私なりの応え
傷つかないために纏った鎧は
いつしか私を閉じ込める檻になっていた
誰も来ないで、と鍵を掛けたのは
差し伸べられる温もりが
あまりにも眩しかったから
本当はその指先を
ほどけないほど強く
握り返したかったのに
心へ落ちた一滴の優しさが
凍りついた時間を静かに溶かしていく
あなたがくれた日々を
私はどれほど取りこぼしてきただろう
ごめんね
その一言さえ
喉の奥で震えたまま
声になれずにいた
それでも
もう俯かない
不器用なままの私で
今度こそ自分の意思で前を向こう
あなたからの貰いものに応えたいから
ぎゅっと握りしめた拳をひらいて
固く閉ざしていた扉を
静かに押し開けてみる
あれほど恐れていた世界は
思い描いていたよりずっと鮮やかで
風はやさしく頬を撫で
光は惜しみなく降り注いでいた
その光の中で私は初めて
胸いっぱいに息を吸う
この零れそうな笑みは
まだ慣れていなくて
頼りなく揺れるけれど
もう大丈夫だよ、と
あなたへ届けたくて
生まれた声のかたち
ただ
あなたと同じ景色を見て
隣で笑える私になりたい
もう二度と
暗闇を居場所にはしない
これからは
あなたの隣を歩いていこう
怖がっていたのは
世界じゃなくて
変わっていく自分自身だったと
気付けた
進むと決めた私を
あなたは待っていてくれた
その優しさが
どれほど心を支えてくれたか
言葉ではきっと追いつけない
だから私は歩くことを止めない
あなたの隣であなたと同じ速さで
時々つまずきながら
それでも前へ
涙がこぼれる日は
無理に笑わなくていい
笑える日が来たら
その時一緒に笑えばいい
そう教えられたことを
繰り返し想い出すだけで
心はこんなにも軽くなる
ありがとう
この言葉をようやく
まっすぐ届けられる私が
今ここに立っている




