体育祭はなんだかんだで運動できなくても楽しめる
世を照らす太陽と大海の様に広がる晴天の下、体育祭開催を報せる空砲が『パン……パンパン……』と鳴る。
晴天ということは雲が無いということ。 海も閉じて夏も終わった9月だってのに、お天道様は容赦無く地上を加熱。
そんな太陽の微笑みから逃れる為、皆テントの日陰に守られようと必死。 温室育ちが多いからこれは相当答えるだろう。
一方工業科。 超元気。 夏でも厚手の長袖作業服を着て普段から溶接やら切削やらで熱に慣れてる奴らはかなりタフだ。
まぁそういう事してる時って換気絶対だから、慣れてくると作業服着てても涼しいんだけどな。 俺も家の車庫で作業することあるけど、ホントヤバいね。 作業服って冬は寒いし夏は暑いという地獄だけど安全は保証されてるから凄い。 工業科の奴らが普段着にしたがるのも分かる。 ごめんなんで工業科あるある垂れ流してんの?
そういえば、今打ち上がってる空砲(正式名称は雷と言うらしい)も工業科のお手製だとか。 つまり火薬類免許を持ってる奴がいる。 これって工業分野か?
『あーテステス。 マイクテスマイクテス』
スピーカーから頼金の声が。 そうかあいつ放送担当か。
『えーあー…………んん゛っ。 校庭の皆様。 正面校舎向かって上をご覧下さい』
頼金の当然の放送に皆が上を向く。 まぁほぼ全員が天幕しか見えねぇけど。
『うわ本当に上向いた。 このシステムであっち向いてホイやったら全勝できますね』
『早く開会式始めてくんない?』
あ、ちなみに俺はその隣の席に座ってます。 べ、別にクラスに居場所ないとかじゃないんだからね! まぁ俺の分の椅子はクラスのヤツらに占領されてたけど。
『えー それでは、只今より宿木学園体育祭、開会式を始めます。 一同規律』
炎天下故にテント下で開会式。 校長のクソ長い話も椅子に座りながら聞けるよやったね ☆
『礼 着席。 校長挨拶────は諸事情により省略し、学園長挨拶。 如月学園長、お願いします』
『うむ』
悠ちゃんが壇上に登ってマイク位置を調整する。 それよか、校長挨拶無かったんだけど。 あの校長本当に不憫だ。
『これより、体育祭を開催する。 晴天に恵まれたが、太陽は満面の笑みだ。 皆の者、安全第一で熱中症、怪我の無いように』
それだけ言うと悠ちゃんは学園長席(俺の隣)に戻った。 短くて結構。
『一同規律 礼 着席。 続きまして、団長挨拶。 苺色組団長、巌賢星。 乳白色組団長、禍塚恭平。 壇上へ』
『『はい!』』
おお、久しぶりの登場の巌先輩じゃありませんか。 学ランにハチマキが妙に似合ってるというか違和感無いぞ。 学ランが小さいのか今にもボタンが弾け飛ぶというか学ランがケンシロウしそう。 この場合は先輩のガタイが良すぎるのか。 胸板分厚すぎんだろ。
てか、今更だけど組の色って紅白じゃないんだ……なんでどっちもちょっと濁ってんの? もうちょい綺麗な色にしようよ。 なんかイチゴ狩りの『イチゴはそのまま派』と『イチゴは練乳派』の対決みたいじゃん。 俺は両方良いと思う。 強いて言うならそのまま派。
『我ら苺色組は!』
『僕達乳白色組は!』
そういうと2人は向き合って旗を交差させ、視線で火花を散らす。 おお、1部の腐女子が喜びそうな1枚絵だ。
『『相手に敬意を持ち、正々堂々戦い、全力を賭すことをここに誓う!』』
そして再び正面を向いて組旗を突き立てる。 まぁ鉄板の上だからあくまで言葉の綾だが。
『ありがとうございました。 それでは早速第1プログラムに移りたいと思います。 応援団は準備をしてください』
頼金のアナウンスが終わると同時にハチマキと学ラン装備の野郎共が地響きと共に現れる。
俺? 俺は応援団入ってないから待機よ。 団体行動苦手民族ですから。
『それでは、先行は白…………乳白色組!』
ねぇ頼金、今色間違えてなかった? ねぇやっぱり間違えやすいから色変えようぜ。 色おかしいて。
あ、ちなみに俺は苺色組です。 このハチマキの色は決して色落ちとかじゃない。 洗濯失敗にしか見えないけど違う。
『これより! 白…………乳白色の応援を開始する!』
「「「「「キャーっ♡」」」」」
禍塚のピンマイクが声を拾い、それをスピーカーが拡散する。 するとそこらじゅうから黄色い声援が。 いやぁ……死ねばいいですねぇ。 ハチマキの色変えて禍塚を赤組にしてやりたくなりますよ。
それからは団長禍塚主体で応援歌やら旗振り棒トカゲやらなんやら。 それはドリルですね。 ファイト開始前のバディが旗を掲げるあの間が好きです。
『続きまして……苺色組!』
『うぬ!』
「「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」」
乳白色組とは対照的。 我らが団長巌先輩は男に大人気だ。 野太い声援どうも。
『これより! 我らが苺色組の応援を始める! 皆、旗を掲げよ!』
「「「「おーっ!!!」」」」
迫力だけなら戦国よろしく開戦の合図なのだが、色があれなだけに凄くシュールだ。 あ、今誰かが法螺貝吹いた。 ぽーへー それは開戦じゃなくて狩りですね。 禍塚の下の名前? それはきょ〜へ〜つって。
『両団お疲れ様でした。 続きまして、プログラム2番《オーバードライブ-超越の光-》です。 要するに徒競走です。 参加する生徒はゲートに並んでください』
名前クソダセェ。 競技名考えたの誰だ。 あ、実行委員か。
『紹介が遅れましたが、ここで紹介を挟ませて頂きます。 実況・司会進行は私、放送部エースの1年、頼金千聖。 そしてツッコミ・解説は暇そうにしていたこの人!』
『日陰で涼んでいたら麻縄とずた袋で誘拐された2年の柳奏士がお送りしまーす』
『もうちょいやる気出してくれます?』
だってサボってたらガチめの誘拐されて解説役やらされてるし……体育祭はサボろうとしたのに。
頼金は切り替えて手元のスイッチを押す。 すると入場と同時にスピーカーからラッパの音が。 あれ……なんかこれ聞いたことがあるぞ。
『選手の入場です! この徒競走は順位によって特典が変わります。 1レース8名、8着で30点、7着が45点と順位によって変わりまして、1着は100点となります』
『詳しい点数は事前に配布した体育祭のしおり9ページ以降の点数配分表を確認してくださいとのことでーす』
言いながら自分のしおりを確認する。 全競技の点数詳細が書かれたやつをよくもまぁ用意できたな。
『天気良好視界良好馬上良好現在気温は35℃湿度55%と少々暑いが絶好の運動日和。 ゲートをくぐった気高き戦士達が只今出走準備を終えた』
『頼金?』
ねぇなんか空気違うんだけど。 なんかお前だけ画風違うというかキャラが違うというか。 なんか後ろで男性教師らがチケットみたいなの握りしめて固唾を飲んでるし。
本部からスターターピストルを持った生徒が出る。 あれ、あのピストルなんで形状が一般的な黒いやつじじゃなくて銀色に光るマグナムなんだろうか。 一応耳塞いどこ。
「位置について……よーい…………\ドパァンッ!!/」
予想通り、爆音が鳴り響く。 耳塞いでても聞こえるしやっば。
そして身構えてなかった選手と観客は音に驚いて腰を抜かしている。 その中で平然としてるあの打った人すげぇな。
『えー…………失礼しました。 スターターピストルと火薬を改造した工業科の生徒は直ちに体育館裏に来なさい。 メイク部顧問の轟麗羅先生がお呼びです』
工業科主任の一声で工業科スペースから泣き叫ぶような声が。
そりゃそうだ。 メイク部の轟麗羅先生と言えば、元レスリング選手で柔道5段空手4段、筋骨隆々で黒髪オカッパのサラサラヘアーな性の超越者(未改造)で有名なHG。 男子諸君からは恐れられ、女子からはメイク技術やファッション知識で慕われる怪物。 そして生徒指導も担当している。 地獄だ。
要するに、男が好きで足が早くて力が強くて拘束技に長けたオカマ。 男からしたらこの上なく恐ろしい怪物。
工業科の奴らドンマイ。
『き、気を取り直しまして────選手は位置についてください』
頼金も気が抜けたのか元に戻ってる。 よかった……さっきの競馬実況みたいな空気は無い。
「位置についてー よーい…………\パァンッ/」
『さぁ一斉にスタートしました。 先頭はB組次点C組AGDEFと続きます』
あ、競馬に戻った。
『宿学の一周は400メートル。 ペース配分は勿論、コーナーをいかに上手く回るかが問題です』
『なるべく怪我をしないように。 養護教諭と保健委員数名がスタンバってますが、まだプログラム2番なのでね。 怪我するなら最終プログラムでして欲しいです』
『早速先頭B組が第1コーナーを曲がったぁ! 続くC組F組E組、A組G組は少し遅れ気味かーっ?』
『どうやらスタートダッシュの際、足を滑らせた様ですね。 お互いに抜き所を探ってるのかもしれません』
「行けーっ! 頑張れー!」
「抜けーっ! 逃げ切れーっ! ぶっちぎれー!」
「「「差せぇーっ!!!」」」
ちょっと待って最後の声おかしくね? なんか後方から聞こえたんだけど。 しかも複数。
『歓声鳴り止まぬ中、最後のコーナーを──おおっ! ここでC組が抜いて先頭に躍り出たぁーっ!』
『最後の直線は短いのでここが踏ん張り所です』
『C組逃げる逃げる! B組それを追いかけ──な、並んだぁ! デッドヒートだぁ!』
『お互いに拮抗していますね。 最後のゴールテープ、先に全身抜けた方が1着となります』
『抜くか? 逃げるか? 抜くか逃げるか抜くか逃げるか…………ゴォールッ! なんと! 2人同時に抜けたぁっ!』
『こうなると写真判定になります。 現在審議中ですのでお待ちください』
判定係数名が写真を確認した後、俺にメモを1枚渡して去る。 これ俺が言うんか?
『えー、判定の結果…………1着、B組』
『おおっとぉ! 結果はB組が抜いた模様。 これはハナ差でしたね』
『さっきから競馬で例えるのやめろ』
『さて、第1レースは1着B組2着C組、3着はG組となりました』
あ無視っすか。 そうすか。 それなら俺にも考えがあるぞ。
『BとCに注目がいってましたが、G組の最後の追い上げは見事でしたね』
必殺!『ツッコミ放棄!』 一々気にしてちゃアカン〜アカンアカン。 朱美ちゃん関西人説?
『いやー素晴らしい末脚でした。 第2レースも楽しみですねぇ』
頼金は一息挟んでアナウンス。 俺もお茶のも。
『えー、選手は着順表を担当教員から受け取って各クラスの得点係に渡してください』
選手が受け取った札を渡し、得点係がシートに記載し、掲載係が校舎窓の得点表を変える。 工業科お手製の電光掲示板だ。 工業科便利過ぎかってより工業科ってこんなん作んの? すげーなー
『では! 続きまして第2レースです! Are you ready?』
急にキャラを変える頼金をスルーしつ「変身!」ちょっと待て誰だ今の。 あの科学者か? あいつがこの場にいるのか? ハザードは捨ててきてね危ないから。
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『っさぁ続いてのプログラムは全学年掻き混ぜての借り物競争! コース中盤に置かれている机に紙が複数置いてありますので、その中から1つ選びとって中に記載されたものを持ってゴールまで来てください。 担当教員からOKが出た場合のみ、通過できます!』
『借り物は物に限らず、『○○な人〜』なんかも書いてあります。 事前にどんな人が居るのかを知っている人が有利でしょうか。 つまりフレンズいっぱいな陽キャ』
『どちらにせよ、無理やり奪って持ってくる、引き摺ってでも連れてくるなんて無いようにお願いします』
『ここで1つサービスとして、担当教員を紹介します。 えー…………もす────霜月先生』
『どもー』
『続きまして……海絶先生』
『よろしく、お願いします』
『最後に…………えぇ〜これもやんのぉ?…………特別参戦の(ロ)理事長』
『楽しみにしているぞ。 そして奏士、後で体育館裏に来い』
『嫌です』
『マイクに入るので従姉弟喧嘩なら他所でやってくださいね』
『『コイツが悪い』』
『仲良いですね』
『『吐き気がするからやめろ』』
『仲良いですね』
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「何やってんのよあいつ……」
「ソージもユウも…………」
「2人とも仲良しだね〜」
「えぇ……遥、アンタ大丈夫?」
「皐月ちゃんひど〜い」
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『では、気を取り直して競技へ行きましょう!』
『えー ここで教師特性についてお知らせしまーす』
『教師特性とはなんぞや? と思った方に説明しますと、3人の先生にはそれぞれ採点基準というものがございます。 霜月先生は判定基準が緩く、海絶先生はきっちり判定します。 理事長はその時の気分で変わりますが、緩い時はお題『バナナ』で『PCクーラー』持っていっても通してくれます』
『もうちょい万人に伝わる例え無いん?』
『では『はんだ』で』
『今のところ伝わってるの工業科くらいだぞ』
『(無視)では第1レース…………開始です!』
「よーい…………\パンッ/」
『さぁ今スタートしました。 最初に辿り着くのは誰なのか!』
『メモまでの速度は勿論、お題のモノを見つける目も重要です。 視力が悪い人は今のうちに目薬しておくか写○眼を開眼しておくといいでしょう』
『ところで先輩は鏡で自分の顔見たらどう思います?』
『今日も変わらずイケメンだなと思うけど』
『(無視)おおっと最初に到着したのは乳白色組団長の禍塚先輩だぁーっ!』
『ねぇお前のフリに乗ってやったのに放棄すんのやめてくんね?』
『メモには何が書かれているのでしょうか……おっと高らかに掲げているーっ! 内容は内容はー?』
「誰かー! 誰か『天地砕破流魔神拳』の使い手の方居ませんかー?」
『おおっとぉ! 早速出ました天地砕破流魔神拳です!』
『いねーよそんなやつ』
「すいませーん! 僕『天地獄握流』なんですけどー!」
『天地獄握流は居るんかい。 つーか天地獄握流ってなんだ』
『どうやら初っ端から難題を引いてしまったようですね。 借り物競争のメモにはこういった難題も含まれてますので皆さん気をつけてください』
『難題ってか答えがねぇよ無理だろこんなん』
『さて、そうこうしている間に続々とメモ置き場に選手が到着します!』
『出来れば簡単なお題だけを引いて欲しいですね』
「すいませーん! 『夢と希望』貸してくれる人ー?」
『それくらい自分で持とうぜ』
「夢も希望も…………消えてなくなっちまったぜ。 あの日にな\ジャジャーン/」
『なんか重いわ何もかも。 とりあえずギターはしまっておいてくださーい』
「『愛と勇気』くださーい!」
『なんか悲しいなお題が』
「あ、愛と勇気が付き合ってて1人になったボクでよければ……」
『警備いーん。 赤と黄色のヒーロー服みたいな服装の不審者が紛れ込んでますよー』
「『亡き戦友の形見のドッグタグ』貸してくれませんかー?」
『重いわ2nd season』
「『亡き戦友』と『ドッグタグ』別々でも構いませーん!」
『それもうただのドッグタグと死体』
「お、俺のでよければ……」
『軍人!?』
「わ、儂……天地砕破流魔神拳の使い手なんじゃが……」
『さっきのお題見つかるんかい』
「あ、おじいさん! よろしければ僕と共に来てくれませんか?」
「うむ、よかろう…………儂を超えることが出来ればなぁ!」
『なんか始まってるけど……いいか。 あいつ見た目主人公だし』
『さぁ最初にテープを切るのは誰だ!』
「「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
『おおっと最初の通過者は禍塚先輩です! 途中何やらもめていたみたいですが、上手く誘い込むことでゴール通過となりましたね』
『これチェックしてないけど合否はどうなんだ?』
『えーと………あ、理事長からOKサインが出ました! これにて正式に通過となります!』
『いいのかそれで』
『さぁ続々と通過していきます! どうやら戦友は見つかったようです』
『なんか……虚しい』
『続きまして第2レースです! LADY…………FIGHT!』
「よーいドン」
『さぁお次はどんなお題が飛び交うのでしょうか』
『平和的にお願いしたい』
『っと、早速到着しましたね』
『メモは徐々に減っていくので、序盤にネタ枠が出ると後半が楽になります。 しかし、それは苺も乳白も同じなのでそこの引き運も重要です』
『最初のお題は〜? おおっと出ました!『酸素バーナー』です!』
『工業科御用達の便利道具ですね。 これはまだ常識の範囲内でしょうか。 まぁだいぶ端も端ですが』
「先生ー! 酸素バーナー貸してくださーい! 酸素とバーナー別でも構いませーん!」
『それはもうバーナーの持ち手のみ』
『どうやら酸素バーナーの持ち出しには許可が要る様子。 これは苦戦の予感がしますね』
『借り物競争の苦戦ってこういう意味じゃなくね?』
『さぁ続いてのお題は!』
「『運転免許証』貸してくださーい! 失効中でも構いませーん!」
『運転免許証は発見難易度は低いですが、貸すまでのハードルが高めです! どなたか彼女に貸してあげてくれるといいですね』
『失効中の免許証って免許証と呼べるのか?』
『まぁ道交法を説く場所じゃないですし』
「誰かー! 誰か『あの日舐めた愛しのあの子のリコーダーの先端』貸してくださーい!」
『お互いに難易度高すぎるだろ』
『これは渡した途端に変態認定されるキツめのお題です! 誰かこれを乗り越える勇者が現れるといいですね。 先輩は立候補しないのですか?』
『人を変態認定するな』
『ヘーイ! ソージーィ!!!』
『マイクに声入るから静かにしろ金髪』
『髪色で呼ばれた!?』
『おっとこれは2年生のベルフローラ先輩です。 参加していたとは知りませんでしたね。 どうしました?』
『お題デース! ソージ、カモンベイベー!』
『は? メモになんて?』
『それは〜ヒ・ミ・ツ♡』
『なんだこいつ』
『まぁそれはそうと先輩早く行ってください。 マイクが声拾いまくってるので』
『止めろや』
『ソージは頂きマース!』
『おい引っ張るな』
ベルに腕を取られて無理やり採点場へ。 おい審判! 無理やりはダメなんじゃなかったのか!
「モスケー! 採点お願いシマース!」
「おお。 なら、メモを見せな」
「お願いシマース」
「どれどれ……『旦那♡』か…………通って良し!」
「不正解だやり直せ」
────────────────────────────
「……奏士」
『紅葉も参加してたのか』
「……お題」
『来いと?』
「……拒否権は無い」
『司会の頼金さん。 強制は禁止では無いのですか?』
『先輩だけ適用外なので禁止じゃないですね』
『ルール改正を求める』
「……却下」
『なんでお前が……あ、ちょ待っ』
『行ってらっしゃいませー』
紅葉にグイグイと手を引っ張られて採点場へ。 も助が「またか」みたいな顔してる。
「……採点お願いします」
「お題は────成程『ペット』か。 通って良し!」
「お前ガバガバ過ぎんだろ」
「……何も間違ってない」
「何もかも不正解だ」
────────────────────────────
「あ、あの……」
『おっとこれは1年生の逆無さんです。 どうしました?』
「あの……お、お題で……奏士さん、来て貰えます、か?」
「ん? ああ、うん」
『おっとまさかまさかの解説の先輩が連れ去られてしまいました。 果たしてお題はなんなのか!』
そう言う頼金はこっちを見てニヤニヤしていた。 泉ちゃん顔赤いけど熱中症ちゃうんか?
「あ、あの……」
「おう。 じゃ、メモを見せてくれ」
「は、はいっ」
「ふむ、『頼りになる人』か…………残念! 不正解!」
「てめぇぶち殺すぞ」
────────────────────────────
-おメイク-
「華さーん!」
「! 莇さん! どうしました?」
「一緒に来ていただいてもよろしいですか?」
「はい! でも、お題はなんなんですか?」
「『最愛の人』ですが?」
「あ、莇さん……」
「「「「キャーッ♪」」」」
『先輩どうしました? 凄い顔してますけど』
『借り物競争を利用してイチャイチャしてるカップルに呪詛と殺意と真心を込めてる』
『僻みは虚しいですよ』
「恭平! アンタ来なさい!」
「皐月? 構わないけど、お題はなんだい?」
「あ、ああアンタに関係無いでしょ! 黙って来なさい!」
「不知火く〜ん」
「遥ちゃん? どしたん?」
「お願いしてもいいかな〜?」
「まっかせなさいな! ほら、行こうぜ!」
「わぁ〜い。 ありがと〜」
「神鳴!」
「今忙しいので」
「貴方寛いでるでしょう!」
『先輩更に凄い顔してますけど』
『ウォロロロロロロロロロっ!!!』
死ねよクソが。 マジで死ねやクソがよ。
────────────────────────────
「続きまして────」
────────────────────────────
『続いての競技は────』
────────────────────────────
『これにて午前の部は終了です。 これより昼食に入ります。 購買・食堂が開放されますので、各自昼食にしてください。 午後の部第1プログラム『綱引き』に参加される方は昼食時間終了の5分前には入場門に集合してください』
『屋上は立ち入り禁止なので入らないようにしましょう』
『それでは、午後の部も頑張りましょう。 あ、食べ過ぎて参加出来ないなんてことにならないよう、気をつけてくださいね』
そこでマイクを切って椅子にもたれ掛かる。 あーつっかれた。
「先輩お疲れ様でした。 この調子で午後もツッコミ役お願いします」
「解説担当じゃなかったっけ?」
「どっちも変わりませんよ」
「存在意義うっす」
立ち上がって背骨を鳴らす。 あ〜午前でこれか。
「ご苦労諸君」
「あ、理事長。 お疲れ様です」
「お疲れ。 2人とも午後もこの調子でよろしく頼むぞ」
「はい! お任せ下さい!」
「はいはい」
悠ちゃんはそれだけ言うと来賓の元へ行った。 午後、かぁ……競技に出たくないからやらなきゃだもんなぁ。
俺も昼飯にしよう。 弁当持ってきたし。
「あ、先輩。 解説あるんで開始前には戻ってきてくださいね」
「うーい」
はいどーも最近鼻と喉がやられた作者です。
喉の痛み、止まらない鼻水、眠い朝。 もう辛くて辛くて……鼻炎でぴえんなんつって。
はい、では本編に行きましょう。 寒すぎて指が動かないので。
今回は体育祭ということで、前編後編でやりたいと思います。
ちなみに未だに名持ちキャラの組み分けが出てませんが、それは次回出るので問題ないです。 生徒会に絞れば
苺色 奏士・紅葉・泉
乳白色 ベル・青葉・(華)
となります。
はいガチめに指が動かないのでこれにて。 次回は3月3日更新。 お楽しみに
追記
これ書いた日の夜、ガチで体調崩しました。 エグい熱出ましたし頭痛ヤバス。 はらピーで意識がやばふ




