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喫茶店『Calm』でごゆっくり  作者: 喜久 じん
2/5

1.チュートリアル

まだ街にいってません。喫茶店を作るまで長いと思いますが頑張ります。

『Neighbor to the World』略して『NTW』。


従来のVRMMOのさらに先を行くリアリティだとβテスターの間から話題になり、CMもひっきりなしに流れているゲームだ。ただ、ゲームの製造が追いつかず、サーバーを少しずつ開放する予定なので初版は抽選のようなことをすると聞いた。

 が、私は京一がなぜか持っていたソフトをプレイできる。京一の分はいいのかと尋ねたら、


「俺、βテスターでそこそこ良い成績だったから自分用と配布用で二本あったから大丈夫」

と言われた。

 そこまでゲーム好きだったとは思ってなかったから少々驚いたが、貰えるものは有難くもらっておく。でもちょっと落ち着かないのでリッチなプリンを捧げた。


 説明書を読み、バイザーを被ってベッドに横になる。あと数分もしないでサービス開始。レトロゲームはやったことはあるけれど、こういったMMOは初めてだ。

 でも、小さいころ憧れた喫茶店がこういったゲームでできるなんて科学の進歩は素晴らしい。年甲斐もなくはしゃいでいるのを自覚しつつ、時間が迫る。

「3、2、1、ダイヴイン」



「ようこそ『Neighbor to the World』へ!」

 瞼を開けると、白い床がどこまでも続く真っ白い空間にいた。目の前にいる人物以外はひたすら白くて少し怖い。

「はじめまして、案内を務めますアリアといいます。これから始める前のセッティングをいたします。何かありましたら遠慮なくお尋ねください。」

「あ、ありがとうございます」

目の前にいる人物…アリアはゆるい巻きのかかった長い金髪を肩に流し、首元までレースで覆われたロングドレスを着ている。亜麻色のドレスに若草色のショールが目に優しい。


「まずはお名前をお教えください。」

「はい。リーフで。」

 名前を考えるのは苦手で、本名でもいいかと思ったけど京一にダメだと言われたので、一番下の妹の(れい)に考えてもらった。中学三年生でもしかしたら痛い名前を付けられるかもと不安だったけど普通のセンスで安心したのはここだけの話です。


「次は容姿を決めてください。種族は人族・獣人族・エルフ・ドワーフ・妖精族から選べます。ここにあなたの実際の身体をスキャンしたモデルがありますので、参考にどうぞ。なお、身長や体格は大幅な変動は、脳が混乱し現実での動きに支障が出る可能性がございます。ご容赦ください。」

「わかりました。」

 等身大の私のホログラムが出てきたので、アリアに要望を伝えていく。種族は面倒なので人族で。

 髪は黒に近い紫寄りの青、腰辺りまでのストレートロングに。瞳はマリンブルー。肌は少し美白にしておく。あとはある個所に少し脂肪を乗せる…ほら、今は倒れたせいで体重落ちてるし。

 ちなみに現実だと天パなのでストレートロングが妬ましい。


「最後に初期スキルを5つ選んでください。」

「はい。ちなみに、スキルはいくつでも持てるんですか?」

「スキルはいくつでも持てます。ただし、ここで選ばなかったスキルは何らかの条件を満たさない限り取得できません。スキルを持たなくても、ある程度は現実の技能が再現できますので、頑張ってスキルを取得していってください」

 取得していって…ということは、一定回数行動を起こすかイベントでの取得かな。なかなかに大変そうだ。

 事前に集めていた情報から、『料理』、『鑑定』、『採取』、『調合』、『水魔術』を選択。近接は無理そうだし、水魔術なら頑張れば料理に使えないか考えている。貧乏くさい?知ってる。


「これにてセッティングを終了いたします。このままチュートリアルに進みたいと思いますが、チュートリアルはお受けになりますか?」

「はい、お願いします。」

 返事をすると白い空間が草原に早変わりする。

「まずはステータスオープンと口に出すか、心の中で唱えるとウィンドウが出てきます。これは他人には見えませんので安心してください。こちらを押すと他人にも可視化、もう一度押すと不可視となります。」

 基本的な操作は簡単で、一通り説明を受ければ大丈夫な範囲だ。他人との接触が嫌いな人用のハラスメント機能やGMコールなども教えてもらったが、こういうのを使う機会が無いといい。

 お金の単位はセル。銅貨は1セル。銀貨は1000セル、金貨は10000セルらしい。


「次は戦闘です。リーフ様は水魔術を取得されておりますので、魔術を実際に使ってみてください。」

「術名を唱えればいいんですか?」

「出来れば集中して当てることに意識を向けた方が命中率も威力もコントロール出来ます。」

 

 では、と用意されたのはもふもふのウサギ、でも額に角がある。ひくひく髭と鼻を動かしたと思ったらこちらに突進してきた。

「もう戦闘!?もっと心の準備させて!」

 チュートリアルだからと思って気を抜いていたらまさかのウサギの頭突きで赤いエフェクトが飛ぶ。けがをすると血の代わりに赤いエフェクトが飛ぶようになっている。何かしらグロを解禁すればスプラッターを

見れるようになるらしいが、必要性を今のとこ感じない。必要性があったら解禁するけども。

 今のウサギの攻撃で体力が三分の一減った。恐ろしいウサギさん。距離を置き、様子を見ながらウサギの首辺りを目視。弱点で思いつくのはここか腹くらいだ。

「ウォーターアロー!」

水魔術の初期魔術であるウォーターアロー。名前の通り水の矢が形成され、想像通り鋭い先端がウサギの首を貫通した。チュートリアルで出てくる弱い敵だったのか、その一撃でそのままウサギは赤いエフェクトを首から大量に散らしながら倒れる。体力バーもそのまま砕けて、討伐できたのが判る。


―スキル『貫通攻撃』を取得しました―


「おめでとうございます。無事チュートリアルクリアです。後ほどアイテムボックスに記念品をお送りいたしますのでご確認ください。以上でチュートリアルは終了です。お疲れさまでした。引き続き『Neighbor to the World』をお楽しみください。」

 討伐が終わると周りの景色がぼやけてきた。アリアがお決まりのセリフを言うと、だんだん辺りが光ってきて、とうとう目を開けられなくなった。このままはじまりの街に転移するのだろう。



「…ん?」

そういやさっき何か鳴ってなかった?


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