第29話 トーナメント
(●´ω`●)おはようございます。昨日はサイトに中々入れなくて困りましたね。二段階認証のメールが中々届かなくて、連投したら連投やめてください、て言われるし、メール来たと思ったら時間切れですって言われるし、どうせいっちゅーねーんなりましたね。
「トーナメント?」
先輩が気怠げに返事をしてくれる素敵。
「そうですよっ!最強の能力者決定トーナメントですっ!」
「こんな僻地で最強っつってもなぁ」
虚空先輩が冷たい目線を私に向けてくれる素敵。
「確かに王国最強とかよりは弱いですけどっ!御当地最強ですっ!」
「最も強くにはならなくない?」
「先輩、細かい事は気にしちゃ駄目ですよぉ」
各組織が代表者一名を出してのトーナメント企画が発表された。
「アホらしい。パンピーへの見世物と能力者達のガス抜きだろう」
やーん、先輩相変わらずクールっ!
ノリ悪いけど素敵っ!
「でもでもっ!主催は王都の貴族、王国騎士団極東方面軍なんですよっ!」
「ケツモチが運営かぁ。好成績の者は首輪付けられるだろうな。出るのは目立ちたがりの馬鹿だけだ」
先輩は今回の催しには否定的らしい。
参加はしてくれないかなぁ。
(でもでもっ!先輩が戦えば皆先輩の強さを解ってくれるっ!認めてくれるっ!)
ちょっと前の⋯王国騎士団が派遣される前のエルフ襲撃事件。
私は先輩がエルフ三人を退けたって伝えたけど、誰も信じてくれなかった。
エルフを実際見た人達は気紛れでやって来て気紛れで帰ったんだと断じ、そもそもその場に居なかった連中はエルフの存在自体に懐疑的だ。
エルフは綺麗で美しいけど、アレは人の形をした災害、厄災だ。
恨む事も出来ず、殺されずに立ち去って行った事実にホッと安堵する様な対象だ。
我こそ最強だと声高に叫ぶ代表選手達も、エルフ相手なら逃げ出すだろう。
(そりゃぁエルフが三人も攻めて来て町が滅んでないんだもん。私だってその場に居なかったら信じなかったかも⋯)
うちのボスが一応騎士団にも報告したらしいけど、なんか信じてくれてないっぽい⋯らしい。
能力者はただでさえ大袈裟に騒ぐ奴も居るから。
突然やって来た王国騎士団に、自分達はエルフに攻められても壊滅してないって、ハッタリかましてるって思われたんだろうなぁ。
(だからって先輩を馬鹿にする奴は許せない)
エルフの攻撃から先輩が守ってくれたって言っても誰も信じてくれないし。
(許せない)
私の大好きな先輩が評価されないなんて納得いかないもの。
(だから何としても先輩にはトーナメントに出場して貰わなきゃっ!)
八百長塗れの地下闘技場とは違う。
各組織の代表選手一名はシード枠だけど、個人でも参加出来るって話だし。
そう云う組織内での下剋上を狙うエージェントや、フリーの能力者達が参加する予選の締め切りがそろそろな⋯筈。
(急がなきゃ)
「力を示して富も名声も思いのままっ!夢いっぱいですよっ!」
「モンスター討伐で死にまくってるのに馬鹿ばっかだな」
「あ、殺しは無しだそうです。救護要員にヒーラーも居るそうですし、滅多な事は無いでしょうけど」
「へぇ?」
お、虚空先輩が少し反応してくれた。
「ヒーラーは貴重ですもんねぇ」
「どんな組織も取り合いだからな」
ある意味治癒能力持ちは、単純な高火力戦闘員よりも重宝される。
更に治癒能力者本人も戦闘力を持たない場合が多いので、彼等も積極的に大組織の庇護下に入る事を望む。
「ですから命の危険も無いんですし」
「緊張感の無い事だな」
「でも賞金も出ますし」
今巷の能力者達はその話題で持ちきりだ。
「先輩も出ましょうよぉ〜?」
絶対先輩なら優勝出来るのに。
「もうその話はいい。何で皆俺を出したがるんだ?」
先輩がややうんざりした感じで応える。
皆って?
(誰かに誘われたのかな?)
「俺が出る訳が無い」
「そっかぁ」
残念だけど引き下がる。
あんまりしつこいと嫌われちゃうからね。
(こうやって偶然出会えたんだからデート楽しまないと)
能力者は手の内を明かしたがらない。
エルフ三体を退けた先輩は、一時期色んな連中に追い掛け回されて辟易したと云う。
(エルフの件を信じた連中も居るんだよね)
でもそう云う連中は先輩を褒め称えるんじゃなくて、先輩を倒して名を上げようとしたり、攫って情報を聞き出そうとしてるだけなのよね。
「出るのは各組織の凄腕だろう。派手な試合になるだろうな」
「うーん、そですね。いわゆる看板能力者ですね」
能力を開示してる連中だ。
自己顕示欲とか承認欲求とか云うんだっけ?
自分がどんな能力でどれだけ強いかで縄張り争いでの牽制をするのだ。
先輩みたいな一匹狼⋯やだカッコいい⋯とかなら兎も角、自分の実力を示す事が仲間を守る事に繋がるのだ。
リスクよりメリットを取っているのだろう。
「氷炎の緋雨とか雷帝鵺とかですよね」
ボス兼看板能力者だった。
どっもち行方不明なんだよね。
氷炎の緋雨や雷帝鵺を失った組織は弱体化し実質的に解散。
生き残りは別の組織に吸収され、縄張りもそこの組織が陣取っている。
「ならせめて観戦しに行きましょうよ!美味しい出店も出るって話ですし〜」
「出店か」
先輩が反応した。
(あ、コレはいけそうかな?)
トーナメント不参加は残念だけど、お祭りデートもアリね。
「出店か」
あ、先輩が行っちゃう。
「あ〜〜〜ん、待って下さいよ、先輩〜〜」
私が先輩の後を追い掛ける。
先輩と仲良く出店が並ぶ通りを歩く姿を想像する私。
(先輩にあーんとか、食べさせっこしたいなぁ〜)
私は先輩に追い付き、腕に腕を絡ませ胸を押し付ける。
(なんかあんまり効果無いけど⋯)
私は諦めない。
だって⋯
(恋する女の子は無敵なんだから)
(●´ω`●)枢は主食が母乳なので多分ソムリエみたいな事できますね。
後輩ちゃんは犬ですね。柴犬とかあっち系。枢の琴線には触れませんが可愛い娘ですよ。




