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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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87.長い夜の始まり2

サブタイトルに迷って

安直に数字付ければいいんじゃないかという手を使ってしまいました

 <<シュウ>>


 ティアリスが襲われる数分前……

 隣の部屋、シュウの部屋では暗闇から飛び出した人影が短剣を振り上げている。

 それをベッドの上からシュウは眺めていた。

 その数瞬の間にシュウの脳裏にルーツの言葉が呼び起こされていた。


『戦いにおいて一番大きな隙は攻撃の瞬間だ』


 人影がシュウに短剣を振り下ろしてきた。

 

 バサッ!


 短剣が振り下ろされる瞬間に合わせてシュウは体にかけていた毛布を勢いよく人影に向け投げつける。

 毛布で視界を遮られた襲撃者驚いたように息を詰めたが振り下ろしかけた短剣は止まらない。

 

 ガッ!


 そのまま短剣はシュウのベッドに叩きつけられる。

 襲撃者は急いで毛布を取り払うが、当然のようにベッドはもぬけの殻だった。

 シュウを見失った襲撃者は左右を見渡そうとした時、左から気配が膨れ上がる。

 急いでそちらに体を向けるが、そこには誰もいない。

 さらに周囲を見渡そうとした瞬間――

 襲撃者の腹部に衝撃が生まれる。

 シュウの肘打ちが襲撃者の鳩尾(みぞおち)に刺さっている。

 鳩尾を支点に襲撃者は体をくの字に折れる。

 その襲撃者の顎にシュウはさらに掌底を突きあげて、襲撃者の意識を刈り取った。


「ふう……」

 掌底を突きあげた姿勢で息を吐いて、緊張を解く。

(何だったんだ?)

 とりあえず魔法鞄からロープを取り出し手と足を縛る。

『推奨。

 声を出させないように口も封じる』

(そうか。

 大声を出されたり、この世界は魔術もあるか)

 アルテの助言に納得し、ロープの準備をする。

 大声を出されて周辺の住民に異常を知らされても、襲われたのはシュウで正当防衛なのだが、現状を客観的にみるとどちらが被害者かわからない。

(それに、こいつの仲間がいたら……

 ハッ!)

 シュウは手早くロープを襲撃者の口に噛ませて縛ると、自室を飛び出した。


 廊下に出てすぐ隣のティアリスの部屋の前へ走る。

 中から争うような気配を感じる!

 扉に体当たりするように飛び込む。

 気配の位置は変わっておらずベッドの位置で――


 短剣を杖で防ぎながらもベッドに押さえつけられているティアリスが目に入る。

 そして、ティアリスの服が破かれていて肌が露出してしまっている。

 シュウは腰を落とし溜めを作る。

 そして、床を一気に蹴る。


 格闘術突進剣技 蹴月掌(しゅうげつしょう) 


 ドッ!


 ティアリスの部屋に大きく音を立てて飛び込んだおかげで不意を突けた襲撃者の体側に詰め寄り掌底を叩き込む。

 襲撃者はシュウに対応することができずに、壁に叩きつけられてズルズルと崩れていく。

 シュウは襲撃者とティアリスの間に立って襲撃者を警戒するが、壁に激突した襲撃者はそのまま気を失ったようだ。

 シュウの部屋の襲撃者と同じようにロープを取り出して、手足と口に噛ませて縛っておく。

「ティア。

 大丈夫?」

 襲撃者に警戒だけしつつ、ティアリスに向き直る。

 ティアリスはベッドに倒れたまま、息を整えているようだ。

「ケガはない?」

 ティアリスに手を差し出しながら、ケガが無いか尋ねる。

「うん。

 ありがとう。

 大丈夫」

 ティアリスが差し出した手に手を置いたのを確認したあと、掴んで引き起こす。

 問題がないか確認しようとティアリスをよく見ようとしたところで、服が破かれているのが目に入る。

 そこから白い肌が見えてしまっており……。

 慌ててシュウは顔を赤くして視線を逸らす。

 それを見て不思議に思ったティアリスは自分の服を見下ろすと、

「キャッ」

 小さく悲鳴を上げて破れた服を手でなんとか隠そうとしているのが仕草でわかった。

 シュウは魔法鞄から薄手の上着を取り出すと、

「コレ、着て」

 とティアリスに差し出す。

「あ、ありがとう」

 シュウから上着を受け取ったティアリスは上着を肩に羽織う。

「だ、大丈夫だと思う」

 ティリアスの声に振り返ると、上着の袖を通さずに羽織ったまま手で前を閉じていた。

「服以外に何かされてない?」

「うん。

 あと少しで刺されそうだったけど」

「遅くなってごめん。

 それで、服着替えたいと思ってるだろうけど、一人にさせられないし、他のみんなも無事か確認に……」

 シュウがティアリスにこの後の動きを確認しようとした、その時、


「きゃあーーー」


 女の子の悲鳴が響き渡った。

「リンの声だ!

 僕から離れないように付いてきて!」

 そう言って、ティアリスに手を差し出す。

 ティアリスが片手で上着を持ちつつ、シュウの手を取る。

 ティアリスの手を握って、部屋の扉に近づく。

 壁に背を付け静かに扉を少し開けて廊下の様子を伺う。

 クランとリンの部屋はシュウの部屋の向かい側だ。

 シュウが部屋を出た時は慌てていて確認はしていなかったが、廊下に人はいなかった気がする。

 クランとリンの部屋にも襲撃があったのならその時には部屋に侵入されていたのか、その後に侵入してきたのか……。

 とりあえず、今はクランとリンの所に急ぎたい。

(無事でいてくれ!)

 ティアリスに目配せをして、シュウは廊下に出た。

作者は「――」を覚えた


前回から続く襲撃編(される側)

まだまだ続きます


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです

それではまた~

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