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ドランクvs飯塚 舌戦(後編)

「わかりました。あなたのことは認めましょう。認めますが、かわりに聞きたいことがあります。あの錠剤の、魔力増強剤に副作用は本当にあるんですか?」


「それについては私よりこの男のほうが詳しい。彼に聞いてみたまえ」


 指名されたバーモンは身震いして、その広い額に汗を浮かべている。


「そ… それは、まだこちらとしましても解明されていませんでして、この段階で何々と言うことはちょっとできそうにありません」


 返答にも歯切れがない。


「それはつまり、ないとも言えないし、あるともいえないというわけですね。ではもう一つ聞きたいのですが、普通の人が薬なしでも魔力を操れるようになる可能性があるというのは本当ですか?」


 飯塚の方はちょっと強気である。


「それは、その人の才能次第ですので… これもなんとも言えないですね。実際にあなたは試してみましたか? 薬なしでも動かせるかどうか。そういった特訓も重ねて、それで才能があれば開花するはずです」


「なるほど。ではもし、これらのアイテムを返さないといったら、あなた方は私をどうするんですか? やっぱり攻撃して、力ずくで奪い返すのですか?」


「それには私が答えよう。君の想像通り、まさに攻撃する。何度も言うが、それは私のものだからな」


 ドランクは常に偉そうである。


「これを、私に売ってくれと言えば、どうですか?」


「売ってくれだと? 君も奇特なことを言うな。そんなに魔力というものに関心があるのかね? まあ、君のように『こちら側』の人間ならそんな気持ちも湧こうものか。奪い返し次第、ちょっと催眠術を掛けて、君たちにはこのアイテムについて一切を忘れてもらおうと思っていたのだが、実験台になってくれるというのなら売るのも一つの手かもしれない」


「それはつまり、交渉成立、ということですか?」


 はて、二人の間で話が妙な方にまとまっていく。増強剤の製造は条約違反とか何とか、飯塚にしても先ほど聞いた話であろうに、と思うUWの滋にすれば、これは悪の結託と見逃す訳にもいかないが、この状況はつまり己が四面楚歌と気付いて、顔が青ざめる。危機を目の前にして、後ろ手で握る携帯電話で弥生に掛け続けるも、一向に繋がらない。ところが、事態は彼にとって凶事とばかりには進まない。飯塚とドランクの間に割って入ったのはヴァイスで、


「ちょっと待った。それは契約違反じゃないですか? あなた方は言った、薬は回収次第処分すると」


 彼に助力を頼んだバーモンもそれと同意なのか、何度も大袈裟に頷いている。相方のドランクはと言えば、


「ふん、私はそのように言った覚えはないな。なんだったら契約を解消してもいいんだぞ。ここまできたら君に助けてもらう必要もないからな」


 と不義理に出る。それまで涼しい顔をしていたヴァイスの目付きも険しくなって、両者の間に俄かに暗雲が立ち込める。



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