてくれる人もついてこなくなりますよ?だいたい」
始まった…。後輩くんの説教モード。
後輩にする人選、間違えたかしらね。仕事はきっちりやってくれるけど、この文句と説教は…
「聞いてますか?」
「え?」
「大事なことはきちんと聞いて下さい。それだから毎月の売上げも、」
…濃厚チョコブラウニーを食べられるのは、数時間後になりそう。
はぁ~…………。
また依頼人が現れたら、また開店するかもです(^-^)。




