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不幸スキルが強すぎて普通の異世界転生すらさせてくれない件  作者: 仮眠
第1章 俺の異世界生活の始まり
4/11

第4話 不幸体質な俺は二度死ぬ

この事件以来俺は今まで悩まされていた不幸体質がすっかり消えてしまったらしい。


まず朝ちゃんと起きることができるし、トイレが壊れていることもない、電車が遅れることもない。


これだけでも十分な効果だった。


やっと普通の生活が送れる…!

と思った矢先に第二の事件が俺を襲う。



なんと俺は原因不明の高熱で一か月外出することができなくなった。


もちろん病院にも行ったし薬もちゃんと飲んだ。だけれども俺の熱が下がることはなかった。


俺はこの時期ずっと寝たきりだったからあまり記憶はない。それでも一か月もの間高熱で寝たきりになるのはどんな不幸よりもつらかった。


やっと原因不明の高熱が下がってきたころ俺は学校に行こうとしたけれどじーさんと医者に止められた。

理由はわからないけどドクターストップがかかってるんじゃ学校に行くわけにもいかない。


「よお、お前暇だろ?俺のうどん屋を手伝ってみねえか?」


じーさんのこの一言で俺は草壁うどんを手伝うことに決めた。他にやることもないし単なる気まぐれだったけどこの選択は間違っていなかった。


そして昨日のことを思い出す。空から落ちてきた少女と巫女さんとの出会い。


一通り俺の過去を振り返ったところでタイミングよく夢から覚める。


「んー!よく寝た…にしても何であんな夢見たんだろう…」


朝飯前にうどん屋をあけるための下準備をしてしまう。

掃除をしたり調味料を追加したり整頓したり水を用意したり…などやることはいろいろある。


そしてじーさんがやってくる。


「おはよう!朝から頑張ってるな幸太。あとの準備は俺がやるからお前は朝飯食ってこい」


「じーさんおはよ、わかった飯食ってくる。ありがとう」


じーさんに開店の準備を任せ俺は朝飯の準備をする。


俺の朝飯はいつも納豆ご飯だ。俺の周りは納豆は臭くて嫌い!っていう人ばかりで少し寂しくなる。


ネバネバが美味しいんじゃないか!!大豆イソフラボンはお肌にいいし腸内環境を整えてくれる優秀な食材だ。


と熱く語ってしまったところで俺は納豆ご飯と味噌汁を食べる。


これを食べないと俺の朝は始まらない。カッカッカッと手短に朝飯を済ませ俺は外に行く準備をする。


これもリハビリの一部なんだが、俺は毎朝ランニングすることにしている。俺はランニングのような個人競技が好きだ。他人とのコミュニケーションをとるくらいなら一人で出来る自分の好きなことをやりたいと思ってしまうからだ。


それ以外にもランニングは頭をスッキリさせてくれるし今の俺にはぴったりだった。昨日は色々大変だったしそれのせいか夢にまで出てきた。こういう時はやっぱり頭をスッキリさせたい。


そう思ってランニングの準備を終え外へ出る。


「じーさん、ちょっと外走ってくる」


「おう、気をつけてな」


そして家の玄関を開ける。


扉を開けると見知らぬ人影が俺の家の前に立っていた。


「!?!?!?」


びっくりして尻餅を着いてしまった。尻もちをつくなんて初めてかもしれない、そのくらい驚いてしまった…


だって知らない人間が自分の家の前に突っ立ってたら怖いだろ…!


「あっ、あの大丈夫ですか!?」


その見知らぬ人が駆け寄ってくる。


「ご、ごめんなさい!私としたことが…家の前で待つことしか出来なくて」


家の前で待つ…?この人は俺を待っていたのか?

いや、うどん屋の客か…?


「あの、うどん屋ならまだ開店してないです。もう少し立ったら開店すると思うのでもう少々お待ちください…」


「い、いや!私は今日はうどん食べに来たわけじゃないんです、あなたに会いに来たんです…!」


え、俺に会いに来た…?怪しい匂いがぷんぷんする…知らない人が俺の家の前で待ち伏せしてるってめっちゃ怖くないか??それでもこのまま逃げることはできないのでなるべく平静を装って話す。


「あ、あの今日は俺にどういった用事で…?」


この見知らぬストーカー(?)をよく見てみるとめちゃくちゃ美人だった。昨日の巫女さんに引き続きよく美人に会うな…


するとこの美人はいきなり泣き始め、その場に崩れ落ちた。


「えっ、ど、どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」


突然の出来事に俺は困惑してしまう。


「ご、ごめんなさい…私あまりにも嬉しくて…ぐす…」


そしてその人は俺の方を見てとても眩しい顔をしてこう言った。


「あなたを殺しに来たんです!あえてとても嬉しいです。この日をずっと待っていたの…」


「は、い、今なんて…」


俺を殺しに来ただと…?とんでもなくヤバい雰囲気だ。こんなのストーカーの方がまだマシだった。美人だったので危うく騙されそうだったがこれは本当の殺意のようなものを感じた。


僕はランニングを開始する。否、闘争である。


いやいやいやいやいやいやいや、おかしいだろ…!?!?


なんでいきなり俺が殺されるんだ!?


「ふふふ、鬼ごっこですか!楽しそうですね」

この女は満面の笑みを浮かべて本当に楽しそうに俺を追いかける。


が、


追いかけるなんてもんじゃない、速すぎる。

俺に一瞬で追いついた。こ、こいつ人間じゃねぇバケモンだ…!!


なんたって俺はこういう目にあうんだ…最近は不幸体質は消えてたはずなのに…!!


雷に打たれたりストーカー紛いに殺されそうになったり俺の不幸体質は一体どうなってるんだ。


とにかく走って逃げる。

「はぁっ…はっはっ…はあっはあ!!!」


「逃げても無駄ですよふふふ。すぐ追いついちゃうんです」


「お、お前は何者だっ…!どうして俺の事を殺すんだ!」


「ふふふ、あなたがすっっごく邪魔なんです!だから死んで欲しいだけですふふ」


この女の表情が明らかにやばい。笑みを浮かべていて本当に楽しそうに殺しを実行しようとしている。


俺が一体何したって言うんだ…!?


「じゃあそろそろ殺させてもらいますね…」


次の瞬間俺の腹には鋭い刃物が刺さっていた。貫通していた。


「ぐ、ぐあああああああああああああ痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたい…!!!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」


「あっはっはははははは!!!!やっと殺せた…!!やっと殺せた!!!はははははは」


俺の意識はそこから飛んでいた。このあとのことはよく俺にもわからない。ただ、刃物が何回も何回も俺の腹を貫いていたことはわかった。滅多刺しだった。


(あー、不幸体質ってのもここまで来るともうどうにもならねぇな…はは…さよなら人生)


雷に打たれた時もこう思った気がする。俺は短い期間に何度死んでるんだろうか?そもそも落雷に打たれて死んでなかったのが奇跡なくらいだ。きっと運命の強制力ってやつだろう。


あー、じーさん大丈夫かな…俺がいなかったら誰がうどん屋を手伝うんだ…


最期に思ったのは草壁うどんの事だった。




「…さい…!…きなさい…!!きいてるの…!?」


うるさいな…何か俺に言ってる人がいるらしい。俺は今寝ているんだ…静かにしてくれ…。


「起きなさい!!!!(パシーーーン!!!)」


思いっきり顔をぶたれ俺は起きる。


「て、てめぇ!?何しがる!!!俺は今寝てるんだ邪魔するな!!…ってえっ…???」


俺は今なんで起きたんだ?確か俺は死んだはずじゃ…


「はぁ、やっとおきたわね…何回起こしたと思ってるのよ…」


「お、お前は誰だ!俺は死んだはずじゃないのか?お前はまた俺を殺しに来たのか」


「なっ!?し、失礼ね!!そんなこと言ってるとぶっ殺すわよ…!ま、まぁいいわ…だいたいあなたね、私がせっかく生き返らせたってのになんでまた死んでるわけ?私のメンツ丸潰れじゃない、どうしてくれるわけ?」


こいつは一体何を言っているんだ?

「は、意味わかんないこと言ってんじゃねぇ…!」


「あなた何も分かってないようね…仕方ない、この神様である私が説明してあげるわ(ドヤ顔)」


なんでこんなに偉そうなんだこいつは…にしてもこいつどこかで見たことあるような…?


「まずあなたは今さっき死んだわ、女に滅多刺しにされてね。いやぁすごい殺され方したわねあなたははは!」


「いや笑ってんじゃねぇよ…ってか俺は死んだのか?ならなんで今生きてるんだ?」


「まさか忘れたの?つい最近ここに来たじゃないあなた」


「つい最近?どういうことだ…?」


「1ヶ月くらい前にあなた、落雷に打たれて死んでるのよ」


「!?」

やっぱり俺はあの時死んでたのか…でもなんで生きてたんだ?


「どうやら何も覚えてない様子ね…やれやれ…この私が神の権力で生き返らせたってのに!そんな神の偉業を忘れるなんて天罰下してやるわ」


「神の権力?お前神様なのか?いやいや笑わせるなよははは」


「こ、こいつ!!ほんとに天罰下すからね!?」


「あーすまんすまん、話の続きを頼む」


「くっ、馬鹿にしちゃってさくぅ…まぁいいわ、私は天気の調整を任されてる神なの。あの日は気まぐれで雷を落としたくなっちゃってつい雷を落としたらたまたまあんたがあの場所にいて…いやいやなんでもないわ!!!あなたは不慮の事故に巻き込まれて落雷で死んだの…悲しい事故よ…」


「お、お前!?今気まぐれに落としたって言ったよな!?神様がそんなことしていいのか…!?ゆ、許せねぇ…!」


「怒らないでちょうだい、私だってほんとに焦ったんだから…仕事中にちょっとサボって気まぐれで雷落としたら人死なせちゃったなんてバレたら私クビになっちゃうし。だから私の素晴らしい神の力であなたを生き返らせたの、ほんとにあなたには悪いことをしたと思っているわ」


「ま、まぁ話はわかった…要するに俺はお前に殺されてお前に生き返らせられたわけだ。そしてその時に1回ここに来てると」


「そうそう!!話が分かる人間は嫌いじゃないわ。そしてここは前にも言った通り天界よ」


「ってことは今回はほんとに不慮の事件に巻き込まれて死んだわけか…」


「うーん、不慮の事故って訳じゃなさそうなのよねこれ。ほんとにあなたが狙われて殺されたっぽい。それにしてもあなたの不幸体質…あなたは神の私から見ても神レベルの不幸の持ち主よ」


「俺は誰かに恨まれて殺されたってことか?身に覚えがないんだが…俺の不幸体質ってそんなにやばいのか」


「ここであなたに提案があるの。あなたがここで死んでしまうと若者の死ということで天界の調査がはいる。そうすると私の偽装工作がバレて私も仕事クビってわけ。だからあなたを生き返らせようと思うの。ただし条件付きで」


「お前の不注意のせいだろそれは!?それで俺を生き返らせてくれるってほんとか?条件ってなんだ?」


「ほんとよ、おそらく今現実世界に戻ってもあなたは殺されると思う。あなたを殺したあの女にね…だからあなたには別の世界で転生してもらおうとおもうの。どう?いい考えじゃない?」


「いやいや、別の世界に転生!?色々困るぞ…」


「あとね、もう1つ理由があるの。私が1度あなたを生き返らせた時に私は神の能力のほとんどを削ったの。だからあなたの生死は私にも関わってくる。わかりやすく言うとあなたと私との間でパスが繋がってる状態、みたいな?だからこの1ヶ月、私も現実世界に現界してたの。あなたに見つからないように」


「お、俺のためにお前は能力を失ったのか…?つまり俺とお前は運命共同体ってわけか…?現界してたってマジか」


「運命共同体…なかなか恥ずかしいこと言うわねあなた…あながち間違ってないわ。でも昨日あなたに私の姿を見られちゃったけどね(てへぺろ」


「てへぺろ言うなよ。俺が昨日お前を見た?さすがに神様は見てねぇよ。」


「こう言ったらわかるかしら、私はあの街の森山神社に由来のある神様でね。ずっと森山神社で居候してたの。今の森山神社の神主さんが話がわかる人でね、私を快く置いてくれてたの。まぁ元々私が祀られてる場所だし?もてなされるのは当然っていうか?」


この神様、ほんとにギャルっぽい喋り方するな…しかもなんか調子乗ってるし。


「ということはもしかして昨日森山神社にいたあの家出少女なのかお前!?」


「ふん、やっと気づいたようね。現界した私は体力がなくてね、ほぼずっと寝てたわ。あなたが森山神社に来た時はびっくりして起きたんだけどミスって足滑らして気から落ちて気絶しちゃったんだけど」


「とんでもなくドジな神様だなおい」


この神様はギャルでドジな神様らしい。たしかに俺を間違って殺すくらいだ。でも自分の神の能力をほぼ削って俺を生かしてくれたことに対してはこの神様の優しさを感じる。


「さてそろそろ時間が来たようね。そろそろ異世界へ行きましょう!」


「おいおい急展開すぎる!?まさかこのまま俺を1人で異世界へ投げ込むつもりじゃあないだろうな…?不幸体質だからこういう可能性も十分あり得ると思っているけど…」


「なっ…!私そんなにひどい神様じゃないわよ!この国のアニメや漫画には確かにそう言った理不尽で無責任に異世界に転生する物語もあるけど、私はちゃんと自分の責任は自分でとるわ!」


「お前、アニメとかに詳しいのな…」


「当然よ、この国のアニメは面白いもの。特に異世界転生ものね!最近人気の!でも私たちがこれから行くのはアニメでも漫画でもないマジモンの異世界よ、マジモンの異世界転生よ?いい?」


「やけに楽しそうだな…俺はもう色々ありすぎてよくわからないよ」


「そう落ち込まないで。異世界には私が一緒について行く。そしてあなたが謎の女に殺された理由、あなたの不幸体質。これらは全てある原因があると思っているの。だから私と一緒にこの原因を探して解決して晴れて現実世界へ戻るの。いい?完璧な計画だとは思わない?」


はぁ、俺はなんと不幸体質ゆえに2度殺されてこれから異世界へ転生するらしい。しかも神様と一緒に。


こんなめちゃくちゃな物語がどこにあるだろうか…


俺はこれから一体どうなっちゃうの!?

本編に入りました。


少しでも面白いと思ってくれた方、つまんな!と思った方、何も思わなかった方、ここまでスーッとスクロールしてしまった方、どなたでもブクマや評価やレビューなどなど大歓迎&募集中です!よろしくお願いしますm(*_ _)m

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