魔獣討伐 2日目 イレギュラー
2日目の朝
代わる代わるで見張りをしながらトータル6時間くらいは寝ただろうか
朝陽が出始める前に活動を始める
理由は
魔獣は意外と夜中ではなく日中に活動する事が多いらしいからだ
なので実は夜中は安全だったりする
そのため見張りも2人ずつではなく1人ずつ交代でやっていた
そんなこんなでそれぞれそれなりの睡眠時間を確保出来たのだ
「オーブリー今日はまた東の方に向かうんだよね?」
「そうね!昨日戦った辺りまで行ってみましょう」
昨日の夜中の作戦会議は
けもの道的なモノがあるかもしれないから
という理由で昨日戦闘をした場所まで行って様子をみる
というモノだった
そして攻撃方法は魔獣が攻撃を仕掛けてくる前に倒す
迎え打つのではなく
ジャックが抑え俺とルークとニアが斬りかかる
ニアの話によるとあのイノシシタイプの魔獣ならニアの刀は攻撃がとおるらしいので
俺とルークはまた目をニアは身体を攻撃
オーブリーが補助魔法の後にとどめを刺す
こんな感じの作戦になった
ただ果たしてニアの刀がどこまで通じるか…
まぁイレギュラーは付き物だから油断せずにいかないとな
そんな事を考えていると目的地の場所に近づいてきた
陽はようやく昇り切ったところだ
「みんな!何が起こるかわからないから油断せずにいきましょう!」
オーブリーが木の上からリーダーとしてのひと言を伝えると同時に
今までの和気あいあいの雰囲気からピリッと
ひりついた空気に変わる
「ここで様子をみましょう」
先日戦闘があった少し手前で身を潜める
俺もオーブリーの近くの木の上に飛び乗り周りを見渡す
見える範囲には魔獣の気配はない
全員がしばらくその場で待機していたが
2時間程度か陽が少し傾き始めたころようやく魔獣が現れる
昨日の魔獣よりも少し大きめだ
「オーブリー!」
小声でオーブリーを呼び指を刺す
「オーケー!」
「みんな北東約30メートル先!」
と、オーブリーも小声で全員に通達する
「ファストレイ!」
「ファストレイ!」
「ファストレイ!」
オーブリーが俺とルークとニアに魔法を施す
これが当たり前なのだがパーティ全員同時に魔法を施す事が普通は出来ない
ソフィアと行動する事が多いのでそれが当たり前のようになっているが普通は1人1人にかけるものなのだ
俺も地上に降りゆっくりと魔獣に近づいていき
全員が目の前の魔獣を視界に捉えると
ガサガサガサ!
後ろの方からの物音に全員が反応する!
全員身構え振り向くとそこには更に大きな1本角のイノシシの魔獣がいた雄個体だ
挟まれた!
いや、この状況は挟まれに行ったという方が正しいか……
自分達の行動の不甲斐無さを感じる
後ろの魔獣は足場を慣らし今にも突進してきそうだ
それに対して前方の魔獣はようやくこちらに気付き臨戦態勢をとり始める
一瞬どちらかを先に!?
と考えたがこの状況で連携が取れる気がしない
逃げの一択か?
ふとオーブリーを見上げる……
そのオーブリーを見上げるまでの間にニアが一瞬視界に入る
日本刀を前傾姿勢で構えいつものフンワリしたニアが微塵も感じられ無い尖った気配
「月影流居合……『赤光』…」
そう声が聞こえてオーブリーに送った視線を戻した時にはそこにニアの姿はなく
魔獣の体に水平に赤い閃光が刻まれ
ニアは魔獣の直ぐ横まで移動していた
日本刀をッピ!と美しく振り払うと魔獣のものであろう血が日本刀からきれいに払拭された
その場にいた全員が何が起こったか分からなかったが結果だけがそこに残っていた
魔獣の膝が折れ綺麗に上に乗っていた上部がズルっと滑り落ちピクリとも動かなくなった
何事もなかったようにこちらを振り向いたニアは
「…またメガネ…曇っちゃったら……困るから…」
と言って指を刺した先には
もう1匹の魔獣がファイアーボールを唱え始めていた




