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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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サキュバス

やっと更新です!

数少ない待っていた方お待たせしました。



 石造りの暗くジメジメした空間をゆっくり歩くわたしとアリス。

 明かりは壁にかかったランタンのみでオレンジ色の光が辺りを照らしています。


 現在いるのは神殿の地下でこの先に捕らえるようの地下牢があるそうです。

 この地下牢は一般の牢とは別で公にできない者や凶悪犯を収容するための強固で秘守的な特殊牢であり牢一つ一つに魔法による結界までされているそうです。


「もうすぐ着きますよ」

「そう言えば魔法の結界まで使用しているのにそのサキュバスは魅了を使えるんだ」


そんな疑問にアリスは困ったような顔をしながら答えてくれました。


「残念なことに最上級の結界まで施されている牢は有限です。

なので強力な魔法や能力を保有する危険な者が優先されるのです。


サキュバスは無差別精気を吸っていましだが、気を失うだけで死ぬほど精気を吸っていた訳ではありませんでした。魅了も魅了し操って脱獄する可能性はありましたがその特性上命に関わることはないと判断されたので少し頑丈な牢に捕縛されています。」


精気を吸って物凄く迷惑をかけたから捕まっただけだったのですね、てっきり死ぬまで精気を吸ったからの殺人罪で捕まったと思っていましたよ。

最悪逃げても影響が少ない……少なくても死者がでる可能性は殺人者よりも少ないですもんね。


「それに精気を吸われた人たちはとてもいい夢が見れたそうです。なので表立って訴える人がいないのが現状ですね。

 とわいえ限界まで精気を吸われているので数日は活動できなくなるので生産性が落ちてしまうのでとても迷惑なんですよね」


 精気を吸う対価に幸せな夢を見せる、夢なら全てが思いのまま、すべての欲望が満たせますしそのためなら数日寝込むくらい気にしない人が大多数でしょうね。

 ですが一人二人程度ならなんとかなってもその地域の多くが寝込んでしまったら文明的な生活など到底行えなくなり下手したら秩序が崩壊しますね。


 そのための捕獲だったんでしょうね、サキュバスももう少し考えて精気を吸っていたならわざわざ聖女が出張って来て捕まることはなかったですのにね。



 それから少し進むと牢がある区画にやっと着きました。

牢一つ一つはさほど大きくないが横になって寝れるほどのベッドと水場があり、牢と牢の間隔は大きく空いており間違っても崩れて繋がるような事がない作りになっていますね。


しかも牢の正面は扉で閉めるのではなく外から中のようすが丸分かりになっているので中で変なことも出来ませんね。


「フェイスここがサキュバスのいる牢です。気をつけて下さいね」


着いた牢を覗くと薄手の毛布に包まってスースーと静かに寝息を立てている女性がいました。

 見た目は二十代前半、ピンクの長い髪に溢れんばかりの豊潤な胸、羽や尻尾は毛布に隠れているような様子ではなくわたしと同じようにしまえる仕様なのでしょうね。


「んっ?もう夕食の時間、少し早くない?何か外が騒がしかったことと関係あるのかな」


 起き上がったサキュバスは寝起きなので目がトロンとした状態で話しかけてきました。

 見た目だけならほんわかなお姉さんみたいですけど油断ならないですね。


「聖女ちゃんそろそろ精気頂戴よ、普通の食事だけじゃ味気ないよー。

 聖女ちゃんの精気美味しそなのよね、あっお隣の子の精気でもいいよ上玉が二人もいるなんてお姉さん悩んじゃうなー」

「与えませんよ、精気が必要不可欠な物ならともかくあなたは普通の食べ物だけで大丈夫でしょう」

「えー、聖女ちゃんのイジワルー」


 へーサキュバスも精気が必要不可欠ってなわけではないのですね。もしくはこのサキュバスが上位の者である可能性もありますね。 

 感じ的に後者ですかね。ほんわかした感じとは裏腹に内包した魔力量が多く油断させてくるのに油断していない目線、これで立ち姿を見れば本格的に分かりそうですがそれを見せない振る舞い、まあそれは単に立つのが面倒くさいだけかもしれませんが。


「で、どうですフェイスこれがサキュバスですよ、碌でもないものでしょう?」

「聖女ちゃんひどーい人を動物園の動物みたいに扱うなんてー。

 こんな可愛いサキュバスなんてなかなかいないんだからねー」

 

 同性から嫌われそうなサキュバスですね。サキュバスって種族全部がこうなのかこのサキュバスだけが特別なのかわかりませんね。

 それにこのサキュバスは可愛いというよりもキレイ系ですよ。確かにキレイかと問われていたらキレイと答えるくらいにはキレイな人ですよ。


「さて、わたしはサキュバスのメリッサよろしくね。早速だけどちょこっと精気くれない?」

「何バカなこと言っているんですか!フェイス聞き流してくださいどうせ全部奪う気ですよ」

「もー邪魔しないでよ、最近いい精気持っている子いなくて質より量で補っていたから、ああなっただけであなた達みたいに上質ならそこまで取らないわよ。

 それに量って言っても干からびるまで吸っていないんだし良いじゃない」


 そのままメリッサとアリスが同じことで言い合ってます。

 でも一回精気を吸われてみるのも良いかもですね、向こうが大量に吸おうとしてきても力量的にわたしの方が上ですしレジストできるでしょうしね。


 それに何事も経験ですし安全なうちに経験しておきましょう。


「良いですよわたしの精気を上げましょう」

「えっ、ホント!」

「ちょっフェイスも馬鹿なことを言わないでください」


 驚くアリスとメリッサ、わたしに掴みかかってくるアリスを窘めながらメリスの牢の前に移動します。

 わたしは妖艶な笑みを浮かべながら誘います。


「サキュバスの吸精がどんなものか期待してますよ」

「へー言うじゃな、なら素敵な夢の世界へご案内して上げましょう」


 さあ、わたしの期待に答えてくださいねメリッサ。


これくらいの文量なら一時間位で書き上げる人もいるんでしょうね。

そう考えると自分の書くスピードは物凄く遅いですよね、ですがこれからも無い才能振り絞って頑張りますのでよろしくお願いします。

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