幸福な日曜日っ
日曜日。
それは明日には月曜日の前日。
そう、最後の休息の時でもあるのです。
いつもであれば月曜日に震えながら過ごす、日曜日。
しかし、今日はちょっと違うんですよっ!
今日はね、いつもの日曜日とは違って人と会う約束をしてるんですよ!
誰かって?
ふっふっふ、立川さんなのです!
今日の夜、夜景の見える素敵なレストランで、一緒にディナーを食べることになったんですよー!
わくわくしてきますね!
なんで、レストランで食べることになったかというと……。
まず私がまた私の家に来て料理を作ってくれませんか?って誘ったんです。
そしたら、もう掃除は嫌だ……って言われちゃいまして。
あれから、私だって掃除くらいしてるんですけどねぇ。
ホントですよ?
うん、私、嘘、ツカナイ。
まぁ、それはおいといて。
色々あって結局、我が家にくるという案は却下されてしまいました。
その結果、外で食べようということになった訳です。
立川さんとの待ち合わせは、夜の七時。
そして、今は夕方。
そろそろですね!
テレビでも見ながら、そろそろ準備するとしますかね。
『本日の星座占い~♪
今日運勢は~♪』
珍しいですね、夕方に星座占いとは。
一応見ておきましょう。
『本日の運勢の極悪な星座は~。
いて座です!!
数々の災難が立て続けにおこり、瀕死の一撃が横から飛んでくるかもしれません。
残念っ、死なないように頑張ってください!
そんな、いて座のラッキーアイテムは~。
ありません!!
とりあえず、頑張ってください!』
うわー、いて座じゃなくてよかったー。
ちなみにわたしはうお座。
ラッキーアイテム無しとか、一欠片も救いがないですね!
可哀想に。
さて、次は一位の発表されるっぽいですね。
『本日の運勢一位は~。
うお座です!!
思わぬハプニングに巻き込まれるかもしれませんが、基本ハッピーになれるでしょう。
今日はだいたいのことが上手くいきます。
ほぼ全てのことが都合よく進みます!
もはや、神であろうとあなたの幸運を止めることはできません!!
そんな、うお座のあなたのラッキーアイテムは~。
「iLOVE YOU 」と書いた紙です。
その紙をどこでもいいので身につけることにより、幸運が向こうから突撃してきます!!』
一位にはラッキーアイテムあるのかい!
しかし、紙ですか。
あったかなぁ。
そう思い部屋を見渡す。
あっ、いいのがありましたね!
手に取ったのはこの前、とある福引きの五等賞で貰った、名刺サイズのメッセージカード。
クラフト紙なので丈夫さもバッチリです!
さっそく、幸運がきちゃいましたね。
そして、私はそのカードに大きく「i LOVE YOU 」と書き込んでいきます。
せっかくなので可愛く書いちゃいましょう。
結構、集中して書いてたようで、時計を見ると時刻はもう五時を過ぎていました。
あっヤバイ、ヤバイ。
早く行かなきゃ!
急いで上着を羽織り、カードを右のポケットにしまってっと。
よし、ハンカチも持ったしさぁ行きましょう!
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あの後、間一髪で五時三十一分の電車に乗ることができ、七時までにレストランにつくバスになんとか乗ることができました。
さすが、今日は幸運。
「鈴森さん、こんばんは。」
「こんばんは。なんかこのレストラン凄いですねっ。」
今日の立川さんは黒のジャケットに濃いブルーのズボン。
ヤバ、ちょっとカッコいいかも。
普段とはギャップがあっていいですね。
どうやらこのレストランはフルコース形式らしいです。
夜景も見えるのでとてもいい雰囲気ですね!
とりあえず、白ワインを開けてっと。
まずは、前菜。
そして、サラダ、スープ、パンと順番に運ばれてきます。
あっ、立川さんのグラスが空になってますね。
「私、注ぎますよ。」
「いいの、ありがとう。」
立川さんに近づき、瓶を持って注ごうとする。
しかし、慣れないフルコースのレストランで少し緊張していた私は、手先が狂ってしまいワインを立川さんの服にこぼしてしまう。
「っ。冷たっ。」
「あっ、すいません、すいません!」
どうしよう、どうしよう!
とりあえず、拭かないと!
「ごめんないっ!」
「いいよ。服なんて後で洗えばいいんだから。」
立川さんの顔を恐る恐る見てみると、まったく怒っていませんでした。
なんて優しいんでしょう。
「拭きますねっ!」
右のポケットから、ハンカチを取りだし、こぼしてしまった場所に当てていく。
大丈夫かな、シミになったりしないかな。
「ありがとう、自分で拭くからいいよ。」
そう言って、私からハンカチを取りあげる立川さん。
丁寧な手つきで立川さんがハンカチを使っていると、ハンカチからポロリとあるものが落ちた。
名刺サイズのあるものが。
あっ、あれテレビの占いにのせられて書いたアレじゃないですか。
見られたらまずいです!
「ん? なんだこれ。」
ハンカチから落ちたソレを手に取る立川さん。
ヤバイ!
「みっ、見ちゃダメです!」
しかし、時すでに遅く……。
「どれどれ、なんか書いてあるな。んーと、「i LOVE YOU 」?! まさか……!」
あぁ、見られてしまった。
きっと、勘違いをされてしまうだろう。
まぁ、立川さんならいいかなとか思っちゃったりもするんですけどね。
「これは、つまり、そういうこと? 俺も、まぁ、鈴森さんならその……。いいよ。」
えぇ!!!
まさかの、オーケー?!
ま、まぁ結果オーライってことかな!!
今日の私、幸運過ぎる!!
テレビの占いさんありがとう!!
「い、いいんですか?」
「うん。」
「つ、つまり私を養ってくれるってことでいいんですか?」
「? 養う? まさか、付き合うじゃなくて結婚ってこと?」
ん?
なんかちょっと勘違いされてますね。
「ダメ、ですか?」
せっかくなので勘違いに乗ってみます。
「ダメじゃないよ! 結婚しよう!!」
おぉー!!
「怠惰な私ですが、よろしくお願いします!」
「一生養ってあげるよ。鈴森、愛してる。」
始めて立川さんが呼び捨てで呼んでくれました。
「私も愛してます、立川さん!!」
こうして私達は、一足飛ばしに結婚することになったのでした。