表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小話  作者: 鈴神楽
3/53

ハッピーエンド

ハッピーエンドって誰の視線によってかで大違いですよね。

 始まりは、ちょっとした国と国との行き違いだった。

 反撃が反撃を呼び、最終的には、大国同士が核ミサイルを打ち合うことになった。

 最後の瞬間、星の心を感じる力を持つ少女が告げる。

「これは、星の涙に気付かなかった人類への罰。大いなる悲しみを持った星は、きっと人類の滅びを願い、これは、その結果なのでしょう」

 人類が放った核ミサイルは、地球上の生態系を完全に破壊し、微生物すら滅びに向かっていくのであった。



 数千年後の会話。

「本当にありがとうございます」

 子供の母親が感謝の言葉を送る。

「気にしないで下さい。私は、ただ運んできただけですから」

 長い時をかけて旅する、旅人の謙遜に母親が慌てて言う。

「お前からも感謝をしなさい」

 子供がすっかり他の兄弟と一緒になった体に嬉しそうにしながら。

「ありがとう、ハレー彗星のおじさん」

「冷凍保存された人類の遺伝子を偶々持っていただけだよ」

 ハレー彗星の答えに子供、地球の母親、太陽が答える。

「本当に、生物って物は、困った存在ね。小さいくせに生存本能だけは高いんだから。子供の体の上を這い回るバイキンの癖に!」

「とにかく、駆逐用の人類と言う、自滅可能な存在の遺伝子を打ち込んで、治療終了したんだから良いじゃないか」

 長男の水星の言葉に太陽が同意する。

「本当ね。生物全滅の特効法よね」

 三男、地球の上から生物が一掃されて、幸せな太陽系一家であった。

星が泣いているなんて勝手な言い草を聞く度に考えていたお話し。

生命があふれている事が星にとって本当に幸せかどうか、なんて解らない。

だからこんな事を星が考えていてもおかしくないと思いませんか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ