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第174話 龍騎士の教官

 ボブ達の教導のもとにスプリングフィールドM14の射撃技術習得を開始した島津隊を横目に飛龍王ワイバーンロードのヘラクレイトスに会いに行く。


「おはよう。ヘラクレイトス。ちょっと騒がしいけど我慢してほしい。君たちの相棒パートナーとなる龍騎士ドラグーンの育成ももう少しで始まるからさらに騒がしくなるけどね。」


「ああ、おはようガイウス。このくらいはどうということは無いと言いたいが、あれは何なのだ?ボブたちが使っている武器に似ているが、音が重いな。」


「ああ、あれはね新しく【召喚】した島津義弘率いる島津達に渡したM14という武器の攻撃音だよ。」


「ボブの使っていたのは確かM27とかいうのだったか。人間は新しいモノに大きな数字を使うが、M14ということはM27よりも古いモノではないのか?それでよいのかね?」


「確かに、古いモノではあるけど、威力はあるし射程も長いからね。それにね島津隊の使っていた同じような武器で火縄銃というのがあるのだけど、それよりも優秀だから使わせているのさ。」


「ふむ、そうか。そういえばガイウスよ、気づいているかもしれんが先程、我の群れとは違う飛龍ワイバーンの気配があったぞ。」


「うん、【気配察知】に引っかかったからね。2頭だよね?多分僕が頼んでいた龍騎士ドラグーンの教官が来たんだと思うよ。朝早くからご苦労なことだよね。」


「それはお主もだと思うぞ。ガイウス。」


「ん~、否定できないねぇ。」


「“寝る子は育つ”というが、お主の成長が心配になるのぉ。」


「へー、飛龍ワイバーンにも同じようなことわざがあるんだね。うん、確かに“寝る子は育つ”と云われているから、キチンと睡眠はとっているよ。」


「ならば、何より。」


「さて、と。僕は龍騎士ドラグーンの出迎えに行くよ。それじゃあね、ヘラクレイトス。」


「ああ。」


 僕はエドワーズ空軍基地を後にして、黒馬に跨りニルレブの北門に向かう。門に着くとすぐに衛兵さんが走って来て報告をしてくれる。


「おはようございます。閣下。南門に龍騎士ドラグーン2騎がご到着されました。アルムガルト辺境伯の御令孫ごれいそん、ディルク・アルムガルト様とベルント・アルムガルト様です。ヘニッヒ様がご対応されまして行政庁舎の閣下の応接室にお通ししました。」


「うむ、報告ご苦労。すぐに向かうとしよう。」


 行政庁舎に着くと、すぐに職員さんの1人がやって来た。


「閣下、そのご様子ですと聞いておられるとは思いますが・・・。」


「うん。聞いている。ディルク殿とベルント殿がお越しになり今はヘニッヒ卿が対応中。ということであっているかな?」


「はい。こちらです。」


 そう言って、先導してくれる。僕の使用している応接室だから先導されなくても大丈夫なんだけど、貴族のあれやこれやがついてまわるから仕方がない。特に今みたいにお客さんを待たせている状況だと尚更だね。


 職員さんが応接室の扉をノックし、


「ガイウス閣下をお連れしました。」


 そう述べると扉が開き、ラウニさんが職員さんから僕の事を引き継ぐ。僕を丁寧に中に招き入れると、すぐに扉を閉め鍵をかける。


「お久しぶりです。ディルク様、ベルント様。」


 僕に対して礼の姿勢をとっている2人に声をかける。


「閣下。我々は爵位を持たぬ身です。どうぞ敬称など付けずに呼び捨てでお願いします。」


「えーっと、それでは、義兄上あにうえとかはどうでしょう?義兄にい様とか。」


「閣下がそれでよろしいのであれば、私もベルントも異論はございません。」


「では、それで。口調もいつも通りでお願いします。僕もそうしますので。」


 僕が席に着くとヘニッヒさんとディルク義兄にいさんベルント義兄にいさんも着席する。3人の前の応接机には既に紅茶が出されており、すぐにラウニさんが僕の分も淹れてくれた。紅茶を一口飲んで話しを切り出す。


龍騎士ドラグーンを育成するための教官は義兄にいさん達になったんだね。」


「お爺様がな。やはりクリスティアーネのことが気になって仕方がないらしい。コンラート団長は他の者にする予定だったらしいけどね。まあ、俺とベルントの竜騎士ドラグーンとしての実力はガイウスが一番よく知っているだろう?負けたけどなー。」


「勝ち負けは時の運とも言いますから・・・。それに、お2人とも良い技量をお持ちじゃないですか。」


「兄上、折角ガイウスが気をつかってくれているのです。ところで、ガイウスに聞きたいんだけど、書簡には発音は同じだが“竜”騎士ではなく“龍”騎士と書いてあった。ゲーニウス領ではドラゴンを使役するのかい?」


「いえ、飛龍王ワイバーンロードが“自分たちは魔物ではなく亜龍だ”と言いましたので、そのように表記しました。」


「ほう、詳しく話を聞きたいな。」


 ということで、ヘラクレイトスの群れをどやって連れてきたかを話したよ。それと、自分が異種族とも会話できることも。


「驚いたな。我らが義弟おとうとがそのような能力を持っているとは。これもまた“フォルトゥナ様の使徒”となったおかげなのかい?」


「はい、ディルク義兄にいさん。その通りです。全てはフォルトゥナ様のおかげです。」


 僕は笑って誤魔化した。他の世界の神様がくれた【能力】だなんて言ってもそう簡単には信じられないだろうからね。


「そうそう、義兄にいさん達と相棒の飛龍ワイバーンに滞在してもらうところは用意してあります。北門を出て西側に大きな平地がありますけど、そこを少し行ったところに飛龍王ワイバーンロードのヘラクレイトスと彼が率いる群れがいます。そのすぐ近くです。」


飛龍王ワイバーンロードね・・・。俺たちの相棒が怯まなければよいが。」


「大丈夫ですよ。そこも言い聞かせていますから。」


「ふむ、ならばいいか。折角だから街中を散策してから行くよ。な、ベルント。」


「ええ、兄上。というわけでガイウス、終業時刻ごろにまた来るから案内をしてもらっても大丈夫かい?」


「もちろんですとも。」


 あとはどれだけの人たちが募集してくれているかだね。楽しみだなあ。

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