↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に降り立った俺は、ただ己の欲のままに玉座を奪う。  作者: レイ
【序章】支配の為の物語
1/6

第1話 支配の為の第一歩

 渋谷のスクランブル交差点。

 平日と同じく、人混みが激しい。

 そんな中、俺は特に意味もなく東京を歩き回っていた。

 何か、満たされない気がしたからだ。


 皇《スメラギ》征矢《セイヤ》。それが俺の名前だ。

 俺は至って普通の大学生。

 考えは普通ではないかも知れないけどな。

 俺の夢は、世界全体を支配する事だ。武力ではなく、経済などでの話だ。

 ま、武力も十分に欲しいが。


 ただ、俺の夢なんてのはこの日本なんかじゃ到底叶うはずがない願いだ。

 日本に生まれた時点で、俺の夢は既に打ち砕かれていたのだろう。

 せめてアメリカとかなら、少しでも希望があったかも知れない。

 そんな、叶うはずのない夢に希望を抱きながらも今日を生きている。

 もし、領土が有り余っている異世界で生まれていたら、現実的に可能だったかもな。

 そんな俺の不運を恨む。


 そう思いながら歩いていたら時、スクランブル交差点の人混みに紛れて銃が発砲された音が周囲に響き渡った。

 その数秒後、辺りは混乱に包まれた。

 人を無理矢理退けて逃げようとする人。

 恐怖して叫ぶ人。


 俺はと言うと、突然のことに驚いてしばらく固まってしまった。

 誰だって、急に銃声が鳴り響いたら動きが固まるだろう。俺は、それがただ長かっただけだ。

 だが、その硬直が命取りとなったのか、再び鳴り響いた銃声とともに俺は頭を撃ち抜かれた。


 そして、その時に俺は感じた。


 俺なんかが、世界を支配できるわけがない。


 生まれた場所が、例えアメリカだろうと異世界だろうと、俺は世界を支配することは不可能だっただろう。


 俺は、銃声で固まってしまう程度の臆病者なのだから———。


 でも、俺は諦めなかった。


 せめて、来世は世界を支配する。


 絶対に、成し遂げてやる———



 こうして俺、皇征矢の人生は幕を閉じた。


 かのように思われた。


 実際に俺も完全に死んだと思っていた。


 頭を撃ち抜かれた後の俺は、ゆっくりと眠りについた。


 しかし、妙に意識が長く続いている。


 本来なら、既に意識が無くても当然なはずである。


 そのような事態に、俺は違和感を感じた。


 そして、希望なんて無いとわかりながらも、目を開いてみた。


 なんと言うべきだろうか。


 俺の目に入ってきた情報量は、脳がショートするかと思うほどに膨大であった。


 なにせ、スクランブル交差点なんかではなかったのだから。

 目の前に広がる光景は、一言で言うと絶景であった。

 綺麗な森林が広がり、その奥には野原。東側には広大な海があり、西側にも森が広がったいた。

 俺自身は、とても大きな木の、太い枝の上に座ったいた。

 何が起きたのかわからない。

 確かなのは、俺が死んだこと、そしてここが日本では無いと言うこと。


 俺は近くにあった水たまりで自分の体を見て、驚愕した。

 姿が違う。

 元の俺の姿では無い。

 どこか女のように見える男?男に見えるような女?の姿になっていた。

 中性的な姿と言えば良いか。

 髪型も謎に黒のマッシュウルフになっている。下に向かうにつれて徐々に青くなっている。なんてこった。目は若干赤っぽいし、なんだこの見た目。前世とはかけ離れすぎている。

 身長も、下がりに下がって体感158センチくらいになっていた。

 年齢だと、12歳くらいの見た目をしている。


 何が起きたのか、その時の俺には一切分からなかった。

 死んだはずの俺が、目を開けたら日本では無いどこかに居て、自分の見た目は変わっている。


 後に俺が出した結論は、異世界転生であった。

 なぜ成長している見た目なのか、何故こんなところにいるのか、それらの要因は一切分からない。

 でもまぁ、とりあえず異世界転生したってことで片付けたのだった。

 これ以上考えると、脳が壊れそうな気がしたからだ。


 何も考えず、まずは木の下に降りてみた。

 状況を把握するのは後回しである。


「っと……」


 なんとなく予想できていたが、当然のように声も中性的な感じだった。


 降りたところで、周りに広がっているのは、時々日が差しているだけの森だった。


 少し歩いてみた。

 道が整備されている訳でもない。

 誰か人がいた痕跡がある訳でも無い。

 ここはとても静かな森である。

 葉が風に揺られている。

 それ以外に聞こえるのは、俺の足音。

 都会にずっと住んでいた俺にとって、このような静かな世界は、あまりにも幻想的な世界であった。


 と、その時俺は一つのことを思い出した。


 俺の夢———それは、世界全体を支配すること。

 この異世界なら、できるかも知れない。

 俺が世界を、この異世界全体を。

 全て自分が支配することが出来る可能性がある。


 希望があるだけ良い。

 少なくとも、国を建てる事はできるだろう。

 例えば、他の国の業者さんとかに頼んで。

 金は相当必要だろうが、それすら希望が見えた俺の前では霞んだ。


 希望を見つけた俺は、すぐさま行動へと移るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。