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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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78.疑う事・信じる事

まだまだ続くギルドの報告パート

今回で終わるのか!?

「ところで、このCランクでも手こずるロックホーンを君たち二人はどう対処したのかね?」

 マルクが差し出すナイフを受け取るシュウにマルクが訊ねてきた。

「自分たちはこれといって何もやってません。

 ロックホーンの攻撃をいなして凌いでどうするか考えていたら、このナイフの猛毒でロックホーンが弱って動きが鈍くなっていきました。

 それで、さらに暴れないように拘束してから解毒ポーションで猛毒を解毒して、治癒ポーションを飲ませました。

 まだ動ける程体力が回復してませんでしたが、人を襲うような暴走は見られなかったので帰ってきて報告した感じですね」

 ロックホーンの事について簡潔に伝えた。

 マルクの表情からは感情を読むことができなかったが、受付嬢の二人は呆れたというように口を開けている。

「あ、あのシュウさん……。

 まず、簡単そうにロックホーンの攻撃を凌いだって言われましたがどうやったんですか?」

 呆れ顔のサーシャがシュウに聞いてくる。

「え?

 両手ハンマーに持ち替えて左右の両前足の攻撃だけ叩き落としたぐらいですよ。

 後の角や突進は避けました」

 その言葉にギルド側の三人は言葉を失う。

(簡単そうに言うけど、実際はそう簡単じゃないのよ。

 実際に見た私でも未だに信じられないんだもの。

 しかも、それをやり遂げて一回も攻撃を受けてないし)

 ギルドの三人が黙った理由がわかるティアリスは心の中で呟く。

 シュウだけが他の者たちが黙ってしまった理由がわからなかった。


「……では次に、弱っていたと言ってもあの怪力を持つロックホーンを拘束したというのはどうやったのだ?」

 年の功か一番早く立ち直ったマルクが次の質問をしてくる。

「えっと、とりあえず暴れるのも何も四足獣の動きを止めようと思ったので、落とし穴に落として足を拘束しました。

 ロックホーンの衰弱が予想以上だったみたいでそれだけで足を動かせなくなって、後は角を振り回そうとしたんで、両手棍に持ち替えて頭を打突して気絶させました。

 そこからは先程言ったように、解毒と治癒をしただけですね」

 今度は拘束した時の様子を簡単に説明するが、聞かれて答えただけなのに、ギルドの三人は呆れたような顔をして黙ってしまった。

「彼の作った落とし穴は画期的でロックホーンを見事に動けなくしていました。

 隣で見ていた私が保証します」

 横からティアリスがフォローを入れてくれる。

「画期的と言っても、落とし穴だろう?

 事前に戦うとわかっていたなら話は別だが、突発的に起こったロックホーンとの戦いに落とし穴が準備できたのかね?

 それに、あのロックホーンだ。

 衰弱していると言っても角やその力で落とし穴を壊すだろう?」

 半信半疑のギルド側の代表としてマルクが落とし穴の問題点を挙げてくる。

 そう、落とし穴を使うには相手を落とせるほど大きな穴を用意して、そこに相手を誘導して落とさなければならない。

 そして、誘導するにも相手をうまい具合に誘導できなければ落とし穴は効果を発揮できない。

「準備も誘導も特にいりません。

 僕がピットフォールを使えるので」

 ギルド側の疑問の答えをシレっとシュウが答える。

「なにっ?

 ピットフォールだと?」

「はい。

 ピットフォールでロックホーンの足元に体の幅と同じぐらいの穴を開けて落としました」

 マルクの驚きの呟きにシュウが返事を返す。

「待て!

 ピットフォールと言っても、詠唱と発動してから穴ができるまで時間がかかってしまうものではないか?

 その手間がかかりすぎるために、ピットフォールを使うものはほとんどいないぞ」

 マルクがピットフォールについての世界の認識を説明してくれる。

 だが、シュウは自分のピットフォールがそこまで手間がかかるものだったか首を捻ってしまう。

 そして、

「そうなの?」

 と、横で見ていたティアリスに尋ねてみた。

「ええ。

 本来の魔術のピットフォールはギルド長がおっしゃられたように、長い詠唱と穴が出来上がるまでにとても時間のかかるものよ。

 それに、あのロックホーンを落とせるような幅の穴を開けるなんて聞いたこともないわ。

 よくて人の片足が嵌まるくらいのものが精々かな。

 後は大きく穴を開けるなら戦術級魔術で大地を動かして地面を沈めるといった所かしら」

 シュウは自分がまだまだ魔術について疎いことを改めて認識させられた。

「で、でも……」

 けれど、実際にシュウはピットフォールを使ってロックホーンを拘束して見せたのだ。

 それをティアリスが信じてくれないと、目の前のギルド職員も信じさせることなんてできないだろう。

 そう思って反論をしようと思ったのだが、

「でも、私はこの目でシュウさんがピットフォールを使ってロックホーンの動きを止めるのを見ました。

 素晴らしい速度で魔術を完成させて、展開も早くロックホーンを逃がしませんでした。

 何よりもロックホーンの体格に合わせたことで、ロックホーンに無駄な傷を増やさず動きを止めることで、その後の治療も迅速にできることができたと思います。

 もう、満足に動くことのできなかったロックホーンだったので下手をすれば命を奪っていたかもしれません。

 そうならなかったのも、ひとえにシュウさんのピットフォールの速度と制度、構成力の賜物だと私は思います」

 ティアリスの力強い主張に今度は疑う様子もなく、真剣に考えるギルド職員達。

 魔術が疎いと思われている戦士の言葉より、魔術を扱いなれている魔術師の方が信憑性があるようだった。

 それよりも、シュウはティアリスが今までの認識から外れた魔術を違うと否定するのではなく、信じてくれたことに感謝していた。

 シュウはティアリスに顔を向けると、ティアリスもシュウを見つめ返して小さく微笑んだ。

 そして、その目が、

(信じるので後でどうしてできるのか説明してくれるよね?)

 と語っていることを読み取った。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

すごく微妙なところで終わりますが、

そろそろ報告パートも終わりに近づいてます(たぶん)。

本当は今回で終わるつもりでしたが、

説明が無駄に長く・・・。

スミマセン。

次回は進展が(あるといいな~)。


皆様の空いたお時間を埋める手助けができれば幸いです。

進展がなくつまらないパートが続きますが

次回やっと抜けると思います。

それではまた~

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