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081 放浪編21 極秘会議

短いです。


真・帝国某所拠点


 真・帝国の拠り所、真・皇帝の血を引く姫である(かえで)の帰還に、皆が安堵の表情を浮かべていた。


「姫様ーーーーーーーーーーーーー!」


 白髪の執事服を来た老人が(かえで)に向かって走り寄って来る。

抱きつかれる刹那、(かえで)が身を避ける。


「爺や、そのようなスキンシップは不要だ」

「これは失礼いたしましたのじゃ。じゃが爺は心配で心配で……。将軍! 奴らは殲滅したのであろうな?」


 姫に対するデレデレした顔から一瞬で厳しい顔に切り替えて将軍に詰め寄る爺。

ちなみに爺は真・皇帝陛下の侍従として古くから仕える譜代の家臣の子孫であり、(かえで)の教育係でもある。

そのため姫に優しく周囲に厳しくという性格だった。


「それはこれからご報告が……」

「何ぃ? 任務を全うせずに帰ったと?」


 爺が目に威圧を込める。この爺もスキル持ちのようだ。


「爺や! それには理由があるのだ。話を聞け」


 (かえで)の言葉に爺が威圧を解く。


「しかし、このようにやつれた姫を見ては黙っているわけには「それはもう良いのだ!」」


 (かえで)が食い気味に止める。


「聞け! ボクは向こうで大事な人に助けられたのだ。それは晶羅(あきら)お兄ちゃんだぞ」

「なんじゃと! 晶羅(あきら)様じゃとーーーーーーーーーー!」

「うん。宝石が眩しいぐらいに輝いた。間違いないよ」

「御子がみつかるなんて……。爺は爺はうれしくてたまらんのじゃ!」

「向こうはお兄ちゃんが掌握してた。だから殲滅しなかった。いい?」

「戦ったら、逆に殲滅されていたのはこっちですけどね……」


 将軍がボソリと呟く。それが晶羅(あきら)の専用艦単艦での仕業だとは、とてもじゃないが言えなかった。


「次元通信は届いてなかったの? ボクが必死に念を送ったのに」

「”助けて”を受けたので艦隊を送ったのじゃ。ところで姫、”アニアギス発見。紅玉の洋梨”とは何の暗号じゃ?」

「あー。そっちはダメだったんだ。それは”兄アキラ発見。攻撃の要なし”だよ」

「それが届いていればあんなことには……」


 将軍が項垂れる。


「お兄ちゃんは単艦でめちゃくちゃ強かったぞ。それにボクはお兄ちゃんからメッセージを託されてる。それを聞いて欲しい」

「承知したのじゃ。おい、幹部を全員集めるのじゃ!」


 爺やが真・帝国幹部を招集し、謁見の間に場所を移すことになった。



 列席する真・帝国家臣団の前に豪華なドレスで着飾った(かえで)が現れ玉座に座った。


「皆、心配をかけた。ゆるせ。この度私は重大なメッセージを持って帰還した」


 (かえで)が姫モードで話しだす。


「帝国の捕虜となったと思った私だったが、私を保護したのは私の兄晶羅(あきら)であった。

本人確認は、この宝玉で行った。私より遥かに強く輝いたぞ」


 会議室がざわつく。

(かえで)はそれを手で制する。


「その兄様から『我と共に戦ってくれ』とのメッセージだ。

兄様は騙され簒奪帝国に身を寄せることとなったが、皇帝の因子のおかげで簒奪帝国の第6皇子となって勢力を拡大しておった。

だが、兄様はそのせいで後継者争いに巻き込まれ罠にかけられて抹殺されるところだったそうだ」


 真・帝国家臣団幹部達が息を飲む。

自分達が崇拝する真・皇帝陛下の御子が抹殺されるところだったとは。


「いま一番の脅威は簒奪帝国第13皇子の通称プリンスという男であるという。 

やつは兄様の味方を装って兄様を陥れようと虎視眈々と狙っておった。

現在、兄様の戦力は要塞艦1艦と宇宙艦3300艦ほどだ。

プリンスとの戦力差は、ややプリンス優勢とのこと。

そこで、我らの力を貸して欲しいということなのだ」

「我らは真・皇帝陛下に忠誠を尽くす者です。真・皇帝の因子が確認出来れば協力しないという選択肢はありません。

まず使者を送り精密検査を。そして協力体制の詳細を詰めるべきかと」

「使者には私が行くとして、専門家の八重樫の父母にも行ってもらおう。そして実務協議には軍部から1人みつくろってくれ。

我らが表に出ると兄様の簒奪帝国での立場が悪くなる。我らは影で支えることとなろう」


 (かえで)が終始姫らしく振る舞い謁見は終わった。

家臣団幹部が去ると(かえで)は空気の抜けた風船のように腑抜けた。


「やっぱりガラじゃないよーーー!」


 実年齢5歳である(かえで)の姫モードは無理がありすぎるのだ。



********************************



(かえで)から、次元通信で来訪の報告があった。

(かえで)と使者、技術者を含め計4人で来訪する予定だそうだ。

僕は(かえで)を迎えるため、予定時間少し前に次元跳躍門(ゲート)の目の前に専用艦を進出させて待っていた。


 アノイ要塞の次元跳躍門(ゲート)に艦隊突入の警報が発令された。

タイミング的に(かえで)達の使者だろうと、次元跳躍門(ゲート)の目の前で持ち構える僕の専用艦。

だが、突入して来たのは僕がマーキングしている真・帝国の艦ではなかった。


『くっ。油断した。突入して来たのはレッド! 敵艦隊だ! 迎撃戦に入れ!』


 僕達は敵勢力の奇襲を受けてしまった。

真・皇帝派を真・帝国に統一しました。

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