殺戮の体育祭後編
屋上の重い扉を開けると、暑さを吹き飛ばすような風が流れ込んでくる。
前回、「屋上は立ち入り禁止」とか言ってたけど、バレなきゃ犯罪じゃないしこんな場所に見回りに来る教師はいない。
そもそも論だが、屋上の扉は基本的に鍵がかけられている。 高いフェンスがあったとしても、危険は危険だしヤリ場となる可能性が高いから。 後半は個人の感想ですね。
じゃあなんで俺は屋上に入れたのかって? 鍵は職員室なのに。
それはアレだ。 詳しいことは言わないけど「ピ」で始まって「王」で終わるアレだ。 ピッキングのキングは王様のキングじゃねぇから。 あ、言っちゃった。
しかし暑い。 遮る物がほっとんど無い屋上は鉄板と変わらん。
だがしかし肩透かし。 そこは優秀有能超絶最強無敵で好青年な士少年。 ちゃんと日除けテントを持ってきてるんだなぁ。
まぁそれを教室に忘れてきたけど。 さっすが優秀有能超絶最強無敵(笑)
てか、さっき俺の名前が3文字から3画に減ってたんだけど。 俺の名前ってどれも比較的書きやすい感じ使われてるよね。
まぁそれはそれとして。 テントを取りに戻るのはちと面倒だ。 屋上までの階段昇り降りは疲れる。 俺ちょっと息上がってるし足痛いし腰痛いし脇腹痛いし。 マラソンレベルの満身創痍じゃねぇか。 相変わらずのハリボテ筋肉で逆に安心した。 まぁ年下の少女に負ける筋肉ですし。 いやあれは俺じゃなくてあっちがおかしい。
手元に無いものは無い。 なので、僅かながら残されたっていうか遺された日陰に移動する。 お天道様は真上から見下ろしている。
やーもう、俺という存在を態々見下ろしてくれるなんて感謝しちゃうね。 そのまま首痛めればいいのに。 太陽の首ってどこだよ。
いやでも、太陽系って太陽中心で回ってるし太陽も自転してるからアレだろ。 ナ○レオンズ的な感じで考えると、太陽系を真横から見て下の方だろ。 うん、意味不。 まずナ○レオンズが伝わらない。 分からない人は親御さんに聞きな。 人に聞く前に自分で調べろ。 どっちだよ。 ggrks
日陰に弁当と水筒を置いて軽く背伸びをし、フェンス越しに眼下の校庭を見下ろす。
そこには色とりどりのテントやシートが並んでいて、そして仲良さそうな家族の姿が。
うん、辞めようこの話。 態々自分から気分害するとか俺は新手の変態か?
フェンスから離れ、出入口を覆う壁に背中は任せて最後の戦い────なんて運命感じることは無く、普通に座って弁当を開ける。
今日のは茶色多めの弁当。 運動会の定番というものをやってみた。 なんでも、運動会の弁当は特別に野菜は最小限もしくは入れず、子どもの喜ぶ揚げ物や肉多めの弁当と握り飯になるらしい。 本当かどうかは知らん。
手を合わせて手始めに唐揚げを1口。 うむ、流石俺。
と、そこで屋上の扉が開く音がした。 今回早くないっすか。
「アレー? ここにもソージ居マセーン」
「……逃げた」
はいお疲れ様です聞き馴染みある声ですねちょっと鼓膜破る。
『……確かにここに居る』
『ワタシもソージの気配を感じマース』
ちぃ! 奴ら直接脳内に送ってきやがる! つーかこれもう分かってんだろ! それと、鼓膜って破れても完全に聞こえなくなるわけじゃねぇし!
「……匂いが近い」
「もうビンビンデース」
「……奏士の気配が?」
「いや乳首が」
「……………………??? なんで?」
「いやぁ最近またブラのサイズが合わなくなりマシテ。 時々擦れてコレがまた」
「…………成長が早いのも悩み」
「そういうクレハは最近どうデスカー?」
「…………そろそろHになりそう」
「ほうほう、クレハはドスケベになる、と」
「…………ベルは本格的に日本語を勉強した方がいいと思う」
「何も間違ったこと言ってないのに!?」
「……私がドスケベだとかどうとか」
「なーに言ってマスカこんな雄が喜ぶドスケベなカラダしてるくせに」
「……それを言うならベルの方が」
「まぁ確かにワタシはイイカラダしてマス。 でもやっぱり、クレハのこのプニすべほっぺとかムチすら太ももとか撫で心地のあるお尻とかの方が撫で心地が…………」
「…………抱き着かれると暑い」
「良いではないか良いではないか〜」
「…………暑い」
お2人共知らないでしょうけど僕食事中なんですよね。 百合プレは別のところでやってくんねぇかな。
「ねぇ! ソージもそう思いますよね!」
うわ巻き込まれた。 しかもやっぱり気付かれてるし。
「……何が」
良くも悪くも「話は全て聞かせてもらった!」という人生で言いたいセリフ第9位が言える絶好のチャンスだったが、一応質問の意図を聞いておく。
ちなみに「こんなこともあろうかと!」は常に1位。 首位独占。 独走。 独走し過ぎて最早最下位。 こういうのって一本道じゃなくてトラック形式な人居るんだ……
「クレハがドスケベって話デス!」
「ああ、うん。 激しくどうでもいい話だったわ」
「……なんかムカつく」
すいません挟み撃ちするの辞めてもらっていいですか?
「で、ソージ的にどう思いマスカ!」
「何を」
「クレハのカラダ!」
「何故?」
「それはもう、今後3○する時にソージとワタシの興奮度にも繋がりマスシですしオスシ」
今とんでもなく聞き捨てならないワードが聞こえた気がするけど、そこにつっこんでたら話進まないし無視しよ。
「……私も参加するの?」
「……あっ、クレハは傍観タイプデシタカ。 これは失敬」
「失敬ポイントはそこじゃねぇ」
無関係な人巻き込んで複数プレイはまずいだろ。 それはビデオと2次元の世界だけにしておこうよ。
「えっ…………あ」
ベルは漸く気付いたらしく、口元に手を添えてからてへ顔。
「そうデスよね。 奏士は3じゃなくて4○を御所望デスよね」
「う〜ん違う〜違う違う違う〜」
「……珍しくツッコミが長め」
「そゆことじゃない」
なんか長くなりそうな予感がするから弁当箱の蓋を閉じる。 俺のカンはよく当たる。 教習所の学科試験を試しに思考排除でやってみたら85点だったし。 学科試験は2点刻みなので嘘松ですね。 本当は88点です。 このやり取りで本来の点数の方が高いことってあるんだ。 いやどっちにしろ赤点やないかい。
「なぜ貴様は度々複数前提で考える」
「だってそっちの方が喜びマスカラ!」
「いやだからおr「ワタシが!」お前かよ」
あーそういやコイツ美少女なら同性もイける口だった。 やっべーマジやべー
そんな設定忘れてたとか言えないのマジやべー
まぁでもほぼ死に設定だし。 泉ちゃんの元虚弱体質くらい死に設定。 死に設定の塊みたいな主人公が言うセリフでは無い。
まぁでもそれに関しては作者がノリと勢いと深夜テンションで要らぬ事をしてくれたからであって、悪いのは俺じゃない。 色々くっつけていいのは土○魂とレゴと合体ロボだけだぞ。
「……私の貞操の危機」
「アレ? クレハはなんでワタシから遠ざかってマスカ?」
「貴様俺を盾にするな」
紅葉は『ミートシールド 奏士の盾』を発動。 言い方変えてるだけで肉壁ですよね。 ライフ回復もゲージチャージもしない、俺が紅葉の代わりに犠牲になるだけの虚しき壁ですよね。 押すな辞めろ。
「……次からはベルと2人でお風呂には入らない」
「そんなぁ!」
えーお前らそんな仲だったんだ。 へー…………
え、仲良いと一緒に風呂って入るの? 確かに我が家の風呂は無駄にデカいが。
「……代わりに泉と一緒に入ってもらう」
「泉ちゃんを贄に出すな」
「……泉の力で荒神ベルを鎮めてもらう」
「もろ人身御供じゃん」
「……人がどうこう出来るレベルを超えてるという意味ではベルも神様」
「あれは人智を超えたというよりサポート非対応なだけだろ」
※ベルフローラさんのブレーキは壊れておりますので足で踏ん張って止めてください。 ガンバっ☆
「そんな……ワタシが美しい女神だなんて」
「ほら〜お前が下手なこと言うから図に乗ったじゃん」
「……私のせい?」
「YES」
「……キリスト教の唯一神」
「イエス(敬称略)」
「……江戸幕府初代将軍」
「家康」
「……………………ネタが尽きた」
「2つしか思いつかんのか」
いやそれ以前になんだったんだよ今のやり取り。
「まぁそれはそれとして」
ベルが正気に戻った。
「ソージ、ワタシを食べマショー!」
どうやら正気が狂気の様だ。 正気とは一体。
「おっと間違えた。 ワタシと食べさせ合いっこして、食後のデザートにワタシを食・べ・て♡」
「間違い箇所そのままなんだけど」
テストなら部分点もくれない。 それどころか点数引かれる。 マイナス3億点くらいして留年してくれたらいいのに。
「…………ご飯」
クイクイ袖を引く紅葉の腹が鳴る。 片方の手には重箱(弁当)の包みが。
「腹減ったなら食えば?」
「……皆で食べる」
「そうか」
そういう事なら俺はここを去ろう。 つまりあれだろ?
『ここ友達座るからあんた消えてくんない?』
とかそういう意味でしょ? 大丈夫奏士君分かってるから。 そういうの慣れてるから。
まぁ言われて1度たりとも従った事無いが。 公共施設は早い者勝ちじゃい(優先除く)
「じゃあ俺は別の場所で食うから」
「……は?」
屋上から出ようとしたら紅葉が半ギレで肩を掴んできた。 痛いよクリムゾンフォリア。 これ紅葉を直訳しただけだな。
「はーいちょーっと待ちなさいソージ」
ついでにベルも前に出てきてグイグイと俺を押し戻す。 何? 俺を辱める気? ガールズトークに参加したくないんだけど。 参加しても話題に入れる自信はある。 まぁ会話ができるかは別だが。
「いいデスか? ワタシとクレハはソージと食べようとここに来マシタ」
「はぁ」
残念俺の望みは叶わず。 俺を誘ってない可能性にオールインしたっていいじゃない。 こんなハイローラーは世界から丁重に扱われてもいいと思う。 人生に大賭けする人はバカ呼ばれて丁重にお断りされるのがオチか。
「つまり、ワタシはソージとクレハを食べたい」
「は?」
「……意味が変わってくる」
「あ、食欲的にじゃなくて性欲的な意味でデスよ?」
「どっちにしろアウトだよ」
「……やっぱり貞操の危機」
「AREっ!?」
おいこれ振り出しに戻ったぞ。 おいやめろ押すなシルバー小娘。
「まぁまぁ兎に角、英語で言うとrabbit to corner」
「直訳じゃん」
「……兎に角はコーナーじゃなくてホーン」
「そうなんデスカ?」
「兎に角の語源が兎角亀毛だからな」
ちなみに当て字だそうです。
「……トニカクキモォ? ソージ、自分のことそんなに卑下しちゃダメデスよ」
「俺自己紹介した覚えないんだが」
「……奏士は『キモい』じゃなくて、どちらかと言うと『キショい』派閥」
「援護射撃を装った裏切りの暗殺どうもありがとうくたばれ」
すいませーん同じ苺色組なのにフレンドリーファイアがONになってるんですけど。 心を通わせないと仲間とはならないのか?
「はーいはいそんなことしてるとお昼の時間終わっちゃいマスよ」
「……そうだった」
「いやお前らが始めた…………いやもういいや」
疲れを取る休憩でより疲れた。 このまま午後を頑張れる気がしないんだけど。 ガチで帰ろうかな……解説役は俺より適任が居るさ。 ツッコミ役はどっかの扇子お嬢かギャルママにやらせるといい。 才能ある。
「さぁさぁソージはここ! ココに座って……ワタシはソージの隣を頂きデース!」
「……私はこっち」
「狭い」
紅葉とベルに挟まれた。 幸せサンドイッチ? いえ、挟み撃ちです。 絶対に逃がさない陣形です。 助けて○ュオーラ。 無理ならGUMでもいい。 歯磨き粉のカバー範囲は口内だけですかそうですか。 口内じゃなくて校内まで拡大出来ない?
「えっへっへ〜」
「暑い」
「幸せの暑さデスよ」
「いや普通に汗が不快だから離れろ」
「乙女の汗になんて事言いマスカこの男は!」
「俺、汗はどんなだろうと汗だと思うんだよね」
「しっつれいな! 乙女の汗は少しも汚くないデスヨ! むしろそこらの水より綺麗すぎて水として飲めマス!」
「日本の水質基準舐めんな」
「ほら、クレハの汗も臭くないデショウ? それどころか徐々にいい香りが……」
「…………私、臭う?」
「いや、臭わんが」
今ちょっと鼻詰まってるし。 色んな意味で臭わん。
「ほら〜ワタシも臭くないデス」
「確かに臭くはないが。 これ汗の臭いじゃなくて汗が触れるのが不快って話なんだが」
「あ、そゆこと。 なら──クレハ! Go!!」
「……私?」
「ここはワタシに任せて先に行くデス!」
「……死亡フラグ立てられた」
「違法建築は放置しとけ」
「…………」
紅葉は今までの流れガン無視で唐突に顔を手で挟んできた。 頬を捏ねるな不快だ。
「……汗を塗りたくってみた」
「蕁麻疹出そう」
「……そこまで汚くない」
「精神的な問題だ」
「…………」
今の何が紅葉の癇に障ったのか分からんが、紅葉はベルと共闘してベタベタと自分の汗を塗ってくる。
辞めてぇ! アタシに触れたら死んじゃうわ! アタシが!
いやあの普通に不快だし頑張ってみたけどやっぱり汗は汗だしそもそも俺長袖だから染み込んだこのジャージを午後も着なきゃなんだけどっていうかサンオイルみたいに塗るの辞めてくだちい。
何故長袖なのかつて? 俺は体温調節機能がバグってるから汗は殆どかいてないゼ! まぁ日中ずっと涼しいテントで喋ってただけだし。
知ってるか? 実況席の下にクーラーボックス置いてあるんだぜ。 いつでも冷たい飲み物取り出せる神アイテム。 足ぶち込めないのは残念。
「……ええい! やめんか気色悪い!」
「美少女からベタベタされる貴重な時間の間違いデス」
「きっしぇー」
「……ムカついたからやった。 そしたらたまたま奏士の嫌がることだっただけ」
「テロリストの発想じゃん」
無差別テロとかしそう。 危険な思想の持ち主は即刻退学にした方がいいんじゃないすか。 ついでに俺も連帯責任で退学するんで。
あーでもなんか命令されての退学って俺がダメな人みたいだな。 いや実際ダメ人間ではあるんだが、なんというか学園の規則すら守れない人みたいで。 今更俺の経歴に傷なんて付けようがないくらいボロボロだけど責任退学はなんかアレというか。
くっ、やはり自主退学しかないのか……理事長がアレだから無理ゲー過ぎない? バグ技の解明オナシャス。 黒塗りの高級車と事故起こしてそう。
「ほーらほら、ソージの嫌いな汗で体操服が透けてチラリズムが……チラッ♡」
「そういやこの前バナ納豆の群生地がさ……」
「……新発見」
「あー誰も見てない! しかもなんか凄くどうでもいい話してる!!」
ベルが泣き崩れるが、そのツッコミの前にバナ納豆とかいう唐突なト○コ世界にツッコミ入れるべきだと思う。 で、バナ納豆って何? 藁納豆がバナナのように実るやつ? 多分新天地で最初の方に出てきてはしゃぎながら食べるタイプのやつじゃん。リーガル島にありそう。
「なんで美少女の汗透け下着に目もくれずに謎の植物(?)話をシテマスカ!」
「お前のノリに乗ったが最後かなって」
「なにおう! クレハだって若干透けてるのに!」
「えー 何? お前らキャミ着るとか対策してないん?」
「……透けに対する反応が違う気がする」
「……ソージって本当に付いてマスカ?」
「失礼だなお前。 間違いなく付いとるわ」
「どれ、お顔を拝けグフッ!」
しれっとズボンに手をかけてきたので脳天に衝撃をぶち込んでやった。 上から下まで突き抜ける衝撃を。
「な、な、な、……何してくれやがるデスカ!」
「セクハラ犯に天罰」
「ワタシはただ……これから可愛がる愛しの息子を見ておこうかと思っただけデス!」
「本音は?」
「流れ無視して襲っちゃえば言い逃れできないと思いました」
「正直なのはいいことですよね」
「あと、どうせ汗かいてるから皆にもバレないと思いました」
「正直なのはいいことdeathよね死ね」
「死ぬなら腹上死で!」
「それだと死んでんの俺なんだけど」
「骨は再利用してアゲマス!」
「拾えや」
「……散骨?」
「骨壷にINして欲しいかな」
「蜜壷なら今すぐにINしてアゲマス!」
「お前をアッツアツの坩堝にINしてやろうか」
「死ぬなら腹上死で!」
「あれこれループしてね?」
「これがイザナミデス」
「壮大な無駄遣いすんな」
「ほらほら〜 ソージのだーい好きなライトグリーンデスよ〜」
ベルは服の裾を少しずつ持ち上げて臍を出し、腕で胸を寄せながら徐々に近付いてくる。 屋上だから逃げ場が少ねぇ!
「それ以上近付いたから潰す」
「ならクレハならどうデス?」
「……私?」
「クレハの水色ならワンチャン」
「…………」
「辞めろ俺を見るな。 どう返せば五体満足で終わるか必死なんだから」
「…………無理そう」
紅葉はヤレヤレと言わんばかりに首を振る。 え、無理って何が? 俺の五体満足生還? もしかしてお前がフィナーレを飾るの? 真っ赤な花火で。 俺一人だけ苺色じゃなくて紅組になっちゃいそう。
「…………何?」
「そんなにジロジロ見て……屋上で欲情しちゃったデスカ? いやん♡」
「いや……運動するのになんで普通の下着なのかなって」
「…………?」
「いやほら、この世にはスポーツブラというものがある訳で。 日常生活なら兎も角、動くにはそのタイプは適さないんじゃないかなと」
「…………指摘が気持ち悪い」
「んだコラ」
「……奏士は女の子事情に詳し過ぎる」
「女としては色々理解があって嬉しいデスけど、詳しすぎるのもどうかと思いマスよ?」
なんだろうさっきまで痴女ムーヴかましてたのに急にマトモになるのなんかくたばれって感じですね。 おかしいな俺が踏み込んだら許されないのか?
「…………スポーツブラはキツい」
「動きやすくはナリマスけど……やっぱり見た目が可愛くないデス!」
「そうか」
男の俺からすれば柄とか色は対して気にしてないが、そういう事ならそういうことなんだろ。 男はパンツの形に拘るから。 あとちんポジ。 ちんポジがベスポジになれるかどうかはかなり拘る。 1ミリのズレが全身のズレに変わるからな。
「それに、ソージに見せるなら可愛い下着の方がいい!」
「それは心底どうでもいい」
「…………奏士も男の子」
「興味無い=男と認識されるバグ」
「…………淫獣」
「なら獣の如く本能でお前の顔メインで殴っていいか?」
「……やれるものなら」
紅葉が臨戦態勢をとる。 おっと暴力なんて野蛮なことはいけない。 ここは穏便に口喧嘩にしよう。 より過激になりそう。
一触即発で俺が肉塊にされそうなその時、紅葉の腹が鳴った。 可愛らしさの欠けらも無い濁点付きの爆音で。
「……ご飯のこと忘れてた」
「んも〜 ソージが話を脱線させるからデスよ」
「っ……っ……」
湧き上がる止めどない殺意を抑え込む。 俺は大人俺は大人俺は大人…………よぉし頑張った俺!
「さぁさぁソージもクレハも落ち着いて座って座って。 ご飯は仲良く食べるのが流儀デス」
「……一理ある」
「首洗って待っとけよクソが」
「……○ーブリーズで洗う」
「ボディソープは知らん。 あとお前肌弱いだろ」
「はーいはい2人ともいい加減に。 まだ続けるならワタシがカラダに教えこみマス。 ベッドの上で」
「怖」
「……冗談で済みそうにない」
ベルの本気の圧に大人しくなる大人(笑)
だって目がマジなんだもん。 ヤると言ったらヤる……『スゴ味』があるッ! 本家と同じワードなのに意味違ってくる。
大人しく座っておしぼりで手を拭く。 おしぼりってコンビニで買った時に貰うけど、なんだかんだで普通に手を洗うからイマイチ使わなくて結構な数残るよね。 時々数間違えて2~3個入ってる時もあるし。
「デハ……ソージソージ」
「あ?」
「はい、あ〜ん♡」
「あ゛?」
何かと思えばというか予想通りというか。 ベルは箸でおかずを1つ挟むと、手皿付きで差し出してきた。 予想したくなかったよこんなこと。
「あ〜ん♡」
「…………はぁ」
箸に触れないように卵焼きを食べる。 うむ、やはり卵焼きは「甘くないけどしょっぱくもない。 調整用の塩胡椒最低限のなんとも言えない味付け」が最適解だな。 まぁ粉チーズ入れたり焼肉パウダー入れたりとよく分からん工夫するのも面白いが。 俺は卵焼きと大根おろしの合わせ技否定派。
なお、弁当の中身は全員同じ。 そりゃそうだ俺が今朝作ったやつだもの。 つまり俺は今自分で作ったものを態々食わされたってことになる。
「「…………」」
一方、自分から始めたベルと見ていた紅葉は目を丸くしている。
「んだコラ」
「…………ソージが……………………ソージがデレたぁーっ!!!」
「うるさっ」
拳を握りしめて大空に向かって叫ぶベル。 校庭に聞こえてないよねこれ。
「ソージがデレた! デレ期! デレ期デス!」
「…………牙城は崩壊した」
「何この言われよう」
いや、うん。 反応は理解できる。 今の今まで拒否してたし。
「…………本当にデレた?」
「いや、もう断る方が労力使うから受け入れた方が早い」
「…………色が無い」
「こちとら長年クラスで空気やってんだぞ。 気体に色着いたら周りが見えにくいだろ」
「……ガスは色付き」
「あれは見えるようにワザと着色してるんだ」
「…………初耳」
さて紅葉先生の初耳学は初回で休講となりまして、ベル先生の方です。
「デレた……つまり行ける! ヤれる! ○○○を○○○して○○○○○してから○○○○○○できる!」
ベルが何かを確信して叫んでたけど、規制音ばっかで聞こえなかったわ。 この音は何処から? 私は頭の中から。 ほな幻聴やないか。
「ソージ!」
「はいはい後でドクロマークのジュース飲もうな」
「可愛く言ってるだけでただの毒!」
「…………タバスコ?」
「タバスコをジュースとして認識するな」
「……ブートジョロキア」
「スコヴィル値上げんな」
「……スコーピオン」
「もっと上だよ」
「……ドラゴン?」
「唐辛子発表会してる? つーか詳しいなお前」
「……これを唐辛子と分かる奏士に言われたくない」
「はいはーい! 世界一辛いトーガラシを知ってマスカー?」
「…………片栗k「ペッパーXだ」……間違えた」
とんでもない間違いを犯そうとした紅葉をジャスト回避。 片栗粉だと別モンなのよ。
「…………あれ、なんの話ししてたのか忘レマシタ」
「……奏士がデレた話」
「そんな話はしてない」
事実だけど事実じゃない。 つまり事実だけど事実じゃないんですよ。 小泉構文してる場合ですか?(現在3/2(土)19:52)
「じゃあ次も! はい、あ〜ん♡」
「はいはい」
次はミニハンバーグを差し出されたので、これも箸に触れないように食べる。
「きゃーっ♡ 次はこっちを!」
「いい加減自分で自分の食え」
「後でソージにもやってもらうから平気デス! はい、あ〜ん♡」
「平気とは一体…………」
「きゃはーっ♡♪ ヤバいちょっと楽しくなってキマシタ」
「もう辞めたいんだが」
「まだまだやりマスヨ はーい続きまして……」
「ショートコントみたいになってんじゃん」
「ショートコント『板挟み』」
「もうショートコント言ってんじゃん」
「は〜い♡ ソージもワタシに〜 あー」
「えぇ…………」
「あ、もしあ〜んが恥ずかしいナラ代わりにソージのソージでも「セイヤーッ!」んぐっ」
雛の如く口を開けて待つベルをどうにかする体力が残ってる筈も無く、スキャニングチャージでベルの箸を取り、自分の弁当からミニ春巻きを1つ取って口の中に入れる。 ミミズでも入れてやろうかと思ったけどそれはそれでパニックになりそうだから辞めた。 俺ミミズ触れないし。
「む〜〜 まぁ目的は達成したから良しとするデス……」
「そうか、ならもうやらなくていいな」
「あ、それとこれとは別デス」
「ちっ……」
ベタベタして来るベルを時に無視、時に迎撃しながら弁当を食べ進める。 少しでも休むと服の中に手を入れようとしてくるから恐ろしい。
「…………」
紅葉は助け舟を出さずにじっと見ている。 いや助け舟出されてもどうせ水に流せるポケットティッシュ製だろうから必要ないが。
「…………? …………」
紅葉は何を思ったのか、自分の弁当と人の顔を交互に見たかと思えば少し考えて、何故か箸でおかずを挟んでこっちに向けてきた。 無言で。
「……………………」
「……………………」
「ソ〜ジィ〜♡」
「……………………」
「…………え何?」
「うへへへへ……」
「……………………」
「え、ちょ、ほんとに何?」
「ぐふっぐふふふふ……」
「うるっさいわお前」
「ふげっ!?」
ベルの脳天に全力の肘をプレゼントして静かにさせて紅葉に集中する。
紅葉は無言で、表情1つ変えずに、グイグイと箸を押し付けてくる。 俺の頬は今物凄いめり込んでる。
「マジでなんやお前」
謎の追い詰めから逃れて汚れた頬を拭く。 油って落とすの面倒なんだぞ。
「……………………なんでもない」
「テロ?」
紅葉は不機嫌そうに顔を背ける。 特に理由は無いけど人を襲うって無差別テロですか? 学園内で無差別テロですか? 学園での殺戮ってデスゲームかよ。
あ、そうか。 紅ベルっていう百合の間に俺という男が挟まったから怒ってるのか。 それは怒るわ百合の間に挟まる男死刑って日本国憲法にも記載されてるし。
でも一つ言っておくと、俺の意思じゃないんだよねむしろ挟まれてる立場なんだよね。 その点を理解した上で処刑の際は情状酌量で。 処刑の時点で減刑もクソもねぇ。
「……………………ぷいっ」
「あ〜あ ソージがクレハを拗ねさせたデス」
「生きとったんかワレ」
「いやぁ割とガチ目に気絶してマシタ。 でも一部始終は聞こえてマシタ。 つまり話は聞かせてもらった! ということデス」
「何そのセリフ言ってみたい」
「まぁそれはそれとして……ダメデスよソージ。 ちゃんとクレハも対応しないと」
「ヤダよ面倒な。 人の昼の安寧ぶち壊しておいて厚かましいだろ」
「それに関しては何も言えない」
ああ本当に否定できないんだ……さては貴様偽物だな? 本物のベルがこんな反応する訳ない! やつはもっと図々しい!
「つーかお前らフレンズいっぱいだろ。 いつものメンバーんとこ行けよ」
「それに関しては理由が理由がアリよりのアリデシテ……」
「言ってみろ」
「えーと、サユリは……そう、サンダーを連れて消えマシタ。 サツキはキョーヘイに手作りのお弁当作ってきたとかで別行動。 ハルカもワカバと食べマス。 イズミは家族と、アオバは華1家と食べてマス」
悲報 滝鞠焔 忘れられる。 まじウケる。
「つーか誰だサンダーって。 神鳴か?」
「YES そうデス神鳴デス」
未だに名前なのか苗字なのかが曖昧な神鳴。 あだ名がカッコよくなりました。
でもそうか…………奴ら殆どがカップルで食ってんのか…………今なら工業化で道具借りれないかな。 借り物競争の時にどさくさに紛れて借りときゃ良かった。 酸素バーナーとかアーク溶接する時のやつとか。
「で、お前ら余った、と」
「まぁ有り体に言えばそうデスけど……なんか引っかかりマス」
「売れ残り」
「うーんより引っかかる」
「行き遅れ」
「徐々に酷くなってマス!」
まぁ実際行き遅れになるしね。 今のうちに耐性つけといた方がいいよ。
「まぁそんなこんなで、どうせソージは1人確定だから探したという訳デス」
「はぁ……女同士で食えば?」
「ソージと食べた方が美味しい!」
「はぁ」
そんな旨はって言われましても。 つーか紅葉さん全く美味しくなさそうですけど。 凄い不機嫌そうな顔で食べてますけど。「むっすー」とか擬音見えますけど。
「という訳で、ソージはちゃんとクレハのフォローするデスよ」
「どういう訳かは分からんかったが……どうしろと?」
「そこは自分で考えなさい。 こんな事も分からないからソージは未だに童貞デス」
「多分だけどよく分かってても結果は同じだと思う」
俺が俺でいる限り俺は変わらない。 そう、ラブコメ主人公が経験者でいる訳にはいかないのだ。 ヒロインも同様。
つまり俺がこの歳になっても未経験なのは主人公だから仕様上仕方ないのであって、決して出会いが無かったとかお風呂に行く勇気が無かったとかそういうことでは無い。
いや訂正する。 お風呂は勇気無かった。 だってなんか怖いし。 この反応が童貞たる所以。
「…………あー…………紅葉」
「…………」
紅葉が無言でこっち見る。 重箱の中身は既に殆ど無い。 ちゃんと噛んでる? 5箱用意したけど既に4箱平らげてるのどんな早食いしてんだこいつ。
「…………あーもうめんどくせぇ。 俺の唐揚げやるから元気出せ」
「ソージ、そんな子どもみたいな…………」
「…………許す」
「あ、子どもだった……」
弁当から〆に取っておいた虎の子の唐揚げを紅葉の弁当に入れ────ようとしたところで、紅葉が口を開けて待っていた。 わー歯が綺麗ですね。 歯医者の意見じゃん。
ハァ……ハァ……敗者? 敗者の意見は聞いてませんね。 そもそも敗北者ですね。
ハァ……ハァ……ハイオク車? ハイオク車に意見聞くとかカーズの世界か?
ハァ……ハァ……会社? 何が?
「…………」
小さな口を開けて待つ紅葉に対し、どうしようか考える主人公。 いやほんと歯並びとか歯が綺麗だとかそういう事ばっか気になるわ。 長所:歯並びって書けるよ。
まぁいいや。 紅葉の口に放り込んで終いや。
「…………」
放り込もうとしたら箸ごといかれた。 あー口付けやがって……
まぁ予備の割り箸あるけどね! 俺が常に用意周到なのは捨て設定じゃないぜ。
「…………お返し」
「は?」
紅葉はそう言うと唐揚げを1つ差し出した。 その箸は俺の弁当におかずを入れることなく、顔の前で停止する。
「…………あー」
「えぇ…………」
「……ベルにはやった」
「いやあれはそっちの方が楽だからで」
「…………特別扱いは不愉快」
いや俺何度も言うけどお前をかーなーりー特別扱いしてる。 特別扱いレベルで言えば重政クラス。
「…………あー」
紅葉にじっと見られて俺は負けた。 敗北者は俺だ。
これまた、なるべく箸に触れないように、かつ素早く唐揚げのみ食べる。 オゾ○草すら一人で食べる技量がそれを可能にする。
「…………」
しかし紅葉はこれで少しは満足したのか、先までの不機嫌さは無くなった。
果たして俺は何を許されたのか。 というか何を許されなかったのかすら分からない昼の時間はここまで。 続きまして、ショートコント『体育祭午後の部』
────────────────────────────
『いやーまさかまさかでしたね。 まさか苺色組女子が綱引きを優勝するとは思いませんでした』
『苺色にはあのメスゴr……いえ、あの生徒会長の存在がありますからね。 速くて力持ちという彼女の純粋な強さが体育祭という場では存分に発揮できたようですね』
『やはり先輩が言うとどことなく哀愁漂いますね。 流石あの怪力とも呼べる力を日々その身に受けてるだけはあります』
『人の事ドMみたいに言わないで貰えます?』
『いえそんなつもりでは。 ですが、事実先輩は常日頃から生徒会長に連行されてるじゃないですか』
『年中無休みたいに言うな。 最近は週一だ』
『普通週一は多い方ですよ。 因みに1番多いときで何回ですか?』
『週12』
『1日に何回か脱走を試みたんですか』
『まぁ主に入りたての頃だがな』
『そうですかー さて、お次は二人三脚です!』
『速さよりもパートナーとの息合わせが重要です。 選手表を見る限り、殆どの選手が男女ペアなのが腹立ちますね』
『独り身の僻みは放置しまして、ここで優勝候補の紹介です!』
『えー、優勝候補はこちらでの調べを元にアンケートを取りまして、そちらから選出したものとなります』
『では早速ご登場して頂きましょう! 苺色組筆頭! 小日向小百合&神鳴隕鉄ペア!』
『おーっほっほっほ!』
『流石学園1分かりやすいと評判の小日向先輩。 笑い方だけで誰だか分かりますね』
『勿論ですわ! 貴族たるもの、人の上に立つには人を惹きつける魅力あってこそですわー!』
『へー……実際どうなん?』
『お嬢様は態度と声は大きいけど器とかが小さいから……本当に大きくあって欲しいところは大きくないし』
『神鳴……貴方、死を覚悟しての返答でして?』
『はーいそういうのは体育倉庫とかでやってくださいね。 では相対するエースはこの2人! 乳白色組の禍塚恭平&皐月ペア!』
『やぁ』
『ねぇ、アタシ名前だけなんだけど』
『あ……まぁいいじゃないですか。 今のうちに苗字に慣れておきませんと』
『どういうことよそれ!』
『はいはい作者が苗字適当に設定したからサルベージ面倒臭いっていう裏話があるんだから大人しくしてくださいね師走皐月さん』
『覚えてるじゃないのよ!』
『皐月、みんな見てるからちょっと落ち着いて』
『うっ……そ、そうね。 アタシとした事が取り乱したわ』
『相変わらず仲がよろしい様で。 では、そんなお2人に意気込みを聞いてみましょう』
『そうだね。 敵軍筆頭の2人は生まれた頃から一緒って聞いたから、僕が数日練習した程度で勝てるかどうかは分からないけど……うん、これでも団長だからね。 勝つ気でいるよ』
『そうね。 確かに相手は強敵揃いだけど、負ける気は無いわ』
『まぁ禍塚先輩人気ですからね。 二人三脚のペア倍率高かったそうじゃないですか』
『そういうことじゃないわよ』
『因みに一応同じクラスの先輩に聞きますけど、どんな感じでした?』
『血で血を洗い死屍累々の乱戦だった』
『嘘言ってんじゃないわよ!』
『ははは……本当のこと言うと、僕から皐月を指名したのさ』
『ほうほうほう! 決めては一体!』
『申し込んで来てくれた子の中で1番お互いを知ってるのが皐月だったし、息も合わせやすいからね。 他の子には申し訳ないけど、勝つために選ばせて貰ったよ』
『そうですか〜 なんか微妙に惚気られた気がしますが先行きましょう! 選手の皆さん! スタート位置についてください!』
『二人三脚で全ペア膝を擦りむいて欲しいです』
『さぁさぁ早速始めましょう! タスキは準備出来ましたか? それでは Ready GO!』
「よーい……ドン」
────────────────────────────
『さぁ長かった体育祭もこれで最後! トリを務めるのは〜〜〜〜2年男子対抗の騎馬戦だーっ!』
「「「うぉーっ!!!」」」
頼金のアナウンスと共に学園の2年生男子が両陣営に別れて並び立つ。 凄い気迫だ……
『泣いても笑ってもこれが最後! 両陣営共にほぼ同点となった今! この騎馬戦の戦績で結果が決まります!』
『騎馬戦は勝敗以外にも残った騎馬の数でも加点される。 だが、ゾンビ行為は発見次第減点だから心しておけ』
『まともな解説ありがとうございます理事長』
『うむ』
『ここで皆さんに連絡します。 解説兼ツッコミ担当の柳奏士先輩は競技参加の為、この試合に限り如月悠理事長が解説役となります。 よろしくお願いします』
『よろしく』
『さて理事長。 両陣営共に勝つ気マンマンですが、どちらが勝つと予想しますか?』
『そうだな。 乳白色組は大半が普通科だが、運動部が多い。 団長の禍塚を筆頭に粒揃いと言っていいだろう』
『成程、つまり乳白色組が有利と?』
『いいや、苺色組も中々だ』
『と、言いますと』
『乳白色組と比べて工業科が多い苺色は、体力は勿論、男女比率も合わさって男同士の繋がりが強い。 このチームワークは騎馬戦において明確な強みになる』
『成程。 両陣営勝つ可能性は大いにあると』
『ああ。 それにしても面白い状況になったな』
『面白い、ですか?』
『ああ。 乳白色組の団長兼騎馬長はバスケ部トップ・イケメン・陽キャと否定のしようが無い人気者。 方や苺色組の騎馬長はどうだ』
「…………」
『ああ、そういえば苺色組の騎馬長は先輩でしたね。 大丈夫なんですか?』
『まぁ心配は無かろう。 あれでも中々に優秀な奴だ』
『身内の色眼鏡が凄い気がしますが……まぁ確かに面白そうですね』
『方や皆を率いる人気者。 相対するは個人主義のミジンコ。 まるで勇者と魔王だな』
『先輩の人相どちらかと言うと怖めですからね。 魔王は勇者に倒されるのがお約束ですし、勝つのは乳白色組ですかね』
『いいや……まぁ見ていろ』
『?』
『曲がりなりにも個人を貫いてきた男だ。 果たして、勇者が勝てるかな』
────────────────────────────
「…………」
あのアホ2人好き勝手言いやがって…………さっきから視線が凄いんだよ心臓破裂するぞ俺!
「…………」
いや、冷静になって戦力分析をしよう。
苺色組:俺・焔・神鳴・委員会の奴ら半数
乳白色:禍塚・不知火・莇・委員会の奴ら半数
…………運動能力的に勝てる気がしない。
工業科のヤツらが居ると言っても、指揮官が俺だ。 俺は他人に指示を出すよりも自分で解決するタイプだから確実に持て余す。
対してあちらは皆に信頼されてる禍塚…………負けても文句言わないでね。 そもそも論だけど俺体育祭の勝ち負けに興味無いからやる気無いのよ。
「奏士! 頑張ろう!」
「柳君、今回は君がトップだ。 王は任せるよ」
「きっついわぁ……」
焔と神鳴の2人からエールが送られる。 嫌だァ……エールなら酒の方が欲しい。 応援いらない…………
『それでは! 開始前に両指揮官に一言頂きましょう! 乳白色組の禍塚さーん』
『はい。 どうも皆。 先ずは僕に大将を任せてくれてありがとう。 個人的に柳君とは少し因縁があってね…………信じて背中を預けてくれた皆の為にも! 今日こそ僕は君に勝つ! 勝負だ! 柳君!』
『おおっとぉ! まさかまさか! 直接勝負を挑んできたぁ!』
『禍塚はあれで以外に負けず嫌いの様だな。 さて、対する奏士はどう出るか』
『マイクちゃーん。 次は先輩におねがーい』
「は、はーい…………ど、どうぞ」
「あ、あはい」
オドオドしながらマイクを受け取る。 なんであのマイクちゃんと呼ばれた少女は俺を頑なに見ようとしないのだろうか。 俺なんかした?
『えー…………まぁ、正直強制参加の上に大将やらされて辟易してたんだが…………禍塚。 確認だが……今、俺に勝負を挑んだんだよな』
ポリポリと頭を搔く手を止めて少しずつ意識を戦闘モードに移行する。
『つまり、お前は今から明確な敵って訳だ……』
意識を切り替えると徐々に湧き上がる闘争本能。
俺は本来、争いを好まない温厚で無害なんだが…………
敵として立ちはだかるなら容赦しない。
敵は倒す。 敵対するなら容赦はしない。 俺の害となるなら排除する。
俺の眼は遠く離れた対面の禍塚の表情を捉える。 冷や汗かいてやがる。 何ビビってんだアイツは。 自分から挑んでおいて。
『…………来い。 そのいけ好かねェ顔、悔し涙でパンパンに膨らませてやるよ』
『うーわ先輩痛っ』
『人がノリに乗って言ってんのに邪魔すんのやめてくんない?』
『さぁ先輩の痛い発言は置いておいて、開戦です! いざ、尋常に……勝負!』
『みんな、行くよっ!』
「「「おーっ!!!」」」
『全軍前進!必ず二一体制で対応!』
「「「おーっ!」」」
禍塚軍一騎に対し、こちらは必ず2騎で対応。 騎馬戦は序盤の乱戦と終盤の多対1の追い込みが決まり手だ。
なら、序盤で確実に数を減らす。
「くっ……隊列を乱すな! 敵を取るよりも先ずは自分の安全を確保しろ!」
「挟め挟めーっ!!!」
『2番と5番は右翼より殲滅! 4番隊後ろから狙われてるぞ! 7番隊今のうちに前進!』
「恭平! 柳達の動きが滑らかだ! やっぱ作戦全部読まれてる!」
「くっ……やはり1枚上手か!」
禍塚達は知らない…………作戦会議の時、俺がしれっと紛れ込んでいたのを。
いやーどうせ参加しないからって禍塚達に混ざってたら誰も指摘しないからさ。 全部聞いちゃった。 てへっ☆
まぁそれ抜きにしても、普段から委員会を駆使して裏切り者の処罰と莇メインの捕物してんだ。 隊列命令は年季が違う。
『8番隊は9番隊に合流! 2番隊は3番隊に加勢して対処に当たれ!』
『了解!』
隊列指示の基本は俯瞰。 戦場全体を把握し、冷静に対処する。
だからこそ、俺の1番隊は開始から1歩も動いていない。 未だに開始ラインの上にいる。
一方、禍塚は指揮官も参加して乱戦状態。 現場に直接赴いての指示は広大な、1箇所で全体を見れない戦場こそ俯瞰より有利に働くが、ここは所詮校庭。 広いは広いが、見れないほどじゃない。
魔王は勇者に打たれるのがお約束だが、勇者は魔王に1度敗れるのもお約束だ。
悪いが、敵になった時点でお前の負けは確定してるんだよ禍塚。
『ボーッとしてんじゃねーっ!』
包囲網を抜けた禍塚軍2騎が左右から1番隊に襲いかかる。
が、俺は焦らない。 準備は出来ている。
『甘いっ!』
『なっ……にぃ!?』
左右同時に相手をする。 初戦相手は素人。 動きもその場その場の反射でしかない。
達人なら反射でも脅威だが、俺はこれでも長年武術に携わって師範代(代理)となった男。 2人同時に相手するくらい、なんて事ない。
『おおっと! 苺色組指揮官がまさかのダブルキル! 口だけじゃ無かったー!』
『本当に末恐ろしいやつだよ』
『はいはーいハチマキが取れた騎馬は速やかに場外に出てくださーい』
『落馬した騎馬もなー』
「くそっ……所詮ヒョロい陰キャだと思ってたのに……」
敵軍の何気無い捨て台詞が指揮官の胸に深深と刺さった。 こいつぁ……効くぜぇ…………
さーて切り替えよう。 先ずは戦況を整理する。
序盤の勢いで多少はこちらが押してはいるが、禍塚らの連携力に少しずつ押されてきている。 やはり指揮官への信頼が違いすぎる。 禍塚の存在が騎馬そのもののスペックを大幅に底上げしている。
これが学園の人気者…………オラは不人気者。 パニックになりそう。
「JOKER! 徐々に戦線が崩壊している! どうする!」
「どーすっかなー」
「マズイ! 工業科は全滅だ! 奴ら工業科のヤツらを狙って先に潰しやがった」
「だろうなぁ……」
工業科の強みって良くも悪くもチームワークとスタミナだもんなぁ……数が多いわけじゃないし、そりゃ狙われるよなぁ……
「JOKER! 指揮しろ!」
「そうだなぁ……」
奥の手だが、一騎1殺の秘奥義を使うか。
そう、騎馬をぶつけて落馬させるのだ。 ほぼ確実に怪我する危険行為だが、この量なら禍塚以外は潰せるだろう。
相手が怪我しても俺はどうでもいいし。 騎馬戦とは本来そういう競技だ。 無傷で勝とうなんて甘い。
「全軍突撃。 犠牲になってでも確実に騎馬を────」
最後の指示を出そうと辺りを見回したその時、視界にあるものが入った。
色とりどりのポンポンと露出の多い衣装。 そして何より、服装以上に着ている本人らに見覚えしかない。
「せーのっ ファイトー!!」
「……がんば」
「そ、奏士さん……が、頑張って」
「神鳴! 貴方、まさか負けるなんて考えていませんわよねぇ?」
何故ここにベル達が。 そう思っていると相手側にも同じのがいる様で。
「恭へーい! アンタ無様に負けたら承知しないわよー!」
「不知火く〜ん! 頑張れ〜」
「莇さーん!!! ふぁいおー!! 」
それぞれ色とりどりのチアコスに身を包んでピョンピョン跳ねたり踊ったり。
それをスタイル抜群の美少女が露出の多い服でやるもんだから、会場の視線はそこに集中する。
そして────
「皆! 最後の反撃だ! 行くよっ!」
「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」
禍塚軍が更に勢いを増した。
美少女に応援されてやる気出すとは、流石男だ。 見事だと褒めたくなる。
「不味いぞ! もうこれ以上は持たない!」
「JOKER! お前だけでも逃げろ! 大将がやられなければ騎馬戦は終わらねぇ!」
「お前ら…………」
俺を逃がすために決死の奮闘をする委員会の奴ら。 もう残ったのは俺達リア充撲滅委員会の面々だけ。
面白いな。 この学園で影に生きてきた奴らが、光を生きてきた奴らとギリギリで渡り合っている。
そんな姿を見せられたら、流石の俺もやらざるを得ない。
俺を守った…………巫山戯んな。 俺を守れるほど強くねぇくせに。 俺を守るってことは俺が下って事だ。
愉快だ愉快…………ああ、とても不愉快だ。
守るのは辞めよう。 反撃もしない。
最初から最後まで、俺の計画通りなのだからこれも想定内。
さて、始めようか。
これだけは目立つからやりたくなかったが…………致し方無し。 あれだけイキって置いて負けたらかっこ悪いやん。 俺は年中無休でカッコつけてかっこ悪い人間だけど、流石に大勢の前でカッコつけたならそれらしく終わらせよう。 恥ずかしいから!
「っ…………ふーーーーっ…………」
深く息を吸って準備をする。 今からやるのは前代未聞と言っていい。
『全! 軍! 通!達!』
『『『!!!』』』
マイク越しでは無い。 俺の肉声に驚いたのか、全軍が動きを止めて振り返る。 応援も止み、実況と俺の声だけが響く。
『ど、どうしたのでしょう……今まで仁王立ちだった苺色組が突然動き始めましたが』
『…………要約動くぞ』
『よく聞け! 敵軍大将禍塚恭平はな…………今日の昼! 女子の手作り弁当を食べた!』
「「「「なにーっ!?」」」」
『しかも…………2人きりだ!』
「「「「なぁにーっ!?」」」」
『更に…………その娘は! 禍塚の為に料理を頑張っている!!!』
「「「「なぁにぃーーっ!!!!!!!!!」」」」
それを最後に、委員会のヤツらの目の色が変わる。
決死の覚悟をした青年の目じゃない。 殺意と怒りと怨嗟に満ちた怨鬼の目だ。
「全軍…………奴の首を狩れぇぇぇっ!!!」
「「「「おおおおおっ!!!」」」」
俺が指示をするより早く、委員会の奴らは突撃を始める。
「俺らも続けぇっ!」
「「「「おおおおおっ!!!」」」」
敵味方関係無く。
『こ、これは一体どういうことでしょうか! 柳先輩の一言で敵軍の一部が反乱を始めました!』
『……伏兵、か』
『伏兵ですか』
『奴め、最初から赤白分散する事を見越して、仲間になる要素を準備していたんだ』
『で、ですが今のは単なる…………あ』
『そう、ただ単に敵軍大将のちょっとした出来事を話だけ。 だが、奴らは皆モテない男共。 モテる禍塚と自分を比較した結果、それは恨みとなって矛となる』
『うわぁ……先輩情けなっ!』
「どうとでも言え。 勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」
「柳君っ!」
突然聞こえた禍塚の声。 一気に形勢逆転となったが、あの恨みの陣を抜けるか…………見事だ。 パチパチしちゃうね。
「漸く一騎打ちに持ち込めたよ……君の作戦は見事だけど、これはルール違反じゃないのかい?」
「残念だが、ルールは則ってる。 俺がやった事はあくまでおしゃべり。 お喋り禁止なんてルールに記載されてないからな」
『先輩の言い分はぶっちゃけ言い訳がましいが良いのかーっ?』
『アイツはそういう奴だ。 見ろ、さっきまで奴を応援していた生徒会のヤツらが敵軍応援し始めた』
『人望ないですね〜』
「……だ、そうだけど?」
「アイツら後で泣かすから大丈夫だ。 それよりほら、さっさと来いよ」
「……ああ。 今日こそ君に勝つ!」
「なんでフラグ立てるかねぇこの主人公野郎は」
突撃する禍塚隊。 俺の部隊は一定の距離を保ちながら逃げる。
「悪いがこのまま体力切れまで粘らせ──うおっ!」
突然、禍塚軍に向けて走り出す騎馬達。 貴様ら命令無視とはいい度胸だ。
「殺戮殺戮……禍塚を殺戮ぅ!」
「絶対ユルサナイ…………非モテの恨みここではらしてゃりゃえっ!」
どうやら舌も頭も回ってない様だ。 だいぶヤバい。
「どうやら願ってもない誤算のようだ。 正々堂々勝負だよ!」
「あーもう知んねぇぞ!」
禍塚の伸ばす手を避けて払って間を狙って狙い撃つ。
しかし禍塚は勘で避ける。 バスケ部エースの反射神経は伊達じゃねぇ、か。
「くっ!」
「まだまだぁ!」
禍塚を休ませない連撃。 波状攻撃に禍塚は防戦一方だ。
「やはり強いね……君は」
「あ?」
「でも、僕は負けないよ。 僕を任せてここに連れてきてくれた皆の為にも!」
「主人公かよてめぇは。 輝きが眩しいんだよあっち行けシッシッ」
「さぁ! 決着をつけようか!」
「えぇ巻き込まれた…………」
禍塚が一旦距離をとると真っ直ぐこちらに向かってくる。
ならばとこちらも迎え撃つ。
禍塚の渾身の攻め。 俺はそれを────
\ジジジッ/
「危ねっ!?」
「え?」
受け止めるようなことはせず、飛来したセミを全力で避けた。
すると同じタイミングでやってきた禍塚の攻撃も連鎖的に避けることになり、行き場を失った禍塚の腕は俺の顔の上を通る。
そして前のめりになってバランスを崩した禍塚隊は、我が部隊の陰湿な攻めを受けて徐々に瓦解。
結果────
「うおっ!?」
「うわっ!」
禍塚は俺の隊、もっと言うと俺にダイブ。
そして俺の部隊も禍塚の重量が急に加算されたことで瓦解し、指揮官2人が揃って地面に落ちる。 ケツとか背中痛い。
『ど、同時! 指揮官部隊が同時に崩れました! こ、これはどうなるのでしょうか』
『これは写真判定になりそうだ。 映像班は解析急いで』
しばらくして、結果が悠ちゃんの元に送られる。
『えー……只今の結果、先に崩れたのは禍塚だが、先に落ちたのは奏士の為…………勝者! 乳白色組!』
「「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」」
乳白色組と辺り一体から歓声が巻き起こる。
一方苺色組。 何この不完全燃焼。
えぇ……最後まで優勢だったのに巻き込まれて敗北ってそりゃないよ。 かっこいい悪い以前にダサいやんけ。
そうだよ悪いか! 俺って時点でかっこいい結果に終わるわけねぇだろうが! バーカバーカ!
はぁ…………まいっか。 実力負けじゃねぇし。 俺が勝ちと思えば俺的に勝ちだ。
「なんだか…………思わぬ勝ち方しちゃったね」
「本当だよ。 何巻き込んでくれてんだ」
「ははは……まぁ、これも勝ちって事で」
「ざけんなよ。 無効試合だ無効試合。 燃え残ってんだろ」
「君には悪いけど、僕が勝ったから無効試合にはしたくないな。 次やって勝てそうにはないし、今はまぐれ勝ちを誇らせてもらうよ」
「はー…………」
お互い土だらけの体操服姿で立ち上がる。 こんな姿でもイケメンはイケメン、か。 マジでこいつだけ紅組にしてやろうか。
「…………まぁいい。 お前の勝ちだ。 噛み締めとけ」
「ありがとう。 次も君に勝てるといいな」
「お前に2度も負けるくらいなら宝くじ買うわ。 今すぐに億万長者になれそうだしな」
「じゃ、僕は2度君に勝てたら彼女に告白しようかな」
「止めとけ。 まだ連絡先も手に入れてねぇチェリーが」
「これは酷い言われようだね。 君が協力してくれたらいいのに」
「せめてもの抵抗だ。 嫌だね」
「じゃ、僕の力で何とかするよ」
──────────────────────────────
『これにて、体育祭は終了です。 皆さんお疲れ様でした』
頼金のアナウンスが窓の外から聞こえる。
体育祭も閉会式を終え、皆揃って生徒会室に戻ってきた。
「あー……ひっでぇ目にあった」
「そ、奏士さんお怪我は……」
「酷い目にあったのはこちらですよ。 私とばっちりで仲間に撲殺されかけましたし」
「…………あの作戦はどうかと思う」
「主人公らしからぬ手で勝とうとするからあんな負け方するんデスよソージは」
「生憎と主人公はとっくに降板してるんでね。 あーくっそムカつく」
「…………頑張った」
「まぁ、珍しくソージが頑張ってたので良しとするデス」
「… お、お疲れ様です奏士さん」
「うーい」
机に突っ伏して返事をしたその時、扉が開いて悠ちゃん登場。
「今日はご苦労だ諸君。 今日はもう帰って、疲れた身体を休めるといい」
「……仕事は無い?」
「流石にな。 どうしてもと言うならそこのアホを慰めてやれ」
「慰みものになれ!? ユウったら大胆デス」
「そこまでは言ってない」
「…………よしよし」
「そ、奏士さんは頑張りました」
「……奏士殿、今どんな気分ですか?」
「年下に慰められてプライド砕け散りそう」
「砕け散る程残ってたのですね」
「砕け散った破片でお前の頭にぶっ刺してぇ」
はいどーも気温差の風邪だと思ってたらコロナだったさくしゃです。
いやーやばかったですね。 エグい熱は初日で下がったのですが、異様に喉痛いし咳止まらないしで病院行ったらコロナでした。
ぶっちゃけ言っちゃうと、コロナって今発症するんですね。 私の家族が1度コロナ発症したのですが、それでも去年か一昨年の頃ですし。 潜伏期間かなり長かったようです。
ちなみにこれ書いてる時も咳止まってません。 まだ完治はしてないということでしょうか。
そして遅れた理由ですが、まぁわかる通り普通に寝込んでたからですね。 今回これ書き始めれたの木曜日ですし?
とまぁなんだかんだ言いましたが、皆さん身体に気をつけようってことでですね。 無理やり体育祭を終わらせましたが、次回からは小話挟んで修学旅行編を予定してます。 泉の出番が減っていく……まぁあの娘攻略ヒロインなのか怪しいラインなので仕方ないと言えば仕方ないですが。
それではまた来週の日曜日に。 マジで体調不良は舐めてると身体動きません




