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吸血鬼の冒険録  作者: ノア
第一章 聖女の葛藤
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グランの帰宅

 一通り街の散策を終え日がゆっくり落ちてきてきれいな夕日を背にわたしは通りを宿に戻っています。

 夕飯を食べようと考えているのですが一応宿にグランが戻ってきているかも知れないので戻ってから行くことにしました。


 何をしているのか知りませんが元気になっているといいんですけど。

 そんなことを考えている内に宿についたので店主に挨拶し部屋に戻るとまだグランは戻ってきていませんでした。


「まあ暗くなるまで待ってから行っても遅く無いですし待ちますか」


 むしろ夜のほうが元気なわたしは夕食が遅くてもいいのでグランを待ちます。

 ですが特にやること無く本でも買っておけば良かったなーと考えながらベットでゴロゴロしていたらいつの間にか夢の中に旅だっていました。



 ギィィ


 微かに扉が開く音がしわたしは目を覚ましました。

 見ると静かにグランが入ってきていました。


「悪い起こしちまったか」

「はい、ですがグランを待っていたのでいいです」

「まじかそりゃ悪いことしちまったな。っと可愛くなっているな姫」

「ええ可愛いでしょう今日いろいろと買ってきたんですよ明後日には別のも作り終えるので楽しみにしてなさい」


 いやー気づきましたかこれで気づかなかったら殴り飛ばしていましたよ。乙女心は繊細ですよ。


 くんくん

 この汗の中に交じる匂いはお酒ですか。ああそういうことですか。


「そうですかそうですかグランはわたしが待っている間一人でお酒を飲んでいたのですね」

「悪いって姫がまさか夕飯を待っていたなんて思わなかったんだよ」

「ふふっ冗談ですよ夕飯は残念ですけど今日でなくちゃいけない訳ではありませんし。それよりもちゃんとグランが戻ってきたんですからそれでいいですよ」


 それに顔を見る限るもう平気そうですからわたしは満足です。


「それでグランは何をしていたのですか?」

「ああこういう時は昔から変わらずただ無心で戦って気持ちを落ち着かせるんだ。だから冒険者ギルドで適当な討伐依頼受けて街の外まで狩りに行ってたのさ。まあその後依頼料で酒のんでちっと振り返ってたんだ」

「グランは冒険者ギルドに入っていたんですね」


 聞くとなんとグランはAランクの冒険者だそうです。冒険者の説明は後日にしましょう今はとりあえず上から数えたほうが早いランクで強いとおぼえましょう。

 

「そういえば昼間襲った時にいた護衛達がいたぞやっぱりあの商人ものすごく怒ってたそうだ」 

「まあそうでしょうねあのハゲデブバカ親父はゴロン商会の人みたいですよ」

「姫も調べてんだな何でも姫のこと探しているようだぜ」


 まあ最後にぶん殴ったのわたしですしね。はー面倒くさいあとでサクッと殺っちゃいますか今のわたしなら夜に紛れて暗殺などお茶の子さいさいですし。

 

「基本は無視で何かしてきたら報復しましょうか」

「こちらからわざわざ何かする必要もないしいと思うぜ」


「ともかくグランが戻ってきて一安心しましたしわたしは外で食事をしてきます。どうせ宿の食事の時間は終わっているでしょうし」


 外を見ると完全に日が落ちていて真っ暗になっていました。

 グランがお酒飲んできたんですからそれなりに遅い時間なんでしょうしね。


「なら付き合うぜ」

「いいですよグランは休んでいなさい疲れているでしょう?」


 街の外まで狩りに行ったそうですからね無理することはないでしょう。

 グランが普通の狩りでそこまで疲れることはないでしょうがどうせ我武者羅に戦い続けたんでしょうから休んでもらいましょう。


「疲れてはいないんだが少し飲みすぎた感はあるな」

「ならしっかり休んでなさいよ街の中にはいるんですから」


 わたしはベットから起き上がりワンピース一気に脱いで髪を解きます。そしていつもの服を作り出し着替えます。

 グランが慌てていましたが落ち着き無いですね。


「姫もう少し恥じらってくれ、それに着替えるなら言ってくれ出ていくから」

「グランこそ落ち着きなさい大人でしょうに一々子供の裸ごときで慌てないで下さい」

「いやいや姫の年齢で子供だからは通用しないからな!」


 まあこの世界の成人が15歳前後だと言うのでそれからすると子供の括りでは無いですかね。ですが10歳以上も違うのですから大人の貫禄を見せてほしいものですね。

 

 グランの戯言を無視し買ったばかりの黒いローブを羽織ります。顔をすべて覆うローブは何か初めてあった時のグランを思い出しますね。

 

「とりあえずグランはもう少し落ち着きなさい。わたしは夕飯を食べに行ってきますから」

「ああ姫も恥じらいを覚えてくれ本当に。世界樹の麓で過ごしてた時は姫はずっと着替えてなかったからこんなにも恥じらいがないとは思わなかったぜ」

「街中で裸になるのは嫌ですよ」

「それは恥じらいじゃなくて常識って言うんだ姫」


 全くグランは譲ってくれそうにないので平行線ですね。仕方ないのでこの話は後日に持ち超しですね。

  

 準備を終えたので扉に手をかけるとグランから気をつけてなと言われたので言葉を返します。


「誰に言っているんですかわたしは夜の支配者たる吸血鬼ですよ月光輝く夜こそわたしの時間です」

「それもそうだなだが一応言っておくよ気をつけてな」

「ええ、それならわたしはこう返しましょう、行ってきます」


 こうしてわたしは一人夜の街に消えていきました。


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