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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
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青龍vs黒龍(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 暗い体育館に響く鈍い打撃音と銃声。


 トンファーが床や壁を砕く音。


 それら全てが、両者が繰り広げる激しい戦いを外にまで雄弁に語っていた。

 しかし、その内容はというと、やはりと言うべきなのか、龍の防戦一方であった。


 それもそのはず、いくら紋章の効果で運動能力が上がっていても、所詮は子供。30半ばの大人である黒龍相手では、リーチや体力に差がありすぎる。

 それを利用されて、龍の届かない位置から攻撃され、長期戦に持ち込まれたら、彼に勝ち目は無い。

 加えて、黒龍は武器をいくつも装備しているのに対し、龍は未来を助け出すことしか考えていなかったため、全くの丸腰。武術もかじっていない彼では、こうなるのは目に見えていた。


「非力だな、少年。それでは生き残れないぞ? この世は弱肉強食だからな」


「それは、あなたの勝手な理屈です!」


「どうかな? 強者こそが人を導ける。秩序や技術を独占できる。弱者はこうやって……痛めつけられる運命にあるんだ」

 黒龍はそう言いながら、トンファーで龍の手を払うと、龍鱗腕で抉った胸を足の裏で蹴った。

 直後、龍の体に電気が走った。蹴った瞬間放電する靴・スタンガンブーツの一撃。黒龍はまだ武器を隠し持っていたのだ。


「反則と言いたそうだな? だが、敵に手の内全てを教えるバカはいないだろう。それに、戦闘とは万全の態勢で挑み、敵を倒すことに全力を尽くすものだ。そこに反則や卑怯があると思うか?」

 道理とも言える戦いの持論を振りかざす相手に、龍は懸命に立ち向かったが、黒龍はそれからも投げナイフやブレードブーメラン等を用いて彼を翻弄した。


 完全に黒龍のペース。なんとか打開したい龍だったが攻めきることができず、追い詰められた末、トンファーで軽々とドアめがけてぶっ飛ばされてしまった。

 人を殺すのに大切な要素その2。技量の有無。

 いくら自分に合った武器を見つけても、それを一流レベルまで使いこなせなければ、仕留めきれません。

 もちろん。これだけの持論を説くだけあって、黒龍の技量はかなり高いです。

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