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小話  作者: 鈴神楽
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使い捨てカメラ

本当に使い捨てるカメラの話。

 昔は、色々法的な問題から、レンズ付きファイルって言うのが正式名称でした。

 簡単に言えば、カメラのボディーを安く押さえて、低価格で販売、そのまま写真屋さんに持っていけるようにした発明品。

 高いカメラを買わなくて写真が取れると、いっきに普及しましたね。

 今回のお話は、そんな使い捨てカメラを本当に使い捨てる男のお話です。



「ずっと貴方とこうしていた」

 女の言葉にその男性が頷く。

「それは、出来ない。でもね、その思い出を撮っておく事は、出来る」

 使い捨てカメラを取り出す男。

「何時の間にそんな物を?」

 女の質問に男が笑みを浮かべて言う。

「君との大切な思い出を確かな物にする為に買ってきたんだよ」

 女は感激し、抱きつく。

「愛してる」



 二人のデートは続き、男は、使い捨てカメラの最後の一枚を撮る。

「貴方との思い出がこの中に詰まっているのね?」

 男は、頷いた後、それを海に投げる。

「何をするの!」

 驚く女に男は女を抱き寄せて言う。

「これで二人の思いでは、永遠にあの海を旅するんだよ。きっとこれが僕達の船出なのさ」

 女は、何もいえなくなりそして、二人の大人の夜が始まる。



 数日後の男の部屋。

「おい、又安売りしていた、使い捨てカメラを買って来たぞ」

 男の親友が入ってくる。

「助かるぜ」

 男は、そう言って代金を支払う。

「しかし、こんなに使い捨てカメラを買って、何に使うんだ?」

 親友の質問に男が言う。

「女を落す道具の一つさ」

 親友が呆れた顔をしていう。

「それだけあると現像代だけでも高いだろうに、ご苦労な事だ」

 男は、へらへら笑い答える。

「だれが現像なんてするかよ。撮るだけで女は、満足なんだよ。後は、くさい台詞でも吐いて、万が一にも他の女に見られないように海に投げる。それだけで女は、イチコロさ」

 親友が溜息を吐く。

「外道だな。そのうち痛い目を見るぞ」

 そんな親友が帰った後、数人の女が男の部屋に入ってきた。

 全て男が一度付き合った女だった。

「これ等の写真の説明してくれる?」

 女達の見せてきた写真は、海に放り投げたはずの使い捨てカメラで撮った写真だった。

「どうしてそれを?」

 女の一人が言う。

「近頃の使い捨てカメラってちゃんと防水機能もあるの。それで、軽いから海面を漂っていたのを漁師の人が拾って、犯人を捜そうと現像していたの。それを思い出に浸ろうとして、あの海に行ったあたし達が見つけたのよ」

 完全に予定外の展開に男が焦りまくる。

「まず、落ち着け。話せば解る!」

 女達は、強く頷く。

「じっくり話しましょうね」

 男の地獄が始まった。



 教訓



「海を大切にしましょう。出したゴミは、持ち帰って処分しましょう」

思いついたから書いただけのお話。

写真とか、撮るだけで満足するってありませんか?

ネタと思って軽く流して下さい。

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