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小話  作者: 鈴神楽
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地球人も宇宙人

宇宙人がいるかと言う論争で、地球人も宇宙人と言うと屁理屈と思われる人も居ると思いますが、違いますよ。

 とあるトーク番組。

 本日の議題は、宇宙人は、いるかどうかである。

 番組が用意した幾つかのUFOや宇宙人の映像を見た後、物理学教授が自分の意見を告げる。

「全て、トリック写真ですね。宇宙人は、存在しません」

 お約束の発言に対して、生物学教授が反論する。

「それは、非論理的だ。少なくとも宇宙人は、居る事は、立証されている」

 それを聞いてMCが驚く。

「本当ですか?」

 物理学教授が馬鹿にした顔をする。

「どんな田舎の学会かね?」

 生物学教授が胸を張って答える。

「私達も宇宙に住んでいる以上、宇宙人です」

 脱力する出演者達。

「屁理屈を言うな!」

 物理学教授に生物学教授が苦笑する。

「何が、屁理屈なんですか? 少なくとも、地球が宇宙の中にある以上、宇宙という空間に人類が存在できるという立証が出来ている事になります。それは、同時に、同条件が発生すれば他の星にも人類が発生する可能性を十分に考えられる物です。実際に生物の進化の研究では、同条件化なら同じ様な進化をすると言う、実験結果がいくつも報告されています」

 物理学教授の怯む中、ゲストの女性アイドルが言う。

「それじゃ、やっぱり、地球には、宇宙人って言うか、異星人が来てるの!」

 それに対して生物学教授が言う。

「そこを論じるには、まず、物理的に可能なのかを検討する必要がある」

 そこに物理学教授が食いつく。

「そうです。観測可能範囲で生物が確認されていない以上、少なくとも光のスピードで移動しても人類の寿命があるうちに地球に到達することは出来ない。詰り、異星人は、地球にくる事は、出来ないのです」

 生物学教授が頷く。

「少なくとも、地球の人類の科学では、それが常識でしょう。私が高校の頃の先生が面白いことを言っていましたよ。宇宙に地球以外の人類が居て、それとコンタクトを取れる可能性があるか? それは、真っ暗にしたグラウンドの端と端で懐中電灯を一秒だけ照らし、相手を確認し合う様なものだと」

 MCが納得する。

「それは、無理って事ですね」

 苦笑する生物学教授。

「あくまで地球の科学力を基準に考えればの話ですよ。相手が、こっちより優れた科学力を持っていれば、この前提は、簡単に崩されます。この例で言えば、観測して一秒以内に見つけて光を返す装置を相手が持ってれば発見は、可能です」

 物理学教授が苛立つ。

「結局、何が言いたいのだね!」

 生物学教授が一呼吸置いてから話し出す。

「異星人というから解り辛いのですよ。アメリカ大陸に渡った白人と同じと思えば、異星人の存在も理解しやすくなると思います」

「ナンセンスだ! 相手は、物理法則の限界を超えた移動手段を持たなければ到達できない相手だぞ!」

 物理学教授の言葉に生物学教授が鋭く言う。

「アメリカ大陸を発見した当初、現地民は、ヨーロッパに行く事が可能でしたか? その存在をしっていましたか? 今の地球がその当時のアメリカの原住民と同じレベルと考える事も出来るでしょう」

「それでも、物理法則を無視しない限り、無理だ!」

 物理学教授の最後の抵抗に生物学教授が言う。

「その物理法則自体、まだはっきりした物では、ないでしょう。自分の考えが、天動説と同じ道を歩まない保障があるのですか?」

 悔しそうにする物理学教授の姿を見ながらMCが言う。

「それでは、教授は、地球に異星人が来ているとお思いですか?」

「来てないでしょうね。理屈は、簡単です。手間暇かけて地球に来ているんだ、当時の白人の様に摂取するか、こっちの事情を無視して研究材料にするだけだ。どこかのSF小説じゃないだから、こんな田舎の星を保護する為の条約やルールがあるわけ無いでしょ。異星人だって生物、弱肉強食の定めからは、逃れられない。だから、私は、平和に暮らしていたアメリカ大陸の原住民と同じで地球は、まだ発見されていないと考えています」

 生物学教授の冷めた意見にゲストの女性アイドルが眉を顰める。

「夢が無いですよ!」

 生物学教授が頷く。

「学者なんて、夢なんて追いかけない。あるのは、果てない現実だけですよ」

 苦笑するMCが、適当な言葉で曖昧にして、番組は、終わるのであった。

SFであるような銀河条約とか、未開拓な人類に接触しないなんて凄くナンセンスですよね。

はっきり言って、利益が見えない。

人類学学者だって、直接原住民に会うんですよ、秘密にしてその成長を見守って何の得があるのかまったく見えない。

それは、無理すれば理屈立てる事も出来ますけど、人類を見れば、そんな条約が完璧に守られる可能性が低い事がわかります。

きっと、宇宙人を信じて、そんな条約か何かで姿を現せないと思っている人は、昔、アイドルは、トイレに行かないと思っている人と同レベルだと思う。

それでも、私がまったく想定しない利益があるのかもしれないから絶対じゃ無いのが怖い。

事実は、小説よりきなりって言葉があるからな。

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