プロローグ
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「アリアさーーーーーーーーーん!?」
思い切り飛び込んだ扉の向こうには……地面がなかった。
あるのは底知れぬ深淵への入り口、つまるところ何もなかったのだ。
なんでダンジョン・地下100層のラスボスを倒した後に出現した扉の向こうが底の見えない奈落の大穴なのよ!
ふざけんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉぉ!
あのクソモンスター、最後の最後に最悪のプレゼント置いてきやがったぁぁぁ!
闇に消えていくわたし、そして、それを心配そうな顔で見つめる仲間たち。
運が良かったのか悪かったのか、わたしを除く3人の仲間は落ちる前に扉の向こうの異変に気付き踏みとどまることができていた。
(わたし以外の)パーティーメンバーは全員無事だったのだ。
「ってそんな訳にはいかないわ! 道ずれにしてやるぅぅぅぅぅ!
呪縛の鞭<バインド・ウィップ>!」
「え、ちょっ? イヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
残り少ない魔力を絞り出し、魔法の鞭を召喚した。
その鞭は上で心配そうにわたしを見ていた少年の足に絡みつき……奈落へと引きずり込んだ。
「ちょっと、アリアさん何やってんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
道づれにされた少年の悲痛な叫びが暗闇に響く。
「だって、だって、こんな暗い穴の中に1人で落ちていくなんて怖かったんだもん! あなたも男でしょ! だったらか弱い女の子を守るために自ら飛び降りるくらいの気概を見せなさいよぉぉぉ!」
「僕を道連れにするだけの魔力が残っているんだったら飛行<フライ>の魔法を使えばよかったじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「だって、だっ―――――あっ……(察し)。 テヘッ!」
「イヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
わたしと少年は二人の仲間とはぐれ、奈落の底へと落ちていくのだった……。




