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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
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闇夜の使者(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 午後9時。京介に夕食をご馳走してもらった未来は、念のために護衛してくれている龍と一緒に帰路についていた。

 が、子供が親の死をすぐに乗り越えれるわけがなく、未来は食事があまり喉を通らなかった。

 彼女の様子を心配していた龍だったが、その一方ではたして自分も親が死んだ時こうなるのか? と、帰り道を歩きながら熟考した。


 無論、あの両親である。考えたところで答えは見えていると結論付けた龍は、自分より犯人が狙ってるかもしれない未来のことを第一に考えた。


「あ、あのさ。良かったら僕、朝まで側にいようか?」


「え?」


「ほら、世の中物騒だし、僕がいることで少しでも未来さんの不安を取り除くことができるなら……」

 龍の申し出を聞いた未来は、彼の存在が心強く思い快諾すると、安心感を求めてか、龍に手を握ってもらった。

 手を繋ぐ2人の様は実に初々しく、まるで初めてのおつかいか、初デートをする恋人のようであった。


 と、そんないいムードをぶち壊しにするかのように、近くの物陰からボウガンの矢が飛んできた。

 すんでのところで龍が未来を抱えてかわすと、夜道の闇から黒ずくめの服を着た集団がゾロゾロと現れ、2人を包囲した。


「ほう。あれをよけるとは、見事だな」

 ボウガンを手にそう言うリーダー格の男を見た2人は、殺されかけたせいもあり、すぐに悟った。


「あなた達ですね? 未来さんの両親を殺したのは」


「いかにも。自己紹介がまだだったな。私は特務機関『ブラック・ナイト』のナンバー2・(からす)。そして彼らは我が組織の平隊員・(かげ)だ。以後お見知り置きを」

 鴉の言葉を聞いた龍と未来は、馴染みの無いブラック・ナイトという組織名にピンとこなかった。


「知らないといった感じか。それもそうだろう。我々ブラック・ナイトは、人類の発展を促すことを目的としている秘密組織でね。世間一般には知られていない」


「いいんですか? 秘密組織なのに僕達にペラペラ喋って」


「ふっ。冥土の土産というものさ。死ぬ運命にある君達に何を言っても同じことだろう? さて、では本題に入ろうか。叶未来。両親に託されたデータを我々に渡してもらおう」

 鴉にそう要求された未来は、彼らがその情報を掴んでることに少しびっくりし、


「お断りします! あなた達は悪い人だから」

 と、拒否した。


「そうか。そんな聞き分けのない子には死を与えるとしよう。1人だけ死ぬのは寂しいだろうから、ボーイフレンドもまとめて、な」

 そう言うと鴉は、包囲している影に武器を構えるよう指示を出した。

 ブラック・ナイトの構成員は基本的に影と名乗るよう統一されてますが、鴉のような実力者や役職を持つ者は、黒っぽい色の生き物のコードネームを独自に名乗ることが許されています。

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