↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/179

080 放浪編20 真・帝国艦隊

 このままだとアノイ要塞と真・帝国の艦隊が武力衝突してしまう。

真・帝国は自らの代表たるお姫様の奪還に燃えているはず。

何か良い手は無いものか。


「楓(かえで)、お前戦艦に乗って1人で帰れるか?」

「何を言ってるのお兄ちゃん?」

「いや、奪還する姫が帰って来れば戦う必要は無いかと思って」

「それはそうだけど」

「それで僕を見つけたって話を通してくれれば丸く収まらないか?」

「だけど、ボク1人じゃ帰るルートがわからないよ」

「ダメか……」


 僕はなんとかアイデアを絞り出そうと頭を捻る。


「いっそのこと次元跳躍門(ゲート)の亜空間側で待ち伏せして、さっさとお前を返そうか」

「それで帰ってくれればいいけど、爺やが納得しないと思う」

「爺や?」

「ボクの教育係のお目付け役。

昔から真・皇帝陛下に仕えていた侍従の一族で皇家のプライドとかに煩いの。

ボクが捕虜になったなんてことは相手を消滅させてでも無かったことにしたがるはずだよ」

「また面倒くさい奴がいるもんだな」


 ある程度、こっちの力を見せないと交渉も出来ないかもしれない。

だけど、相手を殺しちゃったら恨みが残って話どころじゃなくなる。

そういや敵勢力が有人艦で攻めて来るのはレアっぽい感じだったな。


「楓(かえで)、話にくいことだと思うから嫌なら話さなくてもいいんだけど、真・帝国の軍は全て有人艦か?」

「ううん。ほとんど無人艦だよ。それに別に話せないことじゃないよ」

「そうか。それじゃ有人艦の見分け方ってわかるか?」

「それは知らないけど、有人艦はほとんど専用艦だからワンオフなのは間違いないよ」

「なるほど。量産艦なら無人艦の確率が高くなるってことだな」


 僕は真・帝国との接触方法をある程度模索することが出来た。

これでダメなら武力衝突もやむなしだな。



 僕と楓(かえで)は専用艦に乗って真・帝国の艦隊を次元跳躍門(ゲート)の前で待ち伏せることにした。

楓(かえで)の専用艦である鹵獲戦艦は僕の支配下にあるんだけど、”楓(かえで)に貸す”と僕がイメージするだけで楓(かえで)に使用権を移譲出来て使えるようになった。

これは僕が楓《かえで)を身内として認識しているおかげらしい。

神澤社長にRIOを貸せたのも仲間として認識しているからだろう。

ちなみに鹵獲戦艦のエネルギー分配器は次元格納庫の中で修理済みだ。


 既に次元跳躍門(ゲート)は敵勢力からシステムへの介入を受け、介入警報が発令されていた。

敵が現れるのはもう直ぐだ。

前線には交渉に臨む僕と楓(かえで)の専用艦2艦のみ。

さすがに後方には防衛戦力を展開中だ。


 次元跳躍門(ゲート)から敵勢力の艦が通常空間に突入して来る。

予想通り、量産艦ばかりで無人艦だろうから遠慮無く撃つ。

僕は立ち上げていた対艦レーダーと戦術兵器統合制御システムにより脅威判定をして敵艦をマルチロックオン。

増設した長砲身5cmレールガン3門を使って侵食弾を次々と撃ち込んで行く。

残弾∞備蓄のおかげで次々と支配し無力化していく。

まさかここで小口径ゆえの速射性が有利に使えるとは思わなかった。


 ついに敵旗艦と思われる大型艦が突入して来た。

僕は通信を送り交渉を始める。


『真・帝国の指揮官に告げる。そちらの姫は返す。帰ってくれないか?』

『私だ。彼は敵ではない。私の兄様の晶羅(あきら)である』


 楓(かえで)が姫モードで指揮官に伝える。

真・帝国の指揮官は困惑したようで、返信もなかったが、攻撃もして来なかった。

僕はとりあえず、突っ込んで来る敵艦だけは侵食弾で無力化していった。


『攻撃を止(や)めてくれ。それ以上接近すれば、このように無力化せざるを得ない。

停戦に同意するなら、艦を止(と)めてくれ。止まった艦は撃たない』

『おねがい。停戦して。犠牲を出したくないの』


 それでもまだ、敵艦が突っ込んで来る。僕は侵食弾を撃ち無力化する。

しかたないな。僕は脅しをかけることにした。


『そちらから3時の方向に岩塊があるのが見えるか? よく見てろよ』


 僕は長砲身5cmレールガン1門を岩塊に向ける。

ロックオンするとGバレットを撃ち込む。

Gバレットが岩塊に当たる。

急速に重力の増した弾体が速度と重量による膨大なエネルギーを岩塊にぶつける。

岩塊は跡形もなく粉砕された。

それを見た敵旗艦から通信が入る。


『停戦に応じる。ただし、これは降伏ではない』

『了解した。こちらも武器使用を控える』


 僕は警戒しつつ撃つのを止めた。

楓(かえで)がホッと息をついたのが聞こえて来た。


『僕の隣にいる艦の搭乗者は、あなた方の姫だ。姫は返す。こちらに戦う意思はない』

『彼は兄様だ。宝石が反応したから間違いないわ』

『!』


 真・帝国の指揮官が息を飲む。


『間違いないのですね? それでは我々が戦う意味が無い。是非とも会談を望みます』

『とりあえず、そちらの姫を返すので姫の話を聞いてください。その後会談をセッティングしましょう』

『わかりました』

「楓(かえで)、あの話をして来てくれ。通信では盗聴されかねない」

「わかった。任せておいて」


 僕は楓(かえで)の専用艦を送り出すと後方に引き上げる。

楓(かえで)が真・帝国に保護されたのを確認し、侵食弾で無力化していた敵艦を解放する。

敵艦にはナーブクラックを使っていないため、侵食弾で艦内ネットワークを支配しただけなので、その制限を解除するだけで解放出来る。

実は再支配が簡単に出来るんだけど黙っておこう。

こうして真・帝国の艦隊は帰って行った。

外部通信は『』で艦隊内通信は「」で表現しています。

真・皇帝派を真・帝国に統一しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。