閑話 ある日の食堂 うなぎ
お電話だ。
恥ずかしい。
ケド、決まりだから言う‼
つまり休憩だ。休憩。
テクテク歩いて、自称、先生席へ着席だ。落ち着く〜。パクパク食べていると声が聞こえる⁇
「〇〇サン鰻、注文しない⁉」
なんだ〜⁉押し売りか?誰だ⁇ジロリ‼見る。統括だ⁇えっ、また珍しく一緒になってしまった。
このスーパー別に強制では無いが、従業員向けに、一応、予約販売をしているのだ。気持ち安い値段で‼イベントに合わせて、例えば寿司やケーキ等、イロイロある。夏は土用の丑の日、鰻だ。この鰻、統括の話しを聞く限り、今年は、売れ行きが良くないらしい。
そこで、ちょっと声がけを、してみたらしい。
高いから、手も足も出ない!が本音だけど、なんて答えるのだ⁇モグモグ食べながらしっかり聞く。
「私、一人暮らしなんです。一人前だけ、頼むのが忍び無くて…惣菜で買う事にしてるんです。」
凄い‼しっかり、否定しているのに、肯定して、別の場所で買う。高度な断りかただ。勉強になる。絶対、高くて、買えるか〜‼なんて言わない。
「〇〇サンはどうかしら?」
お〜っと〜‼統括もへこたれ無いな‼次にきたな?
「魅力的なんですケド、娘がアレルギーなんです。残念ですけど遠慮します。」
コレも凄い。自分はアレルギーじゃあない、でも娘が食べれないのに、食べる訳にいかない⁉優しい、お母さんだ。勉強になる。断りかただ。
ううん⁇ココで気づく、この流れだと私も聞かれる⁇周りにいた人が微妙に少なくなって来た⁇私には、高度な断り文句が思いつかない。高くて買えるか〜‼‼の、一言に尽きる。
そんな事、誰も言わない。どーしよう!ご飯が…進まなくなった。考えて、考えて……
高いの反対は、低い、イヤ、安い。要らない、の反対は、いる。
鰻が安いから、いります⁇イヤ、ダメだ。断り文句を考えるはずが、反対言葉⁇おかしくなって来たぞ。ドキ、ドキ、心臓が…休憩だ。
お茶だ。お茶、飲もう‼
「登坂サンは⁉」
キターー!!
とりあえず、聞こえないふりをしてみた…無視だ。
大きな声で話して来た。
クソ‼
無視出来ない。とにかく、すっとぼける。逃げる。
「注文⁇知りませんでした。」
コレだけ、周りで、会話が繰り広げられて知らないのか⁇と、思われても、すっとぼける。凄いテクニックだろう⁇
ホンマに、鰻なんか知らんケン!絶対、買ったら、後悔するケー、買わんケン‼と心で思っていたら、口に出ていた。アワアワ、ヤバい。
小さい声だから、聞こえてませんように…
「鰻、食べない県ナノ〜⁇」
はあー⁇⁇何だって‼
びっくりした顔をしている。
私だってびっくりだよ‼いつからそうなったのか⁇
あっ!方言だ。
知らん県⁉買わん県⁉広島県⁇
ヨシ、乗っかるぞ!
「はい、昔から、文化的な感じです?」
「知らなかったわー」
私だって、今、知った。
ヨシ、コレで乗り切るぞ!
「鰻より、穴子が、親しみやすいです」
値段も安い。
「まあね〜、お高いわよね〜」
なっ⁉なんじゃ〜‼
高いって、言っても、いいんか〜〜い⁉
の話し…




