第173話 戦力強化
更新が遅れてしまい申し訳ありません。登場人物紹介を書いては消したりを繰り返しているうちにこんなに時間が経ってしまいました。しかも、今回も登場人物紹介ではありません。申し訳ありません。今後も登場人物紹介ができるまでに話しを進めていきたいと思います。
「では、軍の引き継ぎはこれで終わりとなります。軍の再編は大変でしょうがジギスムント卿を頼ればよろしいかと。ゲーニウス領に残った上級指揮官の中での最上位者で軍歴も長いですから。」
「ご助言ありがとう。ベレンガー殿。しかし、軍務に関する引き継ぎはほとんど貴殿に任せっきりだったなあ。」
「なあに気にしないでください。閣下のこれからは苦難の道ですよ。龍騎士を1から育成すると聞いた時は驚きました。」
「あまり深くは考えておりませんでしたからなあ。しかしアルムガルト辺境伯騎士団より龍騎士の教官を2名よこしてくださるそうです。」
「それは何よりです。さて、小官はこれで失礼いたします。」
「見送りは本当によろしいので?」
「ええ、ただの人事異動ですから。閣下に見送っていただけるだけでも十分すぎます。」
そう答えてベレンガーさんは席を立った。南門まで見送る僕も一緒に行政庁舎を出る。見送りは必要ないとは言っていたけど、長年の司令官としての働きの賜物だろうか、沿道にはニルレブの住民が見送りのために出てきていた。
「ふむ、確かに私が告知をするまでもありませんでしたな。ベレンガー殿は民に慕われているようだ。」
「いやはやこれはまた、気恥ずかしいですな。」
そう言いながらも民衆に応えるようにベレンガーさんは片手を挙げる。その姿にワッと歓声が沸き、花弁が頭上から舞い落ちてくる。どうやら行政庁舎の屋上で【風魔法】が使える職員達が美しく咲いた花を舞わせているようだ。その中を僕とベレンガーさんは進み南門へとついた。
「ゲーニウス領に窮地が迫れば真っ先に兵を引き連れ駆けつけましょう。」
「頼もしい言葉を嬉しく思う。私も卿の活躍を祈っていよう。」
そうして握手をして別れる。ベレンガーさんは直衛の200騎を連れて王都へと向かう。途中で先発した本隊に合流する手筈だ。先日、呂布たちが掃除をしたから危ないことは無いだろうけど無事を祈ろう。
「島津隊【召喚】。」
ベレンガーさんを送り出した翌日、6月1日木曜日の早朝にエドワーズ空軍基地の敷地内でシンフィールド中将とジョージの立会いのもと、島津義弘率いる島津隊1,500名を【召喚】する。
「お久しぶりでございます。ガイウスどん(殿)。島津兵庫頭義弘以下1,500名、罷り越しもした(罷り越しました)。」
「うむ、この一月のうちに私は爵位と家名を得て辺境伯となり、ガイウス・ゲーニウスとなった。改めてよろしく頼む。」
「はっ、祝着に存じます。して、我らをお呼びになったのは?」
「領地を守護する即戦力が欲しかったので【召喚】した。私の隣にいるのはこの基地の司令官であるドゥエイン・シンフィールド中将、そして以前も会ったことがあるジョージ・マーティン中尉だ」
「初めまして。このエドワーズ空軍基地の司令官、ようは責任者ですね。それをしております“ドゥエイン・シンフィールド”アメリカ合衆国空軍中将です。よろしくお願いします。」
「JTACの“ジョージ・マーティン”アメリカ合衆国空軍中尉であります。また共に戦うことができることを嬉しく思います。」
「こちらこそ、よろしく頼みもんそ。」
「さて、自己紹介が済んだようだね。ここからはいつも通りの口調で話させてもらうよ。貴族言葉は疲れるからね。では、本題に入ろう。さっきも言ったけど今回義弘たちを【召喚】したのは即戦力が欲しかったからだよ。それで、シンフィールド中将とジョージも居る理由だけど、鉄砲隊の使っている鉄砲を更新しようと思ったんだ。火縄銃からこのスプリングフィールドM14にね。」
僕はそう言って右手にM14を【召喚】し、400m先に設置した標的のフルプレートアーマーに銃口を向けて引き金を絞る。“ドムッ!!ドムッ!!ドムッ!!”と重い銃撃音が20回響く。そして、弾倉を交換してさらに20発撃つ。
「こい(これは)は素晴らしか!!連続して撃てるし射程も長か。弾込めなんぞほんの一瞬じゃった。ガイウスどん、的を近くで見てもよかろうか?」
「ああ、見てきていいよ。ちなみに、標的は鉄製だからね。」
許可を出すと島津隊の全員が駆けだしていった。ちょっとビックリ。
「ねえ、ジョージ。あんなに興奮するものなのかな?」
「マッチロック式マスケット銃を常用していた彼らからすれば、20発を連続発射できて尚且つリロードも一瞬で済むM14は革新だと思いますよ。」
「中尉の言葉に付け加えさせてもらいますが、射程と威力も関係しているでしょう。シマヅ隊をご覧ください閣下。」
中将に促されるようにして標的のもとに行った島津隊のみんなを見る。大小の差は有れどフルプレートアーマーがボロボロになったのにみんな驚いているようだ。
そして数分後、義弘は戻ってくるなり、
「こい(これ)を人数分、欲しかとです。」
「用意してあげてもいいけど、全員使えるの?」
「訓練をしもす。」
「あー、横から失礼。ガイウス卿、彼らには銃剣付きで渡せばどうでしょう?」
「あ、それいいね。助言ありがとうジョージ。それじゃあ、島津隊の副兵装みたいな感じで扱ってね。弓兵や槍兵は今でも十分に強力なんだから。あくまで火縄銃の代わりだよ。」
「わかいもした。こいで敵を殲滅すっことが簡単にないもす。」
う~ん、戦闘狂に渡していけないモノを渡した気がする。ま、味方だからいいか。
「ところで、義弘達の使っている矢じりって面白い形しているよね。何か理由があるの?」
「ああ、こいはですね、釣り針のかえしと同じで一度刺さったら簡単には抜けんとですよ。強引に抜こうとすっと痛みと傷口が広がるようになっちょります。」
笑顔でそう言われた。ちょっとだけ引いちゃった。




