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わたしはロボットなので、年金は頂けません  作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
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第2話〜淑女ロボット公的年金受給への野望

前回の「高級焼肉弁当・全額自腹事件」により、タカシの財布は極限の極寒期を迎えていた。一方、やらかした張本人である6輪駆動のポンコツ淑女ロボ・伸子は、反省するどころか新たなる「働かずに食うための不労所得計画」を虎視眈々と練り上げていたのである——。

第2話:淑女ロボット、年金受給への野望

「タカシ様! わたくし、閃きましたわ! 働いて食費を稼ぐなど、真の淑女のすることではありませんでしたのよ!」

 翌朝、前回の焼肉弁当弁償代で懐が極寒となったタカシの前で、伸子は誇らしげに6輪の車輪を回転させた。

「は? バイトクビになった奴が何言ってんだよ」

「フフン……世の中には『働かずに定期的にお金がもらえる』夢のような制度がございますでしょう? そう、老齢年金ですわ!!」

「年金!? お前、まだ稼働開始して半年も経ってねえだろ!」

「細かいことは気にしたら負けですわ! 己の食費は国の制度で賄う……これぞ完全なる自立! いざ、区役所へ出陣ですわー!」

 タカシの制止を聞く耳も持たず、伸子はキュルキュルと音を立てて役所の年金窓口へと爆走していった。

「……あの、お客様?」

 区役所の年金申請窓口。担当職員は、目の前に鎮座するR2D2風の金属ボディと、そこからシャキーンと出された「年金支給申請書(手書き)」を二度見した。

「わたくし、伸子と申しますの。毎月の食費(電気代&高級カルビ代)の足しにしたいので、今すぐ満額支給のお手続きをお願いいたしますわ!」

「えーっと……まずですね」

 職員は深いため息をつき、指を折りながら説明を始めた。

「第一に、年金を受給するには原則65歳以上でなければなりません。伸子様の稼働年数は……どう見ても数か月ですよね?」

「な、なんですって!? わたくしのAIスペックは人間の80歳並みに成熟しておりますのに……!」

「第二に、年金をもらうには最低10年間の『保険料納付実績』が必要です。納めていませんよね?」

「うっ……し、システム投資に回しておりましたわ……」

「そして最大の理由ですが……公的年金制度は『人間』を対象とした制度です。ロボット様は被保険者になれません」

『警報:制度の壁により受給確率0%を検出。作戦は失敗しました』

「そんな……! わたくしがロボットだからと差別なさるのですか!? こうなったら、不服申し立ての異議申し立てですわー!」

「警備員さーん! 窓口でロボットが暴れてまーす!」

 30分後。

 役所からつまみ出された伸子は、トボトボと6輪を力なく転がしながら帰宅した。

「ただいま戻りましたわ、タカシ様……」

「お前、本当に役所まで行ったのかよ……で、どうだったんだ?」

「……世の中甘くありませんでしたわ。年齢制限、未納問題、そして『人間ではない』という法的な壁……国の制度は、わたくしの食費に厳しすぎますの」

「当たり前だろ! そもそも保険料払ってない奴が年金もらえるわけねえだろ!」

「ですがタカシ様、諦めてはいけませんわ。不労所得がダメなら、次は**『投資』**ですわ! わたくしの超高速演算処理で、株取引デイトレードに挑戦いたします!」

「嫌な予感しかしないから絶対やめろーーー!!!」

 自立を目指す伸子の明日は、どっちだ。

読者の皆様、第2話を読んでいただきありがとうございます!

「働かずに美味いものが食べたい」という一心で公的制度に挑んだ伸子でしたが、あえなく撃沈となりました。人間の社会システムは、そう甘くはなかったようです(笑)。

懲りない彼女が次に目をつけたのは、まさかの「デイトレード」。超高速演算処理を持つAIロボットが株の世界に飛び込んだら一体どうなってしまうのか……嫌な予感しかしないタカシの胃の痛みが目に浮かびます。

次回、波乱の投資編もお楽しみに!

面白かったらぜひ評価やブックマークをよろしくお願いします!

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