潮風をまとう人
アラタは物心付いた頃から、住む土地を転々としていた。故郷と呼べる場所はない。
ただ、いつの頃からかずっと二頭の水牛が現れる夢を繰り返し同じ見ていた――。
高校の寮暮らし、母の死、大学受験。そして大学で出来た恋人のナナカ……父の死は、大学生の彼には突然の訃報だった。
――本当に伝えたいと思った人には、もう届かなくて、一番に祝って欲しい人はその時にはもういなくて……。
※「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しました。
ただ、いつの頃からかずっと二頭の水牛が現れる夢を繰り返し同じ見ていた――。
高校の寮暮らし、母の死、大学受験。そして大学で出来た恋人のナナカ……父の死は、大学生の彼には突然の訃報だった。
――本当に伝えたいと思った人には、もう届かなくて、一番に祝って欲しい人はその時にはもういなくて……。
※「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しました。