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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
序章 吸血姫と世界樹
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準備

「で連れてきたと」

「そう」


 あれから少し休憩して、わたしとグランは世界樹のリノアのとこまで戻って何があったのかリノアに説明しました。


「ほう、こんなとこに世界樹が存在していたのか、初めて見るが噂以上にでかでかいな」


グランは感心したように世界樹を見上げて唸っています。


「わたしはいいけどアルスを襲ってたんでしょよく眷属にしようと考えたわね」

「あんな目をみたらちょっとね」

「いやどんな目かわからないよ、でフェイスが言うものだもの相当なもんだったんでしょうね」


 あの時わたしが思ったことはただ生きた亡霊のグランを助けたかった、ただそれだけ。

 なぜそのような事を思ったのかは分からないけど自分は間違っていなかったと思う。


「で姫よこれからどうするんだ別に急がなくてもいいができれば俺の剣技を伝えるに相応しいやつを見つけに行きたいんだが」

「うん遠くない内に外の世界に出るつもりだよだけどその前にいろいろ準備をしなくちゃ」


 如何せんわたしは外の世界のことを知らないのでグランからお金や国についての情報や常識を教えてもらわないといけませんからね。常識については当てにならなそうですが。

 まあリノアともう少しいたいと言う気持ちもありますがね。


「外にいくならわたしの枝や葉でも持ってきなさいよ旅費の足しになるわよ」

「良いの?」

「人間からしたら髪の毛を抜く程度のものよすぐに生えてくるわ。それでも人間からしたら貴重なものなのでしょう」

「実際いくら位になるんだろう。グラン知ってる?」

 

 いくらくらいか分かれば持ってく量が考えられるのでグランに聞いてみることにしました。

 グランは特に悩みもせず口を開き応えてくれました。


「剣にできるほどの太さと長さの枝なら生涯遊んで暮らせるだけの金が手に入るって聞いたことがあるな、葉は煎じれば効果の高い薬が作れるからそちらも高く取引されているがエルフの里から年に数枚流通されているから枝ほどじゃない、短い枝でも好事家に売れるからそれでも一等地に家が立つほどだな。もし世界樹の実があるのならそれは出さない方がいいとても値段のつく代物じゃない数百年前に勇者が世界樹から賜ったのが最後の記録と聞いたことがあるな」


 想像以上に高く取引されるのですね、それなら葉か短い枝を売るのが良いですね間違っても世界樹の実を売るのはよしておきましょう。

 でも、美味しいのですよね。


「ああ、それ聞いたことあるわ確かエルフの秘宝を届けてくれたお礼に渡したんだ~とか聞いたわね、その勇者の自慢を当時ずっと言ってるもんだから兄妹みんな呆れてたわよ、何が勇者に撫でられたーよ知るかってんだ!」


 相当鬱憤が溜まっていたようですね空中で地団駄を踏みなが怒ってますよ。

 でも勇者がいる世界なのですね。吸血鬼とか確実に敵側じゃないですか。


「リノアとりあえず落ち着いて、グランはそこに世界樹の実があるから食べといていいよどうせいっぱいあるんだし」

「これが伝説の世界樹の実か……乱雑に地面に置かれてるとありがたみに欠けるな」


 わたしがリノアを落ち着つかせる間にグランに食事代わりに進めたのですがどうもリノアが世界樹の実を大量に収穫していたようですね。

 そんな貴重なものでも無いのですね。


「ふー、ごめんわたし一人で高ぶっちゃて」

「別に大丈夫だよ気にしないで」


 勇者について聞いてみたい気持ちもあるのですがまた先ほどのようなっても困るので今はやめておきましょう。グランに聞けばある程度は勇者について分かるでしょうし。


「世界樹の実ってうまいな、で世界樹さんよなんて呼べばいいかい」

「なんでも良いわよ呼び方くらいでうだうだ言うほど若くないわ」

「じゃあチビちゃん、この実うまかったぜあんがとな」

「どういたしまして、そう簡単に食べられるもんじゃないから味わいなさいよ」

「その呼び方で良いんだ」


 普通その呼び方されたら怒りますよねチビってバカにした言い方。

 

「だってわたしの本体はあんなにも大きいのよチビって言われても何も感じないわよしかもわざと悪く言ってるわけでなくただ見た目の特徴から言ったのでしょうし。まあできれば可憐のカレンでも良いけどね」


 そうですよね見た目は小さいですが本体は天まで届く世界樹ですもんねチビとか何の冗談な感じですよね。

 それでも自分で可憐というのは痛いですよリノア。


「とりあえず朝日も出てきたしわたしは寝るからグランはどうしてる?」

「俺はこの辺見てくるわ」

「なら生け捕りで何か獣でも狩ってきて」

「俺に生け捕りを頼むとか難しい注文だな、だが姫の望みとあれば喜んでいたしましょう」


 グランがこう畏まると気持ち悪いですね。だからといって止めませんけど。

 これで次の食事の確保もする必要がないので安心して寝れますね。


 こうしてまた一日が終わってゆき外に出るための準備が本格的に始まって行ったのです。



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