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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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79.ロックホーンクエスト報告の終わり

ギリギリ書けました

今回でやっと報告回が終わる!予定です

あ、もちろん戦いません

「ピットフォールのことは気になるが、今は置いておこう。

 ロックホーンが猛毒で弱っていたので拘束に成功し、それでどうしたのかね?」

 マルクが頭を振って、気持ちを切り替えながら続きを促してきた。

「あと、特に何もしてないですね。

 ロックホーンの身体を調べて回っていると、このナイフが刺さっているのを見つけました。

 刃先の毒のせいでロックホーンが弱っていたと推測したので、丁度受けた依頼がキリア草の採集だったので解毒ポーションを作ってロックホーンに飲ませました」

「「作った?」」

 二人の受付嬢が声を揃えて驚いている。

 マルクは声に出してはいないが、

(依頼の最中に拘束しているとは言えモンスターの目の前で調合をする奴などあいつ以外に……。

 こやつあいつの弟子だったか……)

 と、かつての仲間を思い出しながらため息をついた。

「それで君たちは戻ってきたと」

「はい。

 ただ、解毒ポーションで解毒はできたと思うんですが、衰弱がひどかったので下級治癒ポーションと果物を置いてきました。

 その頃には、暴走してる感じがしなかったので、休んで森に帰るんだぞって言って帰ってきました。

 場所的にも平地で背の高い草に囲まれてたので人目に付かない所でしたし」

「暴走したロックホーンが静まったのか……」

 マルクがシュウの報告を聞いて考えこむ。

「たしかにギルドカードにはロックホーンを鎮静化させて事態を解決した。と、記録されてました」

 後から聞いた話だが、暴走したモンスターを鎮めることは難しいらしい。

 大抵が討伐してしまうか、モンスターの気がすむまで暴れさせて自分から帰るのを待つのだそうだ。

 それまでにどのくらい被害が出るかモンスターにもよるが……。

「だいたいのことはわかった。

 あと残る問題はやはりそのナイフか」

 マルクが顎を手でさすりながら呟く。

「体力の塊と恐れられるロックホーンを動けなくさせる程の猛毒か……」

「しかも硬い鱗に覆われてますしね」

「ただのナイフで噂のロックホーンの鱗を貫けるとは思えません」

「剣じゃなくハンマーに持ち替えたのは正解ですね」

「剣でロックホーンを倒した記録はだいたいAランク以上の方ですもんね」

「それに硬い鱗で覆われた防御力もですが、角や爪といった攻撃も重量と合わさって厄介なんです」

「さすが、サーシャ。

 元冒険者の経験談は違いますね」

「ま、まあ……。

 ロックホーンに話を戻しましょう」

「硬い鱗と角や爪と言った攻撃。

 幸いなのは動きが鈍いことくらい?」

「いえ、ドレーヌさん。

 動き自体は狼等と比べると遅いのですが、野生の勘というか本能というものでしょうか。

 成体のロックホーンはランクが高いモンスター特有の危機察知を持っているみたいで、見た目以上に素早く感じるのですよ」

「そうなんですか?

 そんな野生の勘をもつモンスターの背後からナイフを刺すなんて、犯人は誰なんでしょうね」

「うーん。

 並大抵の実力ではないのは確かですね」

「あ、あのナイフがすごい切れ味の一品だとか」

 ドレーヌが指を立てて発言する。

「それを含めて鑑定してもらうんだ」

 マルクがシュウに託したナイフを見つめながら応える。

「あとは~。

 獣人が味方ですよって近づいて後ろからプスッと。

 ゴブリンなんて毒も使いますし、モンスターに近い存在なんですから味方のフリなんて簡単でしょ」

 ドレーヌが本気か冗談かわからない発言をする。

「ドレーヌさん、冗談でもあまり言っていいことではありませんよ」

 後輩のサーシャに窘められている。

「は~い」

 おかしいな。

 最初のドレーヌの印象はもっと大人な感じだった気がするのに。

「ここで論じていてもこれ以上はわからんだろう。

 無事ロックホーンの暴走は止まり、依頼は解決したんだ。

 冒険者の二人は疲れもあるだろう。

 今日はここまでとしよう」

 マルクがさすがギルドの長というように場を仕切ってくれた。

「ナイフの事については、扱っている物が物だ。

 ここの者の中で(とど)めることとし、他言しないように。

 特に他の冒険者にはな。

 余計な混乱はギルドとしても避けたい」

 ロックホーンを行動不能にまで追い込む猛毒が出回っているかもしれないなんて広まると冒険者や街の住民が思わぬ混乱を引き起こすかもしれない。

 それを危惧したギルドの長は不確定な情報をこの場の者で止める判断をした。

「ふふっ。

 秘密の共有ですね」

 ドレーヌがシュウに微笑みながら話してくる。

「内容は猛毒の付いたナイフの事ですけどね……」

 危険極まりない物騒な秘密だ。

 共有の秘密にするならもっと健全なことにしたいと心の中で溜息を付く。

「あと、僕からも一ついいですか?」

 シュウはナイフのことで沈みそうだった気持ちを引き上げて、口を開く。

「何かね?」

 マルクがギルド側を代表して応えてくれる。

「もう一つのこの場の中での秘密にしておいてほしいことが」

「ふむ。

 事と次第によるが……」

「その……。

 報告したロックホーンのことです」

「ロックホーン?」

 思わずサーシャが聞き返す。

「はい。

 まだ解毒が終わって、体力が回復しきってません。

 僕達もその場にずっと残ることもできなかったので、ロックホーンを一人残してきましたが、まだ動ける程じゃないと思います。

 今、冒険者に見つかると倒されてしまうかもしれません。

 ですので、そのロックホーンのことも内密にして頂きたいと……!」

 シュウの嘆願に個室の中は静まり返る。

「ふむ。

 暴走していないロックホーンに手を出す馬鹿は冒険者にいないと思うが、今日の功労者の君たっての希望だ。

 二人ともいいな?」

 マルクが受付嬢二人に目配せをする。

「「はい」」

「ありがとうございます」

 シュウはギルド側に向かって頭を下げる。

「他にはないかな?」

 マルクがシュウと、隣でずっと静かにしていたティアリスを順に見つめて尋ねる。

「僕は大丈夫です」

 シュウが答えたあと、ティアリスに顔を向けるとティアリスも頷く。

「それでは、先程も言ったように疲れているだろう。

 君たちは帰って休みなさい。

 ああ、そうだ。

 ナイフのこともよろしく頼む」

「はい。

 わかりました。

 寄ってから帰ります。

 ティア、いい?」

 マルクに答えながら、後半はティアリスに向けて聞く。

 ティアリスも再度頷いて答える。

「では、解散とする。

 早く帰ってゆっくり休むんだぞ」

 マルクがそう言って個室から出て行く。

「じゃ、ティア。

 僕達も行こうか」

「ええ」

「お疲れさまでした。

 お気をつけて帰ってくださいね」

「ありがとうございます。

 時間取らせてすみません。

 お仕事頑張ってください」

「またねー」

 シュウも受付嬢二人に挨拶をして、ティアを促して個室を出る。

 一直線に宿に帰って休みたいところだが、ナイフの鑑定にランブルのところに寄らないといけない。

 その後、武具を見るつもりでもいるのだ。

 まだまだ休めるのは先になりそうだ。


 冒険者ギルドの扉を潜って出て行く二人の冒険者を見つめる瞳。

「チッ」

 その口から舌打ちを発してその場を後にする。

なんとか週投稿2回を頑張りたい

戦いのない単調が続きますが……

あ、いつものことでしたね


ここまで読んで頂きありがとうございます

みなさんの空いたお時間の隙間を埋めることができたなら幸いです

それではまた~

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