33. 8月 気になる客3 幽霊⁇
この日も、あつ〜い、あつ〜い、閉店間際の夜だった。
やる気、元気、根気。
時々見るお客サンだ〜?
「いらっしゃいませ〜」
ピッ、ピッ、この客、時々みるのだ。息子と母親だと思う。母親は、少し離れて歩いている。タブン親子だと思う。息子は普段着だ。ただし、服に土が付いている。靴にも土がついてる。母親は清潔感のある服だから、対象的なのだ。買う物は値引き商品が多い。まあ、夜だから普通だ。普通じゃあないのはここからだ。
「合計金額、1428円です。」
ジャラ、ジャラ、全部が小銭だ。百円玉や十円玉、一円玉、とにかく小銭を白い巾着袋から出す。この時、手は、黒く炭のような物が爪に入っていて、全体的に灰色と焦げ茶のような………汚い手なのだ。さらに、巾着袋も茶色で土がついてる。そして、お金が全部、焦げているのだ。焦げて変色して、曲がっている。そういったお金はレジへ投入出来ないのだ。
「申し訳ございません。違うお金はありませんか?」
「……」
ジャラ、ジャラ、と全部巾着から出す。トレーに出して、私に取れ‼と言っている。ダジャレじゃない‼本気だ。私はキレイそうなお金を、キレそうになりながら、ここから、厳選するのだ。コレも本気だ。厳選しても、レジへは投入出来ないから、1枚ずつ手入力で入れるのだ。この、操作、意外と面倒くさい。でも、絶対に数字が読み取れ無いものは、受け取れないのだ。手入力でもダメなのだ。以前受け取ってしまい。違算になった事がある。もうそんなヘマはしたくないのだ。ジーっと確認をするのだ。なんとか厳選して1428円かき集める。
母親は少し離れた、袋詰めの場所で、そのようすをみている。
「次は、銀行で、きれいなお金と、交換してもらって来てください。」
と、一応伝える。
不思議な親子だ。どーして、普通のお金で買い物してくれないのだ⁇普通のお金は持って無いのか?なんで、一言も話さないのだ⁇常に巾着から出すお金で、財布はないのか?とか、まあ、イロイロ思っていた。
今日は、花子サンに聞いてみた。
「タブンね、墓のお金を盗んでから買い物へ来てるのよ⁇」
「え〜〜‼」
メチャクチャ驚いた。
「それか、仕事は火葬場だと思うよ‼そこで、お金を拾うのよ。」
「え〜〜‼」
それも、驚いた。罰当たりな、人なのか⁇
「あの客一言も喋らないのよね〜」
「そうです、私も思ってました、喋れないのかな?」
山野サンも話に入ってきて。
「あの人は、自宅が火事で焼失したのよ、だから、お金を家の焼け跡から、毎晩、持って来てるのよ‼」
ウ~ン⁇みんな、イロイロ想像していたんだな。でも、どれも何だか決定打にかけるのだ。
みんなでウ~ン⁇と考えて、私が
「そもそも、一緒にいるお母さん一回もお金払わないけど、たまには、払ったらいいのに…」
みんなが一斉に
「お母さんなんて一緒にいる⁇」
「少し距離を取って、歩いてはいますけど
、あれは、母親でしょう⁇にてますよ⁇」
「一人でしょう⁇」
と、みんなが言う。
私だけ、お母さんが、ゆっくり後ろから、ついて買い物してるよ!と言っても信じてもらえない。なんでだ?お母さんいるよ⁇
「今日も、袋詰めをジーッっと見てましたよ?他人行儀な感じで…」
みんな、そんな人いた‼⁇って驚いて、
「い、いましたよ〜‼‼」
「墓場から、ついて来たんじゃない(笑)」
ヒ、ヒ、ヒョ〜エ〜‼
や~〜‼やめてくれ‼そんな、私しか見えてないのか?暑いのに、寒くなる。
「次に、来たら、私、合図しますね、いますから、お母さん‼」
みんな(笑)
あれから、
お母さんも、息子にも、ピタッっと会わなくなった…
焦げたお金でしっかり買い物をする、疑惑、親子幽霊…⁇
明日も、がんばるぞ!
暑いケド寒くなった夜。




