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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
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青龍vs黒龍(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 と、その時、舞台の照明が消え、闇の中から黒龍が奇襲をかけた。

 その殺気を感じ取った龍は、紙一重で彼のトンファーを手で止めた。


「すまんな、気が変わった。やはり君達を殺すとしよう」


「元々そのつもりだったんでしょう? やっぱりあなたは最低だ」


「人のことが言えるのか? 同じ人殺しのくせに」

 黒龍の暴露を聞いた未来は耳を疑った。


 訳を聞こうとする未来に黒龍は、罪悪感を抱く龍の気持ちを考えもせず、蝙蝠から知らされた鴉の死をありのまま伝えた。


「ごめん。隠すつもりも、殺すつもりもなかったんだ……」


「龍君……」


「けど、事実だよ。なのに、人を殺した手なんかで頭を撫でて、本当にごめん……」

 龍はそう言って、頭を下げ、未来に背を向けた。


「安心して。未来さんに迷惑はかけないよ。人を殺すなんて悪いことをしたのは僕だから、ちゃんと守って、それから自首する。だから、未来さん。できれば僕のことは……」

 龍は未来に、切なく悲しい頼みを言いかけたが、彼女はそれを聞き入れなかった。


「嫌だ……そんなの嫌だよ! 私にとって龍君は、かけがえのない大切な人だから。そんな人の口から『忘れてくれ』とか『縁を切って』とか聞きたくない! 私は人を殺した手で頭を撫でられるより、龍君がいない毎日を過ごす方がずっと嫌だよ! だって……だって私は、龍君のこと……」

 未来は涙ぐみながら、己の心情を吐露した。

 彼女の想いに気付いた龍は、考えを改め、研究データが舞台下のパソコン内にあり、SDカードは未来が持っているのを確認した。


「わかった。未来さんは僕らから離れてて。危ないから」


「あ、うん。気をつけてね」

 未来の一言に頷くと、龍は黒龍を見据えた。

 その胸中にいつもの日常に帰るという決意を秘めて…………

 案の定、黒龍との戦いは回避できませんでした。

 彼との対決が間もなく幕を開けます。

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