表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/132

前夜暗闘14



「キズキの視点から語ったが、どうかな。一応、残っている証言もあるけれど、状況を大きく変える様な事実は無いと考える」ワワさんは一度、会話に足踏みを用意する。


「確認なんだけれど、そこに出てきていない人は関与しなかったという事で良いんだよね?」


「あぁ、永遠は自室に篭って作業を続けていたと言っているし、堂山銅鑼という迷宮にいた大男は地下に居たはずだ。こちらは確認は取れていないが、地下への鉄格子は21時には閉まる。出入りが出来なかったという意味だ」


 状況自体は理解はできた。場面が起きたのは3箇所で僕がいた庭園、四罪ヶ楽王断の部屋、四罪ヶ楽小断の部屋である。


 彼らの意見にそれぞれ噛み合わないところはみたところは無い。そもそもその場所に来ていない人物の動きは分からないけれど、塔の上に登れば誰かに見つかるであろうこの状況では関与する事は不可能である。


 犯人とやらに狙いがあって、この状況を引き起こしたとするには些か自然すぎる。……いや、引き起こしたのは怪盗か。流されているのは周りの全ての方。


「京介、特に違和感は無いだろう?怪盗は私の所持品を盗み、自分の行動の足跡を残し、最後に部屋に証拠を残した」


 計画性は極めて高い。けれど、僕はこれが計画の部分とアドリブの部分で構成されている事を知っている。


 僕は自殺計画を彼に邪魔された訳だが、その計画内容を知っていたのは春花車菊花さんだけだったのだ。僕ですら、その様に方法が定められた事を知らなかった。


 彼は部屋に『ホンモノ』、『四罪ヶ楽』という何かを盗りに来ていたが、暗躍する何者か、それか動きをその場で捉えた。そして偶然、僕の自殺計画を止める事も出来る状況だったから止めた。


 彼女の所持品を先に盗んでいたのは何かを予感していて、託す可能性を彼女に賭けていたから、と。


 ……可能性としてはこの筋が今の所は固いのか?


 この推理は彼女に話す事は出来ない。僕が自殺を計画していた事は話す事は出来ないのが理由だ。だから簡潔に誤魔化す。


「違和感は無い。動きとしては全くね。それでもやはり、怪盗の行動には釈然としないところがある」


「ふむ、どの辺が気になる?」


「……怪盗には目的があった。だからあの部屋に入って行った訳だ。けれどキズキ君の証言から目的の物は無かったって分かる、つまり志半ばなんだ」


「目的以上の必要が出たという事か。それが彼からの手紙に残されていた『全てが水泡に帰す』という事なのか」


「この島から帰るのは2回の夜を越えた朝だ。時間が無い訳では無かった。昨日の夜だったのは『全てが水泡に帰す』までに時間が無かったからだ。事は、すぐにでも動き出すかも知れない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ