49. 商品ありますか?
やる気! 元気! 根気!
今日も働く。有人レジスタートだ。
おっ!親子で買いものだな?お婆さんと娘かな?
「ちょっと、聞きたいンですけど?官能お茶ありますか?」
ハア?なんだってぇ??
官能?お茶?そんなお茶あるわけない。
飲んだら?どうなるのだ?イヤ、イヤ、聞き間違いだ。
アッ、まさかのセクハラか?ちがう、お客さんは真剣な顔だ。私も真剣に聞き直すのだ。
「すいません。もう、一回お願いします?」
真剣に私としっかり目を合わせて、手も合わせて、客から懇願される。拝まれる?
「観音お茶です。ありますか?」
ハア?
えーっ!サッキと違うお茶だ。それは?観音様のお茶なのか?祈祷されてるのか??ご利益があるのか?私が知らないだけで?
このあたりでは、ポピュラーな飲料なのか?益々さらに、わからなくなった。
客は困った顔でジーッと私を見つめる。
私だって困ったのだ。うーん、うーん。困った。
担当者に聞いてみるべきか?
「母がペットボトルを嫌って、缶がいいって言うんです。」
アッ!
わかつたー。
缶が良い。缶のお茶だ?
缶だ。缶だ。缶だ。パア~開けた。
官能ちがう、観音もちがう。
心で笑う。ハハハ(笑)
相変わらす?発音がちがいすぎて?ワカラナイ事があるのだ。
「わかりました。あります。あちらです。ご案内致します。」
その後、嬉しそうに商品を、買って帰ったのだ。
私に任せて完璧だ。フッフッフ…ドーンとコイ!!
さてさて
今はセルフだ。
「すいませーん。この商品ありますか?」
スマホの画像を見せられた。しっかりと、他人様のスマホを覗くのだ。なんだ?なんだ?焼き鳥のたれ?ボトルか??調味料の種類まで把握は不可能なのだ。新商品?
「調味料コーナーで、探したけど無いのです。」
無いなら?ない。ない。でも、一応?
「担当者を呼びます。少々お待ちくださいませ。」
ピンポン、パンポン!
「調味料担当の方、セルフレジまでお願いします。」
呼び出しだ。
「売場にあるものがすべてです。」
あっ、ヤッパリ?そうだろー?諦めてくれ?
ガッカリして帰るのか?と、思ったら?
ネットで注文する。と聞こえた?
そうか、そうだな?確実に手に入る。ネットで食品を買う時代になったのだ。調味料は常温で賞味期限も長い。ネットの方が便利だ!家まで運んでくれるのだ。
競合店はネットなのか?
凄い世の中だぁ~
さてさて2だ。
今から、恥ずかしいけど一番だ。つまり、トイレに行くのだ。
テクテク歩く。
「すいませーん。」
「はい。」
「普通の、ハンペンありますか?」
何だって?普通の?そもそも、普通のハンペン?ってなんだ?うちのお店にあるハンペンは特殊なのか?
私の家は、ハンペンを食べる文化がないので、分からないのだ。
「担当者へ問い合わせます。少々、お待ちくださいませ。」
さらにテクテク歩く。トイレに行く途中だが、客は関係ないのだ。ハンペンはデイリーだ。デイリー部門の誰かいないかなぁ~。キョロキョロ?おっ!マネージャーがいた。捕まえて案内をする。
「チーズ味や、たらこ味、ではなく、味のないタイプが欲しいのです。ありますか?」
へー、そんなにバラエティ豊かに味があるのか。正方形のハンペンだ。パンに挟んで食べるのか?私には食べ方も分からないのだ。関係無いけど?立ち聞きをする。
「大変申し訳ありません。取り扱いがございません。」
エッ?そんなに?アッサリ、キッパリ、ハッキリ?言いきるのか?
私は驚いたが、トイレに行く途中だし?亡霊のごとく静か~に消えるのだ。お客さんがお気の毒だ。嫌な予感がする。トイレに行くのだ。
その後、スッキリと軽い足取りでレジに帰る途中…聞こえる声に振り返る。
「信じられない!普通の商品が無いなんて!この店で全て買い揃えたいのに。」
おー!お客さん同志での会話がもり上がっている。ただし、内容はクレームだ。亡霊のごとく静か~に通りすぎていくのだ。
「チョットそこの、あなた!」
あなた?聞こえる声に。私ではありませんように...テクテク歩いて持ち場へ帰るのだ。
「レジの人!」
ピタッと止まって、ゆっくり振り返る。まさかの?わ、た、し、レジの人?
アタリだ。レジの人?ぐるッと見渡す限り?私しかいなかった。ワタシ、亡霊…から、人間へ転向だ。
「はい。」
仕方ない?にこやかに?テクテク近くへ行きたくない。けれど、行くのだ。
「さっきの人でしょう?言い方があるでしょう?」
まあね?わかるよ、わかる。商品無いなら?本部にお客様から要望あったと、伝えるとか?あんなにハッキリ、キッパリ、伝えなくてもいいのだ。私だって思った。
「大変、失礼しました。」
私はサッサと謝るのだ。そして、出きるなら早く持ち場に戻るのだ…
出来なかった。
持ち場には戻れなかった。呼び出しの放送が聞こえた。
「CS登坂サン大至急レジまで、お戻り下さい!」
目と鼻の先にいるのに、レジまで戻ることは不可能なのだ。
店内で呼び出しされた。恥ずかしいのだ。サボっていると思われたか?
お客さんの話しをこれ以上聞いても、私は何もできないのだ。困った。この場から立ち去りたいのだ。
「登坂サーン戻って!」
山野サンだ。お迎えがきた。
「はい。」
条件反射で返事をしてしまった。
客はムッとしている。
「私の上司です。かわります。」
お互いの返事を聞かず。全部丸投げした。
私にはこれが一番の解決策だ。一番に行った帰りにあった出来事なのだ。
あー、今日もがんばった。明日もがんばろ。
テクテク持ち場へ戻って気合いを入れるのだ。




