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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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77.ロックホーンのランクは

まだまだ会話パートです。

戦いのない平和な世界。

 サーシャから聞き逃せない言葉を聞いて固まる二人がいた。

「え?え?

 ロックホーンってDランクなんじゃ?」

 困惑しながらもシュウは疑問を返す。

「ロックホーン自体はDランクです。

 でも、それは通常のロックホーンに対してですね。

 ロックホーンは温厚で人に害することは滅多にありませんので。

 生息地も山間部ですので街の周囲には出てくることもあまりありません」

「Cランクというのはつまり・・・?」

「ロックホーンが暴走した場合にCランクに格上げされます。

 ただでさえ硬い鱗を魔力で強化するので、低ランクでは対処ができません。

 Cランクでも一パーティか二パーティが合同で対処するのが暴走ロックホーンです」

「今回はどっちだったんですか?」

「お伝えした通りCランクです。

 暴走したロックホーンの対処で登録されてましたのでCとなります」

 サーシャの説明に首を傾げる冒険者二人。

「ティア。

 誘われたパーティではなんて言ってたって?」

 ギルドのクエスト登録とティアへの説明が微妙にかみ合っていない。

「私があのパーティから受けた説明はDランクのロックホーンを討伐するって話でした。

 六人の一パーティでしたけど……」

「おかしいですね……。

 クエストの受注手続きの際に受付がパーティリーダーのランク確認と説明をするはずなのですが……。

 このランクの依頼だとDランクが混ざったパーティだととてもきついので忠告して、受注用紙に記載しておく決まりなのに用紙に何も書いてないんですよね……。

 うーん。

 この依頼の受注用紙、受付した担当の名前も無いですね」

 サーシャが口元に手を当てながら手元の書類を見詰める。

 昨日のティアリスのパーティがロックホーンのクエストを受けた際の受注書がそこにあるのだろう。

「この受注書についてはこちらで調べておきます。

 お二人は間違いなく暴走ロックホーンを対処して頂けたので、Cランクの報酬を受け取ってください」

 サーシャが念を押して報酬を押し出してくるので断ることもできなさそうなので受け取る。

「ティア。

 この報酬分けるのは後でいいかな?」

 報酬の袋は一つなので後で金額を確認して、ティアリスに分けようと心のメモに書きとめる。

「私は何もできなかったから、報酬はいらないわよ。

 ほぼシュウさんが戦ってくれましたし」

「いやいや。

 一人だったら無理だったよ。

 ティアの魔術も必要でしたっ。

 帰ったら半々ね」

「……わかったわ」

 ティアリスが不承不承と言った様子で承諾する。

「……帰ったら」

 前方からぼそりと呟きが聞こえたが、シュウはよく聞こえなかった。


「ティアリスさんは昨日のパーティに参加された際に受注時の事をお聞きされませんでしたか?」

 サーシャがティアリスから少しでも受注時の情報が得られないか聞こうとしている。

「私がクエストに声をかけられたのはあいつらがもう受注した後で、追加で参加する登録をした時しか受付に行かなかったけど、参加の書類記入しかしなかったわ。

 たしか、その時の受付は……」

 ティアリスがいろいろあった昨日のことを思い出すように視線を上に上げて考え込んでいる。

「あなただったわよね」

 ティアリスが視線を目の前の受付嬢の一人に向ける。

 ドレーヌだ。

「ええ。

 戦士の方がクエストにメンバーを追加したいと来られたので、受理だけ致しました。

 説明は十分に受けたって言ってましたので、受領書までは確認しなかったわ。

 こんなことになるとは思わなったんだもの」

「私もまさかクエストがこんなことになると思わなかったわ。

 それよりもあのパーティがこのクエストを」

「あ!そうだ!サーシャさん見て欲しいものがあるんですが」

 ドレーヌとティアリスが話しているとこだったが、ナイフのことをサーシャに聞こうと話を切り出した。

「これを持ってた人を見たことないですか?」

 そう言って机に出していたナイフをサーシャ達の方へ押し出す。

「このナイフですか?」

 差し出されたナイフを見てサーシャは思い出そうとしているが、

「ちょっとこれだけだとわからないですね。

 なにか特別なナイフなんですか?

 普通のナイフに見えますけど」

「そうですね。

 皆さんが持っている物と何か違うんですか?」

 サーシャとドレーヌがナイフを見てもピンと来てないようだ。

「そのナイフがロックホーンを暴走させた原因だと思うんですよ」

「!?」

 サーシャがシュウの言葉に驚いた様子でナイフに視線を集中させる。

「このどこにでもありそうなナイフがあの硬いロックホーンの鱗をどうにかできるなんて思いませんが……」

 ドレーヌもナイフに目を向けてからシュウに疑問の声を投げる。

「このナイフには猛毒が仕込まれていました」

「え!?」

 シュウの言葉に再度驚いて声を上げるサーシャ。

 ナイフに伸ばそうとしていた手を引っ込める。

 ドレーヌはそのまま手を伸ばす。

 が、ヒョイと受付嬢の後ろから伸びた手がナイフを持ち上げていく。

 その手の持ち主はナイフを兎の鞣し革から少し抜いて猛毒を確認すると、

「ふむ。

 なるほど。わかった。

 この猛毒のナイフは俺の方でも調べてみよう。

 シュウ君、こいつを薬屋のランブルに持って行って成分を調べてもらってくれないか」

 ナイフを鞣革に戻してから冒険者ギルド長マルクはナイフをシュウに差し出した。

「ギ、ギルド長!?」

 ドレーヌが後ろを振り返って驚いている。

「わかりました。

 この後、持って行ってみます」

 シュウはナイフを受け取りながら答える。

(正面の扉から入ってきたはずで、正面を向いてたのにいつそこに立ったかわからない……)

 シュウはいつの間にか受付嬢の後ろに立っていたマルクに戦慄を覚えた。

週二投稿を頑張ろうと思い立ち

二週目で挫けそうになりました。


ここまで読んで頂きましてありがとうございます。

皆様の空いた時間を少しでも埋めることができれば幸いです。


それではまた~

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