第009話〜怪狼・フェンリル〜
〜〜登場人物〜〜
ルノ (氷の魔女)
物語の主人公。見た目は十八歳の不老不死の魔女。少し癖のある氷のような美しい髪が特徴。氷の魔法が大好きで、右に出る者はいないほどの実力。
サトリ (風の魔女・風の双剣使い)
ルノの友達。綺麗な緑色の髪をお団子にした、カフェの看板娘。風の魔法・双剣の扱いに関してはかなりの実力者。
フユナ (氷のスライム)
氷漬けになっているところをルノに助けてもらい、それ以降はルノの魔法によって人の姿になって一緒に暮らしている。前髪ぱっつん。
カラット (魔女・鍛冶師)
村の武器屋『カラット』の店主。燃えるような赤い髪を一つにまとめた女性。彼女の作る武器は例外もあるがどれも一級品。
カラッと晴れたある日の朝。
私とフユナは夏の暑さから逃れるように、ヒュンガル山に山菜狩りをするためにやって来ていた。
いつかのように引き篭もって氷づくし生活も悪くないが、あれをやってしまうとダメな人間になってしまいそうなのでたまにはこうしてアウトドアに勤しむのも悪くないだろう。また風邪を引いても困るしね。
「何より森のひんやりとした空気も捨て難い。お、サンサイ発見」
「こっちにもあるよ。これは食べられるやつ?」
「それは……ナツノサンサイだね。この時期が旬だよ」
「やった、沢山あるよ!」
「おぉ、ナイスだよフユナ!」
最近の暑さときたらそれはもうかなりのもので、それこそ生タマゴを割って放置しておけば目玉焼きが完成する程度には暑い。つまりお肉などのガッツリ系は喉を通らないのでこうして山菜狩りに来るのも必然と言えよう。
「ルノ、これは? すごい真っ赤っかだよ」
「それも旬の山菜だね。アカイナツノサンサイだよ」
「なんか似たような名前だね」
「そう? ちなみにあそこにあるのはアオイナツノサンサイで、あっちはキイロイナツノサンサイ。ヒュンガル山は山菜の宝庫だね」
「やっぱり似てる……」
捻りのない名前にフユナが呆れているが、決して私が名付けたのではないのでどうにもならない。その辺は今度サトリさんに問いつめてみるとしよう。
兎にも角にも、そんな感じで歩き回ると一時間ほどで山菜を入れた籠はいっぱいになった。こりゃしばらくは山菜づくしだな。
「ルノ〜〜もう籠に入らないよ?」
「そうだね……よし。お昼にはまだちょっと早いけど川に行こっか」
「川? お魚でも捕まえるの?」
「あ、それもいいね。それじゃ山菜と魚、川辺でバーベキューといこうじゃないか!」
「バーベキュー?」
「そ。今採った山菜をその場で焼いて食べるの」
「わーーい、楽しそう!」
「そうと決まればレッツゴー!」
「おーー!」
山菜籠を抱えて『ピューー』っと山道をかけて行く私とフユナ。あっという間に近くの川にやって来たのだが、これがまたいかにもバーベキューと言った感じの河原だった。予想通り!
「うわぁ、綺麗だね!」
「うんうん。けっこう暑くなってきたし、あとで水浴びもしようね。でもまずは……」
「???」
私は川に背を向けてその辺に茂みへ。そして落ちている手頃な枯れ枝を拾い集めて戻ると、河原にある適当な石を積んで小さな竈を作成し、先程集めた枯れ木を放り込み火を点火。
「そして網をのせれば完成!」
「それでサンサイを焼くの?」
「その通り。さぁ、どんどん焼くよ!」
「おーー!」
こうして始まったちょっとしたバーベキュー。パチパチと弾ける火の音が雰囲気をより一層引き立ててくれた。
「んーー! 香ばしい良い匂いがしてきたね」
「もう食べていい?」
「ちょっと待ってね。仕上げに塩をパラパラっとして……よし完成。んじゃ食べよう!」
「いただきまーーす!」
森の中でとれた山菜をその場で焼いて食べる。たったそれだけのことなのに驚くほど美味しかった。これこそ自然の力、自然の恵。山の幸最高!
「んーーうまうま。たまにはこういうのもいいもんだね」
「ねぇねぇ、これ食べたらお魚捕まえにいこうよ」
「そうだ、すっかり忘れてたね。どっちが先に捕まえられるかなぁ?」
「む、負けないよーー!」
こうして休む間もなく始まった魚取り勝負。
冷たい川の水が日差しに照らされた身体を程よく冷やしてくれることで更なる活力を与えてくれる。自分で言い出しておいてアレだが、私の頭の中では勝負の事などどうでも良くなり、川遊びに夢中になる姿はまるで子供のよう。それはフユナも同じだった。
なんて思っていたら――
「氷槍・フユナ〜〜!」
「え?」
突然響くフユナの詠唱。そして川から突き出す氷の槍。その先端には見事に一匹の魚が捕えられていた。これは一体?
「わーーい! 捕まえたよ! フユナの勝ちだね!」
「なっ!?」
私の負け。フユナは勝負の事をしっかりと覚えていました。
「くぅ……悔しい! けどフユナの成長は嬉しいな。魔法を教えたのはついこの前だというのに……器用になったもんだね」
私の目の前では自分の手足のように魔法を操り、次々に魚を捕らえていくフユナの姿がある。実に楽しそうだ。
「ルノーー! このお魚も焼いて食べよう!」
「よっし、任せなさい!」
ということで、山菜に続き魚も焼いて食べることに。同じく塩をまぶして焼いた魚はホクホクの身が実に美味で、遊び疲れた身体には最高のエネルギーとなった。余ったものは家用に凍らせて持って帰るとしよう。
「ふぅ、ごちそうさま。食料も集まったし事だしそろそろ帰ろうか?」
「うん!」
楽しい時間はあっという間。火の後始末をした私達はその場をあとにしました。
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そしてその帰り道にて。
「ルノ、見て見て。あそこに洞窟があるよ」
「ほんとだ。けっこう大きいね」
フユナが指さす方に目を向けると、山が大きく口を開けたような洞窟がある。二階建ての我が家ですら入ってしまいそうなサイズの入り口から察するになかなかの大きさなのだろう。
あの中には一体何が――
「じろーー」
「うわ……ととっ」
私達は手を繋いで歩いていたのだが、洞窟を見つけた途端にフユナが打ち付けた釘のように固定されてしまったおかげでついよろけてしまった。同時にその興味津々な姿を見て笑いがこぼれてしまったのは言うまでもない。
「ふふっ。そんなに気になるなら行ってみる?」
「え?」
「顔に『行きたい』って書いてあるよ。ほら、行こ!」
「うんっ!」
道から少々外れた場所。陽の光に照らされた洞窟の入り口に到着すると、そこには真新しい看板が立てられていた。『怪狼・フェンリルここに眠る』と書いてある。
「怪狼・フェンリル……フェンリルって確か狼みたいなやつだよね」
「狼ってこんな洞窟にいるものなの?」
「うーーん『眠る』って書いてあるくらいだから封印されてるとかそんな意味合いだと思うけど……」
「行ってみようよ。狼さん見てみたいな」
「まぁいいけど……私から離れないって約束できる?」
「うん、約束する。ルノにくっついてるね!」
「ポッ」
フユナはそう言って繋いでいた手を、空いていたもう片方の手でさらに握ってきた。やだ、ちょっとドキッとしちゃった。
「大丈夫? 顔が赤いよ?」
「コホン、なんでもないよ。それじゃ行こっか。いざとなったら全部氷漬けにしてフユナを守ってあげるから安心してね」
「うん!」
こうして興味本位の軽い気持ちで始まった洞窟探検。入り口の大きさからもお察しだが、道はかなり広めでこう言っていいのか分からないが、なかなかの開放感があった。
「思ったより歩きやすいね。これなら迷う心配は無さそうかな」
「あっ。見て、ルノ!」
私達が辿り着いたのは一際大きな部屋。
フユナが手で示した先には白銀の体毛が実に見事な巨大な狼――怪狼・フェンリルが文字通り眠っていた。首輪と、口に巻き付けられた鎖が封印の厳重さを物語っている。
「おぉ、なんかそれっぽい。結構ガチなやつかもね。てか何あれ。モフりたい」
「大きいね……生きてるのかな?」
そんな事を話しながら呆然と眺める私達の目の前では、ピクッっと返事をするかの如く耳が動いた。起こしてしまったかな?
「こっち見てる。あの……ごめんね?」
「だ、大丈夫かな……?」
どうやらこの封印は意識を奪うなどの類ではないらしく、縛られていること以外は至って健康。私達の声で起きたらしいフェンリルはというと――
「……(カリカリ)」
「ルノ。この子、紙に何か書いてるよ?」
「うん。なかなかシュールだね。どっから出したのかな」
フェンリルの奇行に目を奪われること数秒。
「……(スッ)」
「読めってこと?」
「……(コク)」
「左様ですか……」
色々と突っ込みたいがそれは後回し。フェンリルが差し出してきた紙には『お前は誰だ。何の用だ?』と書かれていた。狼だから仕方ないのかもしれないが字が少々汚い。
「私はルノです。何の用……えーーっと、来たのはまったくの偶然。ちなみにこっちのかわいい子はフユナ」
「こ、こんにちは」
返答を聞いたフェンリルはチラチラっと値踏みするかのように私とフユナを交互に見る。
「……(カリカリ。サッ)」
「あ、はいはい」
とりあえず会話をする意志はあるようだ。
『助けてくれ』
「ふむふむ、その首輪ですか」
『魔力が込められた特別製だ』
「ふーーん……たぶん私なら壊せますよ」
『ぜひ頼む』
「とは言っても、そもそもなんで封印されてるのかも分からない私にはそれをしていいのかの判断ができないといいますか……」
『大丈夫だ。こんなモフモフに悪人はいない』
「自分で言っちゃうんですね。助けた瞬間、捕食しようとしたりしませんか?」
『もちろんだ』
「ふむ……」
その筆談を最後にフェンリルがニヤリと笑った。この顔……おそらくは解放させてから捕食する気なのだとは思うがそこまで言うのならひとまずは――
「信じますよ」
最悪、襲ってきたら氷漬けにでもしちゃえばいいしね。
『嘘はつかん』
「分かりました」
という訳で、私はモフモフの巨大に背中から登って首元へ辿り着くと、そのままフェンリルの首輪に手を当て、込められている魔力と同じだけの魔力で相殺して破壊した。なかなか強力な封印だったみたいだが私にかかればちょちょいのちょいだ。
「ってことで任務完了。よいしょっ……と」
「おかえり、ルノ」
「ただいま。狼さん、終わりましたよ」
「……(ニヤリ)」
「はいはいフユナ〜〜ちょっと向こうまで行こうね〜〜」
「わっ、わっ……! なになに?」
封印の中心となっていた首輪を破壊したことで、口の鎖まで綺麗に消滅。縛るものが一切無くなったフェンリルは先程と同じような悪い笑顔を浮かべた途端にゴシャ! 地面が爆ぜるほどの加速をもって一気に距離を詰めて来た。
その行動が意味するのは――
「馬鹿め!」
ほらね。やっぱり襲いかかってきた。
「せっかく助けてあげたのに。はい、カチーーンっと」
「ぐはっ!?」
私は呆れながら氷の杖を生成。詠唱。一瞬の内にフェンリルの手足を氷漬けにし、先程よりも強力な封印を完成させた。
「ルノ……すごい……!」
「ふふ。フユナを守るためなら手は抜かないよ。さてと」
「貴様、その魔法……!?」
「喋れるなら話が早いね。このまま氷漬けにしても良かったけど……どうする? 会話をする気があるならとりあえずはこれで勘弁してあげるけど」
「ぜひお話しましょう」
「はい、素直でよろしい」
こうして、すっかり大人しくなったフェンリル。冷静になればそれなりに話せるもので、会話自体はスムーズに進んだ。
「ふーーん、捕食しようとしたらその人がまさかの魔女でここに封印されてしまったと。自業自得だね」
「なんせ空腹だったもので……ぐす」
「ちょっと、泣かないでよ……私が虐めてるみたいじゃない。よしよし……あ、モフモフ♪」
「いいなぁ。フユナもやる〜〜!」
突如始まるモフモフタイム。前述の通り、このフェンリルは白銀の巨大モフモフという事でその癒し効果は計り知れない。少なくとも私とフユナはすでにメロメロだ。
「まぁでも大方の理由は分かったよ。生きるための捕食ならまだ同情の余地はあるね。この辺スライムばっかりだしお肉を食べたくなるのも分かる」
「それじゃあ!?」
「だからといってフユナのことはもちろん、私自身だって食べられてあげる気なんて無いからね」
「ごもっとも……」
「ルノ。それならこの狼さんどうするの?」
「このままって訳にもいかないし……食料だね。ちょうどお肉なかったし」
「「ひどい!」」
フユナとフェンリルの声がハモる。なんか私が悪者みたいになってるな……
「けど、あなただってこのままここにいるのは嫌でしょ?」
「はい」
「だから食料になるのが一番。私達の血肉になるといいよ」
「悪魔!」
「あ、あの……ルノ? この子、連れて帰れない?」
フユナが恐る恐る、そんな提案をしてきた。たしかにこのモフモフを癒し枠として家に置くのもアリではあるが……
「それもこの恩知らずの狼次第かなぁ。私、捕食されそうになったし」
「もうしません! たぶん二度と! どうかお助けを!!」
「『たぶん』がなきゃ良かったのに。君、自分の住処はないの?」
「はい、我々の種族は一匹狼。常に移動を繰り返しているもので」
「そうなると大人しく帰ってとも言えないわけか。……決めた。なら、契約を結ぼう」
「契約……?」
「そ。別に複雑なものじゃないよ。危害を加えない。それさえ守れるなら連れて帰ってもいいよ」
「それで構いません!」
「うむ、よろしい。そういうことでいいかな? フユナ」
「うん! ありがとう、ルノ!」
「決まりだね。じゃあ契約の証として今からあなたに魔法陣を描くよ。危害を加えようとしたら氷漬けになるから気を付けるように」
「肝に命じておきます!」
「よし。んじゃおでここっちに向けてくれるかな」
「ははーー!」
そういう訳で、私はフェンリルの額に魔法陣を描いた。毛むくじゃらで描きにくいな……
「ほいほいほいっと……はい完成。自分で言うのもアレだけど、並大抵の魔法陣じゃないから消そうとか考えない事。それやろうとしても氷漬けになるからね」
「分かりました! あの……」
「ん、なにかな?」
「できれば何か食料を頂けないでしょうか? そもそもこうなったのも空腹が原因でして……」
「あぁ、そうだね。それなら……フユナ。またさっきの川に戻ろうか」
「うん、お魚沢山あげよう!」
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洞窟を出た私達は『一瞬で到着しますのでお乗りください!』というフェンリルの提案から、背中に乗って移動することになった。先程の奇襲は私だから事なきを得たが、あの人外の脚力による超加速は確かに凄まじかった。それを移動に使うと言うのだから相当にお腹が減っているのだろう。
「おぉ、速い速い! 流石はフェンリル!」
「楽しいーー!」
「これくらい朝飯前です!」
有言実行とはまさにこの事。件の川には歩くのが馬鹿らしくなってしまうくらいに早く到着してしまった。
「はい、ご苦労様でした」
「ありがとねーー!」
「ガウガウ!」
私とフユナはご褒美としてフェンリルを撫でたのだが、その際には目を細めて実に気持ち良さそうな顔をしていた。お腹減ってたというだけで意外といい子なのかもね。
「とりあえずその辺の山菜でも魚でも好きに食べて腹ごしらえして。暴食は身体に悪いから程々にね」
「ははっ! それでは遠慮なく!」
返事をするや否や、フェンリルは走り回って山菜やら魚やらを食べ始めた。明らかに暴食だが、かなり飢えてたらしいので今日くらいは見逃してあげよう。
「これから大変になりそうだねぇ」
「うん。私達でしっかり育ててあげないとね!」
フユナはもう完全にペット感覚でフェンリルを眺めているが、その辺は私も似たようなものだ。魔法陣による対策もしたし、そこまで悪い子じゃなさそうだから特に心配は無いだろう。
「ふう。安心したら私もお腹空いてきちゃったな」
「じゃあまたバーベキューやろうよ!」
「お、ナイスアイディア。フェンリルも呼んで一緒にやろうか」
「うん! おーーい、おいで!」
「ガウガウ!」
ズザザーーっとものすごい勢いでフェンリルが戻ってくる。まだまだ食い足りんということか。
「君はほんとによく食べるねぇ。はいどうぞ。火傷しないでね」
「ありがとうございます!」
「はい、お魚も焼けたよーー!」
「いただきます!」
そんな感じにひたすらガツガツとフェンリルの食事は続いた。ごちそうさまをした頃にはモフモフのお腹がぽっこりと膨らんでいて至高の枕が完成していた程だ。
「久しぶりの食事……! とても懐かしい味がしました! ありがとうございます!」
「うん、それなら良かったよ。でも懐かしい味って……バーベキューした事あるの?」
「いえ、なんとなくそんな気がしただけです」
「ズコッ。なんかテキトーだなぁ……」
「ゲラゲラ!」
まったく、このフェンリルは。ボケる程度には馴染んでくれたと考えておこうか。
と言うか――
「君、名前はないの? 今更だけどフェンリルっていうのは種族名だよね」
「名前などございません。よろしければお好きなように名付けていただいても構いませんぞ!」
「ふむ。名前はあった方がいいからそうさせてもらうよ。でもどうしよう……こういうのっていざ決めるとなると悩むんだよなぁ」
「じゃあフユナが決めてあげる。……グロッタね!」
「おぉ、なんかかっこいい名前」
「ははっ、このグロッタ。フユナ様、ルノ様のために身を粉にして働きます!」
「いや、そこまでしなくていいよ?」
「う、うん……」
私とフユナはこの忠実すぎるフェンリルに若干引いた。
「ま、何はともあれこれからよろしく頼むよ。グロッタ」
「よろしくね。グロッタ!」
「ははっ! こちらこそよろしくお願いします!」
こうして、山菜を採って帰るつもりがフェンリルを連れて帰るというまさかの展開となった。私達は帰りもグロッタの背中に乗せてもらったのだが、これがまた最高に気持ち良い。この乗り心地は癖になりそうだ!
「グロッタ! もっと早くーー!」
「お任せ下さいフユナ様! ではさらに倍速で!」
「うわっ!? ちょ、ちょっと! 程々にね!?」
新たな家族。
怪狼・フェンリル。
恐るべし。
その翌日。
もぬけの殻となっていた洞窟では――
「私の素材が……消えた……グスッ!」
一人の魔女が泣いていたのはまた別のお話である。