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15話

「ここが廃病院ですか…すごくボロいですね!」

 ユウキ一行は街の外れにある廃病院へと来ていた。

 ここに彼岸(ラジアータ)の拠点がある可能性が高いため調査を…との事だったが、確かに陰気な雰囲気に人の手が行き届いていない様子を見るとテロ組織の拠点にするにはいい立地なのかもしれない。

「…こんな広いと、役割分担しないと回りきれないかも…」

「そうですね…出来ればみんなで固まって動きたかったのですが、致し方ありません…それぞれ別のルートを辿って探索する事にしましょう!」

 自信満々にそうルリが言った。

「でも行けるのか?結構暗そうだし、1人だと死角から襲われたら対応できないんじゃ…」

「多分大丈夫ですよ!ね、エイジュさん!」

「…え、…まぁうん……」

 頼りない返事だったが、まぁどうにかなるだろうと思い、廃病院へと足を踏み入れることにした。


 廃病院に入って数十分。効率化の為にそれぞれ別の場所を探索しようと事前に決めたはずなのだが…

「ひぇ!に、兄様!今あそこ動きませんでしたか?!」

「……うぐ…なんか視線感じる気がする……僕もう帰りたいよ…」

「…流石に二人とも耐性なさすぎるのでは?」

 ルリもエイジュもユウキに引っ付き離れようとしない。

「こ、ここはリーダーとして…戦略的撤退を進言します!」

「……ぼ、僕も賛成…一旦立て直してからまた来よう…」

「…2人とも、帰る気満々だな……」

 そんな事を話していると、どこかの部屋で窓がキィッと開くような音がした。

「……い、今…幻聴が……」

「…ぐ、偶然だね…僕も幻聴が……」

「…生憎、俺も聞こえたよ」

 背後からぽつりと水滴が垂れた音がした。

「撤退!撤退です撤退!!」

 ルリはユウキを引っ張り来た道を戻ろうとする。エイジュは…白目を剥き気絶していた。

「ふ、2人とも、落ち着いてくれ──?!」


 近くにあった小部屋に、ユウキ達は逃げ込んでいた。

「うぅ…おばけは怖いです……」

「……足引っ張ってごめんなさい…」

 ルリは興奮していたため宥め、少し収まった。エイジュは数分したら目を覚ました。だが、ルリもエイジュもかなり消耗しているのようだ。

「…撤退したくても、この様子じゃ今は無理そうだな…よし、一旦俺一人で外に出れそうなところ探してくるよ。脱出ルート確保できたら戻ってくるから」

「うぅ…兄様が近くに居なくなるのは嫌ですが、ここで一生を終える訳にも行かない…私、頑張って待っときます…」

「……僕も…ついて行ったって役に立てないだろうから、ここで気配探知だけしておくね…」

 隅で震える2人を一目見てから、ユウキは小部屋を出た。


───


 同時刻、教会にて。

 資料で埋め尽くされた自室でスオウは悩んでいた。

「…はぁ、一体これはどういう了見なのかしら…」

 片手に持っているのは、先日公安直下対策部部長直々に送られてきた一通の手紙だった。

 その内容は、何故かユウキに関することがびっしりと記載されていた。

「……まさかとは思っていたけれど…はぁ、今日はついてないわね…あの子達もみんな揃って何処かに行ったようだし…もう少し私に報告してくれたっていいのに…」

 自ら集めた資料を漁っていると、部屋の扉がノックされた。

「スオウ、少しよろしいでしょうか?」

 扉を開けると、教主が立っていた。

「あ…教主様…ど、どうされましたか?」

「少し頼みたい事がありまして──少しだけお時間頂いてもよろしいでしょうか?」

 スオウの様子を確認するように教主は上目遣いになりながら目を合わせてくる。

 その様子にスオウは少し自らの心拍が早くなるのを感じた。

「はい、大丈夫です──行きましょうか、教主様」

 教主に連れられ、スオウは部屋を後にした。

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