1-2ミッミクとマリア
アイキは何時も通りに行動を開始する。朝起きたらまず、メガネを取り出す。そして、それを口に入れる。それを何度も繰り返して考える。別にここが何処かは分からない。でもこれが俺の邯鄲の夢というのならそれは俺を楽しませてくれるんだろ?俺の人生は俺が楽しむように使わせてもらう。例えそれが他人から見て奇抜でどうしようのない行為だと分かっていても…例えそれが人生の全てをかけたおろかでどうしようもない行為だとしても、だ。
アイキはミミックとしての性能は限りなく低い。宝箱ではないタダの魔物として知られてしまえば即ち夢の終わり。アイキは慎重に行動することを心に刻み込んだ。まず、怪しまれないように宝箱の中身を作らなければならない。今彼の口にあるメガネは、彼の唯一あるもといた世界での思い出だ。宝箱を二重底にして隠さなければならない。その為にはまず板を用意しなければならない。その為にはまず外敵から身を守る力が必要だ。力をつけるために眼鏡を取られるわけには行かない。そう、その為には板が必要だ。…落ち着くんだ。こう考えよう。この世界には【スキル】がある、その熟練度を上げたり新しい【スキル】を得て強くなる。そうして、人や魔獣から隠れながら板を探すんだ。そうして出来た二重底の宝箱でなら、新しいアイテムを入れ擬態してさえいれば眼鏡を取られることはない。そしてもう一つの方法は、眼鏡をここに隠すんだ。そうして、自らは空の宝箱として生活する。そうすれば、宝箱として見逃してもらえるだろう。
ミミックとして生きる為に、眼鏡を手放すか手放さないのか、それが問題だ。もしここで選択を間違えれば一生後悔するだろう。考えるんだ。その先に答えはある。そう、この眼鏡は【鑑定】のマジックアイテムだろう。例え、一時的に人間が持っていったとしても取り返せば良い。もしこの洞窟に埋めてしまった場合、俺は絶対後悔する。この世界を【鑑定】なしに生き残れる気がしないからだ。よし、眼鏡は口に入れておこう。そうすることによってアイキの視力は上がり前が見えやすくなるのだ。アイキは自らのレベルを上げるために行動を開始する。
まず、近くにいる魔獣を【鑑定】する。これにより、近くにいる魔獣はキラーラビットであると判明する。キラーラビット LV1 HP10 AT5 DEF5 INT5 AGI5。このステータスなら倒せそうだ。キラーラビットは様子を見ている。キラーラビットの攻撃アイキに0のダメージ。アイキの口に入れる攻撃。キラーラビットは藻掻いている。キラーラビットは窒息死した。アイキはドロップアイテムに変わり果ててしまったキラーラビットを視姦しその様子を脳内に書き留める。アイキはキラーラビットを見つけては殺し、視姦する。そうして彼のレベルは飛躍的に向上し、LV10にまで至るのだった。
HP10+10 AT5+5 DEF10+20 INT5+5 AGI1+2【収納上手】【脳内メモ】…視姦した魔物の様子をメモすることができる。メモした内容は他人に見せることが可能。
アイキが洞窟を探索していると、人間の冒険者が現れた。どうやら彼らは初級冒険者という類の物らしい。アイキは彼らを遠くから観察する。彼らはどうやら魔術学園の生徒とその先生という関係らしい。先生の名前はカレン。生徒の名前はマリアLVは未だ1のようだ。カレンがキラーラビットを倒し一匹にするとマリアはその残りを倒す。そしてドロップしたキラーラビットの魔石を持ち帰る。ミミックが捕食して死んだ魔物はどうやら余すことなく使えるようだが、洞窟で死んだ魔物は魔石に変わるようだ。そういう強制力が働いているようだ。
「先生私やりました!LV10になりました!」
「ああ、おめでとう。これでようやく我が魔術学園、白の塔の新入生になれたわけだ。では帰ろうか」
彼女らは踵を返して帰っていった。アイキは脳内メモに彼女らの行動を書き記す。そうして書き記したメモは警官に見せないといけない。何処かにいないだろうか?彼女らは言っていた、学園があると。そこに行けば警吏もいることだろう。アイキはその場所を目指して、彼女らの後を付けていくことにしたのであった…。
アイキが予想したとおり、魔術学園という場所に入るには衛兵が守護している場所を通る必要がある。その場所にアイキは乗り込んでいき、脳内メモを提出する。これがアイキの日課なのだから仕方ない。
「これは素晴らしい!このデータを取ったのは君かね?是非、我が魔術学園白の塔で雇われてみないか?その代わり、そのデータは私と君とで共有しよう…」
アイキは信じられないといった表情でその場を後にした。彼は怒られに来たのであり、褒められに来たのではないのである。アイキは元来た道を引き返し、新しい街の息吹を肌で感じ取るのだった。どうやら、ここは街のようだ。白の塔と言われるだけのことはあり大きなとうが聳え立っている。白の塔、その城下街では数多くの人が商業に勤しみその日々の糧を得ている。そして数多くの荷物が有り数多くの箱がある。その一つがアイキでありミミックである。彼は街に溶け込むかのように居座りその様子を具に観察する。まず、名もわからないなにかの果物がたくさん青空の下に置かれている。赤青白黄緑、どれもアイキは知らない未知の果物のようだ。食べても今のアイキには味は分からないが【鑑定】が全てを告げている。
アイキは何事もなかったかのように、近くの商人の足元に近づき、その足元にあるゴミ箱と自分を入れ替える。それによって、アイキは数多くの果物の味を知った。甘い、酸っぱい、辛い全てミミックには不要な感情らしく甘味もなければ、酸味もなく、辛味もなければ塩気もない。全てただのゴミであり果物である。アイキは商人のことを視姦する。彼の名はクロムウェル。この街に来たのは二回目で、通商業を行って生活している。馬車で各地の特産の果物を運び、それを売る。今回この白の塔に訪れたのは偶然で、道中崖崩れが起きた為進路を変更したらしい。クロムウェル懐事情は厳しそうだ。
「あれっ、こんなゴミ箱だったかな?まぁ使えればそれでいいんだが…今回の商売は失敗だった、元が取れただけでも良しとしよう」
そう言って、売れ残りの果物、売れ切った果物の箱と俺を馬車に積み上げ彼は今日も次の商品を仕入れに向かうのだ。彼の馬車の上で何事もなく揺られていると、いつの間にか大都市にたどり着く。どうやら白の塔のある場所は辺境だったようだ。この街では、魔物を従わせて戦わせる従魔バトルが開催されている。そのバトルを楽しみに各地から貴族や諸侯が集まりお祭りを開いているのだ。俺がやってきたのはそんな、大都市。
「おじちゃん、お帰りなさい!今回の売れ行きはどうだったの?」
「今回は駄目だったよ…あれはそう、100里いや1000里ほど前のことだったか…ものすごい雷と崖崩れがあってね龍ヶ峰山脈で何かがあった様なんだ」
アイキはアーレンという幼女を視姦する。彼女はクロムウェルと血の繋がりはなく面倒を見ているという関係。クロムウェルが通商に出かけている間は、彼女は近くの食堂に預けられておりその手伝いをしている。幼女は何かを懇願するような目をしている。どうやらおじさんを励ましたいが言葉が出ないという場合に見られる一般的な表情のようだな。幼女の観察にかけては世界で一位を競えるアイキがそう断定した。アイキはそっとクロムウェルの自宅に侵入し、その後の幼女の経過を視姦するのであった…。
ミミックは箱。潜入ミッションですよー




